沢内村:思い出の川


20数年ぶりに昔通った川に行った。



西木村に行く途中で湯田インターで降り、沢内村に入った。20数年前にここに通った
事があったので、その川がどうなっているかを確認する為だった。和賀川の支流になる
細い川で、尺イワナや25センチオーバーのヤマメを釣った記憶がある。およね食堂で
雑魚券を買い、林道を奥に走る。堰堤の下から入渓したが、ひどい渇水状態で釣りが出
来そうもない。それでも堰堤まで小さい淵を中心に攻めてイワナを2尾釣ることが出来
た。昔、堰堤上は深い森で、川が二股に分かれ、その上で釣りをしたものだったが・・
現実は林道が伸びていて森は浅くなり、さらにその林道が土砂崩れで崩壊しており、と
ても釣りが出来る場所では無くなっていた。                   

堰堤の下だけは昔のままの姿だった。 元気なイワナが毛鉤に反応してくれた。

20数年間という時間は多くのものを変貌させるのに十分な時間でもある。そこには尺
イワナを育んだ森は無く、豊かに流れる水も無かった。ただ単に渇水だからなのかも知
れないが、昔の面影はその川には無かった。                   

気落ちしたまま下流に下り、和賀川合流点から釣り上がる事にした。水量は多少増えて
いるが底石にヌルが付き、遡行しにくいことこの上ない。小さな堰堤の淵で毛鉤に魚が
アタック!合わせて手元に抜き上げたら、何と「ウ」だった。今期初の「ウ」ちゃんを
丁寧にリリースしながら「何だかなあ・・」と溜息がもれた。           

堰堤上の変貌ぶりにガッカリして車に戻った。 下流で一番先に釣れたのが、なんと「ウ」ちゃん。

橋の下のポイントで毛鉤にヤマメがアタック。しかし、これは外した。これで俄然やる
気が出てきて、キャストが慎重になった。橋の先の流れが細くなるポイントに毛鉤を投
じた時だった。毛鉤が急に消えた。合わせた竿先が上がらない・・・でも何かが掛かっ
ている。水中でギラリと反転する魚がいる。ヤマメだ!!デカイ。魚が重くて抜き上げ
る事が出来ない。大きなヤマメは反転して下流に走った。瀬に出てくれたお陰でネット
に取り込む事ができた。いや〜〜いい引きだった。ネットに納まったのは23センチの
丸々太ったヤマメだった。20数年前を思い起こさせるヤマメだ。         

突然の輝き。でかく重い丸々したヤマメ。これ1尾で満足。 イワナも釣れ続く。

その後さらに上流でイワナを連続ヒットさせ、最初の落ち込みはどこへやら、すっかり
いい気分になっていた。10時から2時まで釣って7尾の釣果は川の惨状を考えれば上
々の釣果だろう。この川は一度水が出れば復活してくれそうだ。「およね食堂」の活気
も当時のままだったのも嬉しかったし、また秋にも足を運んでみようかと思った。  

こんな小さな堰堤がたくさんある。 堰堤の上の瀬で釣れたヤマメ。

そして西木村へ。