納竿釣行は野村さんと


今年最後の釣りを野村さんと楽しみました。



9月最後の週、野村さんと二人で今シーズン最後の釣りに出かけた。渓流釣りは9月ま
でで禁漁となり、来年3月までの長い休みに入る。竿を納める最後の釣りの舞台は仙台
近くの野村さんおすすめの某川。非難覚悟で平日の一泊釣行という不良の釣りだ。  

高速のサービスエリアでなぜか猫に好かれる野村さん。 林道終点に到着。早速釣りの準備にはいる。

林道の終点に着いたのが8時過ぎ、すぐに身支度を整えて入渓する。すぐに別の車が来
て人がこちらを覗いているが、かまわず上流へと向かう。後で分かったのだが、この時
の車の人はマイタケ採りの人だった。川は減水しており、野村さんの話では半分くらい
しか水量が無いとのこと。澄んだ水は遠くからでも魚の影を確認する事が出来る。魚が
見えるということは、魚にこちらの姿も見られているという事で、近づくとあっという
間に渕頭に走られる。これは厳しい釣りになりそうだ。              

準備万端、気合いが入る。 さっそくイワナが釣れた。


こんなに水量が少ない川でイワナが釣れる。 野村さんも釣った。

そこかしこで黒い影が走り、釣れる魚はチビばかり。とある淵で野村さんが手招きして
いる。見ると大きな魚が淵の中央に定位している。場所を譲ってもらい、テンカラの射
程距離までにじり寄り、静かに第1投。狙った場所にピタリと決まり、毛鉤をイワナが
確認した。イワナは静かに反転して上昇し、毛鉤をくわえた!サッと合わせた。釣れた
と思った瞬間、抜けた。すっぽ抜けたかと思ってラインの先を見ると毛鉤が無い・・・
痛恨の合わせ切れ・・・またやってしまった。場所を譲ってくれた野村さんはあきれて
いる。「どうしちゃったの? ええ!切れたぁ・・ダメじゃん」返す言葉がない。  

野村さん絶好調。イワナをポンポン釣る。 またまた釣った。何だか悔しい。

そこまでは曲がりなりにも釣れていたのだが、そこを境にまったく釣れなくなり、野村
さんの一人舞台となってしまった。野村さんは自称「釣らない釣り師だ」と言っている
。本当は釣れないんじゃないの、なんてからかっていたのだが、本当は釣る人だったの
だ。正直言って見直してしまった。振り込みの柔らかさ、合わせの確実さ、ストーキン
グの姿勢の良さ。私などよりずっと釣りに対して真摯な姿勢を持っている。この川は広
く浅い淵が多いので、私のように瀬しか目に入らない釣り師はどこを釣ったらいいのか
分からない川なのだが、信じられないことに、その浅く広い淵で野村さんはイワナを釣
ってしまうのだ。特に、ストーキングの姿勢を低くして第1投に全神経を注ぐという基
本がしっかり出来ていることが素晴らしい。                   

野村さんは釣りが上手い。今回の釣りでよく分かった。 川の水はあくまで透明。しかし水量が少ない。

野村さんが釣った写真ばかり撮っていたので、そのうち野村さんが釣っても写真を撮ら
なくなってしまった。ちょっと意識的に離れて釣ってました。いくら悔しいからといっ
てその態度はないですよね、野村さんごめんなさい。               

滝壺を探る。しかし、ここでは釣れなかった。 でも、野村さんは釣る。

水が少ないので遡行は楽だった。しかし、上流に行くに従って魚の大きさが小さくなっ
てしまった。2時まで釣り上がって、この水量では大物は出ていないだろうと判断し、
脱渓することにした。道は無いので川通しに下る。岩が滑らないので歩きやすい河原だ
った。快調に下り、踏みあとから林道に出て、車に戻る。道ばたのススキが深まる秋を
感じさせてくれた。車に戻ると、ちょうど別の車の持ち主がいたので話を聞いた。つい
先日までもっと水量が少なかったとのこと。魚は岩の奥に隠れているのだろうというこ
とだった。マイタケが採れたかどうか聞くのを忘れた。              

林道に上がるとススキが秋を感じさせる。 1杯飲めば寿命が伸びるという「長命水」。

午後4時、一旦山を降りる。今夜の宿を探すためだ。近くにある温泉街でいいだろうと
いうことになったので、近くの宿に飛び込む。突然の客にも宿の女将さんは笑顔で迎え
てくれた。作並温泉「岩泉」は作並温泉のはずれにある立派な温泉宿。釣り宿にしては
ちょっと豪華かなと思ったが、納竿釣行だからいいか、と自分に寛大になる。夕食の時
間だけ予約して、再度川に向かう。しかし、その後暗くなるまで川を彷徨ったが、大し
た釣果は無かった。                              

温泉に入り、卓球をして、部屋で夕食。テレビを見ながらビールを飲む。前日の睡眠時
間が少なかったので、すぐに爆睡。夜中にテレビの音で目が覚めたら、野村さんがテレ
ビを付けっぱなしで寝ていた。まあ、私もよくやる事なので人の事は言えない。   

今晩の宿、作並温泉「岩泉」 豪華な夕食。

翌朝は6時起床。すぐに温泉に入り、体を目覚めさせる。夕食のご飯をおにぎりにして
もらっていたので、それをラップで包んで昼のお弁当にする。朝食は1階の食堂で食べ
る。豪華なおかずが並び、ご飯をおかわりして食べ尽くす。今日もしっかり歩くのでエ
ネルギーは満タンにして置かなければならないのだ。野村さんは納豆が苦手だというこ
とを初めて知った。                              

今日は昨日の場所よりも下流に入る。水量が少しでも多い場所の方が魚もいるだろうと
いう読みだ。駐車スペースに車を停め、身支度をする。昨日よりも気温が高いようで、
期待感が高まってくる。川に降りるやいなや竿を出す。定位しているイワナに毛鉤を投
げるのだが、まったく無視されてしまった。その上の淵に大きなイワナが定位していた
のだが、竿を振る前にスッと消えてしまった。大きい魚は敏感だ。これは今日も苦戦し
そうだなあ・・と思っていた矢先、瀬尻でイワナが釣れた。一気に気分が明るくなる。
じつに現金なものだ。                             

イワナが釣れた。 堰堤の下流は素晴らしいポイントだった。


なんとスレでイワナが釣れた。恥ずかしい・・ 今度はちゃんと釣った。


野村さん、今日も好調に釣っている。 今日は私も好調。

大きな堰堤があり、そこを高巻いた。高巻き道は痩せ尾根を気の根っこに掴まって登る
という緊張感漂う道。そして堰堤の上から今日のハイライトとなる川が広がっていた。
大きな淵に近づいた。突然渕頭でライズがあった、それもドボンという大きな音と水し
ぶきが上がるライズだった。慎重に這うように近づき、毛鉤を打つ。何度目かのキャス
トが筋に乗った。と思ったら毛鉤がサッと消えた。合わせると重い手応えが右腕に伝わ
ってくる。「来たぁ!」暴れるイワナをいなして引き上げる。いい型のイワナだった。

川を歩く野村さん。見た目以上に川は深い。 ライズを取った。この笑顔。


こんなイワナも釣れた。 野村さんが釣ったイワナ。


どうだと言わんばかりの顔。やだねぇ・・ 透明な淵を後にして急斜面に取り付く。最後の登りが待つ。

ライズを取ったことで気分一新。それから先は絶好調となった。大きな魚を合わせ切れ
したりもしたが、最終的には結構な数のイワナを釣った。納竿釣行の最後は急斜面の直
登という厳しいものだったが、とても気分良く終わることが出来た。同行してくれ、川
のガイドをしてくれた野村さんに感謝。