山形の釣り


楢俣川行きが台風で中止になり、急遽山形に釣りに出かけた。


 先週末楽しみにしていた楢俣川行きが台風による荒天で中止になった。楢俣はこれで三
年連続で中止ということになった。何だかモヤモヤして仕方ないので山形に釣りに行って
きた。家を朝3時に出て、目指す川に着いたのは8時。入口に福島ナンバーの車が停まっ
ていた。どうしようかと思ったのだが、他に川も知らないのでそのまま入渓した。   

山形の空は晴れていた。東京よりもずいぶん涼しい。 ナガサと熊鈴。一人で渓流に入るにはこれが必携。

 一人なので、腰に熊鈴とナガサを装着しての入渓。今年も熊が多いようなので用心する
に越したことはない。ナガサは、今は亡き阿仁の西根さんに作ってもらったもの。マタギ
でもあった西根さんにはいろいろな話を聞かせてもらった。現役のマタギから狩の話を聞
くという貴重な体験だった。このコーナーの最も古い記事として収録してある。1996
年のことだった。その西根さんのナガサをこういう形で使う日が来るとは思わなかった。

 先行者がいるのはわかっていたので、ゆっくり丁寧に丁寧に釣り上がる。前回、あれだ
けあった蜘蛛の巣がまったくない。日が上がってジリジリと暑くなる。魚は出ない(汗)
 先行者のせいなのか天気が悪いのかわからないが。魚が出てきうれないことには釣るこ
とはできない。山形まで来てまたボウズなのか……、と悪い予感が頭をよぎる。    

小さいイワナが釣れた。これでボウズをまぬがれた。 次に来たのはなんと28センチの大ヤマメ! すごかった。

 とある流れの渕尻で変化があった。5寸のイワナが渕尻で毛鉤を咥えてくれて、何とか
ボウズをまぬがれた。これで俄然やる気になった。「まだ、魚はいる!」       
 その上の白い岩盤の淵で大きなヤマメが定位しているのを発見した。静かに慎重に近寄
って毛鉤を流すが反応なし。ダメかなと思ったのだが、三回目にそいつが動いた。なんと
もあっけなく毛鉤を無造作に咥えた大ヤマメ。併せるとものすごい水しぶきを上げて抵抗
する。これを外したら一大事だから慎重に素早く岸に引き寄せる。          
 慎重に寄せて計るとグリップの長さと同じだった。28センチ、今期最高ヤマメだ。も
うこれだけで大満足。良く出てくれたとヤマメに感謝。この一尾が出てくれたらもう満足
して今まで釣れなかったのも忘れて上機嫌になった自分がおかしい。         
 この川では結局、数は5尾という惨憺たるもの。しかし、28センチのヤマメが出たの
で大満足。やはり先行者の影響は大きかった。                   

みごとなヤマメにうっとり。これ一尾で大満足だ。 こんな川の淵でした。


大満足の笑顔。 次にはイワナが釣れた。調子良くなってきた。


前回は魚が走ったのだが今回はまったく走る影はない。 しかし、またイワナが釣れた。

 時間が余ってしまったので、以前に野村さんと探索した川に向かう。しかし、ここは入
る場所を間違えた。短い区間に大きな堰堤が三つもあり、藪の高巻きで体力を消耗してし
まった。知らない川でいきなり大堰堤にぶつかると絶望的になる。高巻きもハードだった
し、魚はいないしといいことはなかった。                     
 堰堤の上流でイワナが3尾出た。魚影も多かったので、入るとこを間違えなければ楽し
い川なのかもしれない。まあ、初めての川はこんなもんでしょう。魚影は何度も確認出来
たので、次回はもう少し上から入ってみたい。                   

きれいな淵だが魚の影はない。 この堰堤の高巻きが大変だった。


この川でもイワナが釣れた。これは嬉しかった。 淵のたるみから飛び出した。


立派なトチノキが立っていた。 いい型のイワナが釣れた。


今度は違う場所から入ってみようと思う。 峠を越えたら無情にも通行止めの看板が……

 今日は小国に宿を取っていたので山越えの道を走って宿に向かう。ところが峠を下りた
ところで通行止めの交通標示が出ていてびっくり。あわてて戻って峠の入口まで引き返し
た。確認したら小さな看板で「通行止め」と出ていた。もう少し大きく出してくれよと一
人で文句を言う。見なかった自分が悪いだけなのだが。               
 大回りをして宿に着いたのが6時。素泊まりなので夕食はコンビニで買い出し。しかし
、この宿が大変な宿だった。風呂は一般家庭の風呂だし、暑くて入れず水で薄めるのに裸
で15分、シャンプーはなし、歯ブラシはあるが歯磨き粉はなし……、多分二度と使わな
いと思う。                                   

ただ寝るだけの部屋。 トイレも洗面所も部屋の外で共同。


またしても無情にも通行止めの看板が……。 今回の最終地点。フィット君お疲れさま。

 翌日6時に宿を出て新潟に向かう。行きたかったのは村上の甘木沢。何度か行った沢だ
が、一人で行くのは初めてなので大いに期待して走った。しかし、しかし、最後の最後で
道路崩落のために通行止めの表示が出ていて断念。アブに刺されながら2時間歩いて、釣
って、3時間歩いて帰ってくるのは今の俺には無理だ。               
 これにて釣りは終了。そのまま新潟経由の関越道で自宅までひた走った。      



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