山里の記憶41


「山里の記憶」NHK放送



2009. 2. 5



NHKの「おはよう日本・首都圏」の特集で「山里の記憶」が放送された。


2月5日(木)朝7時54分からのNHKニュース「おはよう日本・首都圏」の特集で「山
里の記憶」が放送された。4分間という短い時間だったが、よくまとまっていて、素晴ら
しい内容だった。内容はインタビュー、小正月の「ハナつくり」を取材する場面、家で絵
を描いている場面、絵を届けに行く場面で構成されていた。以下、取材の様子なども紹介
しながら顛末をまとめてみた。                          

きっかけは12月の展覧会をNHKの担当者が見に来たことから始まった。何回か連絡を取
り合い、放送日の関係から14日の取材が決まり、続いて25日に絵を描く場面、28日
に絵を届ける場面の取材が決まった。初めての体験なので緊張して14日を迎えることに
なった。14日は小正月のモノヅクリ取材で小鹿野の田本さん宅に伺う事になっていて、
田本さん宅には事前にNHKから連絡が行っていた。                 

14日(水)朝8時半に吉田の道の駅でクルーと待ち合わせた。そこからカメラが助手席
に乗り撮影が始まった。田本さん宅では、9時から4時にかけて「ハナつくり」の様子、
氏神様への参拝の様子、炬燵で取材している様子などが撮影された。角度を変えて撮影し
たり、照明を替えて撮影したりと、長く緊張した時間が続いた。撮影されながら自分の取
材も完了させなければならず、何だかとても疲れた1日だった。           

「ハナつくり」の様子を撮影するカメラマン。 氏神様に参拝する様子を撮影するクルー。

24日(土)には翌日の自宅撮影の前に担当者が下見に来た。絵を描いていたので見ても
らったのだが、これ以上描かないでくれと言われて困ってしまった。28日までには絵を
仕上げなければならないのに。                          

25日(日)朝9時から自宅での撮影が始まった。狭い家は器材でいっぱいになってしま
い足の踏み場もない状態。二階で作業の場面とインタビューを撮影する。次は居間で絵を
描いている場面を撮影する。カメラの前で筆を使うのは初めてで緊張する。撮影の都合で
「文字を描いてくれ」と言われて緊張はピークになる。失敗出来ない極度の緊張に右手が
痺れた。こちらも角度や照明を替えて何度も撮影が繰り返される。3時で室内の撮影は終
了したが、クルーは市内の遠景を撮ると言って飛び出す。明るいうちにどこかの高層マン
ションの屋上から撮影するのだそうだ。私は必死に絵を描き続けていた。       

自宅で絵を描いているところを撮影中に相談している。 ライティングを替えて何度も・・・絵が描けない。

28日(水)朝9時に吉田の道の駅で待ち合わせ。今回もそこから助手席にカメラが乗っ
て撮影が始まる。田本さん宅に着き、車を出るシーンから家に入る場面が撮影される。次
は炬燵で絵を出して広げる場面、談笑する場面、ミニインタビューが撮影される。一段落
したところで、私は「鉄砲撃ち」の取材に向かい、別行動となる。クルーは集落の遠景を
撮影するということだ。しかし、今日は自宅で再度撮影があるので、急いで取材を終わら
せて自宅に戻る。4時半、自宅にクルー到着。二階で作品の撮影に入る。夜8時、やっと
撮影終了。これで全ての撮影が終わった。                     

田本さんの家で絵を見ているところを撮影中。 角度やライトを替えて何度も撮影する。

テレビの撮影取材がこれほど大変なものだとは正直なところ思っていなかった。自分で体
験して初めて分かることが多く、これからテレビの見方が変わりそうだ。丸三日間かけて
カメラを回している時間も8時間くらいあったのではないかと思う。それがテレビに流れ
るのは、あっという間の4分間。いやはや凄い仕事があるものだ。民放だとそれほど人も
時間もかけないのかも知れないが、NHKは徹底している。こちらからのお願いは一切聞い
てもらえず、全てNHKの側で決める。こちらは単なる材料なので致し方ない。だから放送
がどんな内容になるか、まったく分からない。                   

2月5日(木)朝7時半からテレビの前でスタンバイ。録画のスイッチも入れた。54分
に始まった時が一番緊張した瞬間だった。始まったらあっという間の4分間で、途中から
普通にニュースを見るように見てしまった。「ふ〜〜ん、うまくまとめるもんだなあ」と
いうのが感想で、内容はどんなだったかあまり覚えていない。取材が大げさだったので、
事前の緊張感の方が強く、実際に流れてみるとあっけないものだった。        

首都圏ニュースが始まった。 いきなりおばさんのアップだ、すげえ・・・


正月飾りの絵が映った。もっと絵を・・・ うお・・オレだ。変な声だなあ・・緊張してるし・・

 ともあれ「山里の記憶」がテレビ放送された記念すべき一瞬だった訳で、これを再生し
て見られる楽しみはしっかりと残った。4月の展覧会の事を言ってもらったのが嬉しかっ
た。あれは、何かニュースが入ると削られる部分だったそうで、ラッキーだった。