真冬のソウル二日目


二日目のソウルはひたすら忙しく、中身の濃い1日だった。


朝7時に起床。まだ空は真っ暗だ。ソウルの朝は東京よりも1時間も明るくなるの
が遅い。ゆっくり起きてKBSテレビのニュースを見る。ソウル近郊の山の樹木伐採
反対運動の特集をやっていた。行政と市民の意識のずれはどこにでもある問題のよ
うで親近感を持つ。この寒さの中でテントに寝泊まりしながら伐採を妨害しようと
している人達がいるのだ、と窓の外を見る。外では暗い中をたくさんの車が走って
いる。ソウルの朝はすでに動き出していた。                 

駅前のキオスク。若いお兄さんが仕切っている。さすがに日本のものはない。 サムゲタンをどう食べるのか聞いたらガシガシと崩してくれた。スープが絶品。

8時にホテルから出て、朝食を食べに行く。ガイドさんに教えてもらった「大韓参
鶏湯 明洞店」に行く。お客さんは一組だけで、席に着くとすぐにメニューが出さ
れた。参鶏湯とお粥を頼む。調理場ではしきりに白菜を切る音が響いていた。白菜
キムチを作っているのだ。こうして毎日キムチを仕込んでお客を迎える訳だ。韓国
のキムチの美味しさは新鮮さにあるのではないかと思う。大量に消費されるから、
回転が速く、材料も製品も常に新鮮な状態に保たれていて、それが美味しさの秘密
になっているのではないだろうか。                     

付け合わせのキムチとお粥。どれもシンプルで美味しかった。 「大韓参鶏湯 明洞店」の入り口。ここの二階です。

参鶏湯(サムゲタン)は若鶏1羽の中に餅米、朝鮮人参、ナツメ、栗が入れられて
煮込まれたもの。スープが美味しい。本来は夏の滋養強壮の食事だが、このところ
通年食べられているようだ。お粥は生のアワビを一緒にゆっくり煮て卵を割り入れ
たものでチュンボックチュクという。カミさんはこれに大満足だった。付け合わせ
には白菜キムチとカクテキ、魚のキムチが出た。これもみんな美味しかった。  

9時半にホテルのロビーでガイドのキムさんと待ち合わせ。キムさんは約束通り洪
明浦(ホン・ミョンボ)の直筆サイン入りのブロマイドを持ってきてくれた。これ
は私の宝物になるに違いない。さっそく汚さないように部屋に持ち帰り、大切にし
まってから午前中の市内観光に出かけた。                  

ホン・ミョンボのサイン入りブロマイド。若い頃の写真ですね。 直筆サイン!!!宝物になりそうな予感(^o^)

車で走りながらキムさんのソウルや韓国についての解説を聞く。今日はしっかりツ
アー旅行をしているのだ。車は8車線の大通りを走り李舜臣(イ・スンシン)将軍
の銅像を見て光化門(クァンファムン)を横にして青瓦台(チョンワデ)大統領官
邸が見える場所に向かった。その場所からだけ撮影を許可されているのだそうで、
そこには中国人の団体を乗せた大型バスが所狭しと止まっていて、中国人がゾロゾ
ロと徘徊していた。大統領官邸前ということで軍人が警備しており、変な事をする
とすぐに連行されそうな感じだった。                    

駅上の道からホテルを撮る。この位置だから本当に近い。 大統領官邸の前で記念写真を撮る。周囲は中国人で溢れていた。

1枚だけ写真を撮って早々に立ち去ったのだが、その後どこに行っても中国人の団
体に圧倒された。景福宮(キョンボックン)は中国人の団体バスで一杯で入れず、
国立民族博物館に入った。ところがここも中国人の団体客でごったがえしていた。
いやはやすごいパワーで、そのうち日本の観光地も中国人の団体客で溢れかえるよ
うになるかもしれない。観光地の人は英語よりも中国語を勉強した方が今後は役に
立つかもしれない。                            

博物館の入り口を入って行くガイドのキムさんとカミさん。 トルハルパンというチェジュドの石像。ユーモラスな姿は南の雰囲気。


旧正月の行事で願い事を短冊に書いて縄に結んだもの。日本の七夕みたい。 私たちも書いて縄に結んできた。

疲れた体を引きずって博物館を回り、ガイドさんお約束のアメジスト宝石店に寄る
。何も買わずひたすら加工職人の作業ぶりを見ていた私たちにあきらめたのか、キ
ムさんもすぐに声をかけてくれて外に出た。そして急いで南大門市場(ナンデムン
シジャン)に向かった。いやはや忙しいことだ。               

南大門市場(ナンデムンシジャン)を一回りしてそのエネルギーに圧倒され、お土
産の海苔とお菓子とゆず茶を買い、ガイドさんの顔を立てた。楽しいのだがひたす
らエネルギーを消耗する場所だった。ここは24時間この状態だというのだから、
韓国の人のエネルギーには凄いものがある。活気などという言葉では言い表せない
るつぼのようなパワーを感じた。                      

巨大なアメ横!人の多さと店の多さに圧倒されました。 中にあったバレンタイン専門店。これをチョコと一緒に送るのだとか

南大門市場から歩いて明洞に向かう。アンギョンナラというメガネ屋さんを探しな
がら歩いたのだが、結局見つからなかった。そして、やっと昼食のお店「明洞餃子
」ミョンドンギョウザに到着。ところが何と、お店にはズラリと行列が出来ていた
。聞くと15分くらい待つとのこと。韓国人ばかりなのでよほど美味しい店なのだ
ろう。黙って並ぶこと10分、やっと席が空いた。さっそくカルククスとギョウザ
を注文する。ビールを頼もうと思ったらメニューになかった。         

ガイドのキムさんによると、韓国人はほとんど食事中にビールを飲まないという。
飲むのは日本人だけだそうな。だからテーブルにビールがあると日本人だと分かる
のだと笑いながら言う。言われてみると、今までの店でもそうだった。そういえば
私を含めて日本人は旅先で食事時にビールを飲むのは何故だろう??あまり考えて
いなかったが、不思議な行動で、皆同じというのも不思議だ。         

カルククス。麺の味は稲庭ウドンのよう。でもキムさんはウドンではないという。 このギョウザは美味しかった。キムチは辛かった。

カルククスには細切りネギと炒めた挽肉とワンタンが入っており、それをかき混ぜ
て箸(チョッカラク)で食べる。稲庭ウドンのように上品な味で、なるほど人気店
だけのことはある。ギョウザは肉の少ない小籠包 (ショウロンポウ)のような感じで
絶品の美味しさだった。じつに素朴で贅沢な味を堪能した。ここのキムチはとても
辛くて食べられなかったのだが、キムさんが水を頼んで取り皿で洗って食べている
のを見て目からうろこが落ちる思いだった。真似したら、これが旨い。こうして辛
いキムチを洗って食べるのは失礼なことでも何でもないのだそうで、我慢して辛い
キムチを食べるよりもずっと体に良い。これも新発見だった。         

ガイドのキムさんと記念写真を撮ってお別れ。

ここまででツアーの旅が終わった。明洞の街でキムさんにお礼を言って分かれ、自
由行動の時間になった。時計は1時半になっていた。