西木村の釣り:その1


西木村で色々な川を釣り歩いてみた。



9月15日、クリオンを出たのは今日も5時過ぎ。ローソンで食料と日釣り券を買う。
日釣り券1300円なり。先日の会議で一緒になったふれあいの森推進協議会の鈴木さ
んに「上桧内奥のT沢がいいよ」と教えてもらったので、そこへ行く。昨日からの大雨
は上がって青空が広がっていた。朝靄の田園風景がじつにきれいだ。日本の原風景とで
も言えるような美しい景色の中を車は走る。しかし、途中で見る本流はもの凄い増水で
、少々不安が募ってくる。こんな状態で遡行出来るのだろうか??         

早朝の西木村風景。じつに美しい景色だった。 今日は良く晴れている。雨の心配はなさそうだ。

T沢の入り口に車を停め、入渓する。鈴木さんの話では手前に魚はおらず、鉱毒が出て
いる上に魚がいるとのことだった。とにかく魚の影を見るまでは歩こうと、ひたすら河
原を上流に向かって歩いた。水量はさほど多くなく、遡行に問題は無かった。途中、大
きな滝を残置ロープで巻き、淵をへつり、沢登りのような遡行を繰り返した。二股に出
会い、どちらに行くか迷う。右にしばらく行ったら大きな滝があったので、戻って左に
登る。こちらも滝があったが高巻きが出来たので、そのまま上流へ行く。      

最初の滝は右に残置ロープがあり、そこを登る。 上流は鬱蒼としたブナ林だった。


二股右の川の滝。この滝を登るのはあきらめた。 左の川の滝。これはすぐに登れた。

周辺は鬱蒼としたブナの森になってきた。水量が少なくなり、上に行くことがためらわ
れてきた。鈴木さんにもう少し具体的に話を聞いておけば良かったと悔やまれた。ここ
まで1尾たりとも魚の影を見ることは無かった。これ以上登っても魚がいるようには感
じられなかったので竿を出して毛鉤を振ったのだが・・・まったく水面は静かなものだ
った。7時から12時まで山中を彷徨し、まったく魚の姿を見られなかった。足取りの
重い下山となってしまった。滝登りと沢歩きをした半日だった。          

更に二股に分かれた上流の滝。水量も少なくなった。 何のためにここに来たのか・・疲れた。

午後o沢へ行く。o沢は大きな支流のため増水がひどかった。いつもなら膝くらいの深
さで渡渉出来るのだが、今日は太股までの深さがあり、うっかりすると流されてしまう
ような恐怖を感じた。深いところに近づかないようにしながら竿を振ったのだが、流れ
がボーズになってしまっていて、ポイントがまったく分からない。これだけ水量が増え
ると、どこにでも魚がいそうであり、どこにもいなさそうでもある。1時間ほど彷徨っ
て2尾のヤマメをゲットしたものの、それ以上ここで釣りをする気になれなかった。 

増水したO沢は手強かった。何とか手にしたヤマメ。 明るい日差しの下で枝を伸ばす「再会の森」

そのまま終わるのは嫌だったのでA沢に転戦する。ここは増水もひどくなく、十分に釣
りが出来る状態だったが、いかんせん藪沢で毛鉤の振り込みに難渋した。隙間を狙って
投げると後ろや横に毛鉤を引っかける。この沢ではいったい何個毛鉤をロストしただろ
うか。たぶん10個くらいの毛鉤をロストしたように思う。それでも型の良いヤマメを
2尾釣れたのだから良かったのか悪かったのか・・・               

水量も程々できれいなA沢。ただ、木の枝が邪魔。 A沢で釣れた良い型のヤマメ。なかなかの引きでした。

午後4時、最後の頼みの綱M川に行く。ここは西木村に来るといつも行く川で一度も釣
れなかった事がない。行ってみれば西木村の中のホームリバーのような川だった。いつ
もの場所に車を停め、下流に向かって歩く。今日はいつもの場所よりも下流から釣り上
がろうと思っていた。畑の横の藪をかき分けて入渓する。逆光に毛鉤が見にくいがほど
良い水量で期待感は十分だ。静かに毛鉤を振る。水面は静かなままだ。何度目かのキャ
ストに突然水面が跳ねた。バシャと合わせると手応えとともに白いものが上空に飛んだ
。小ヤマメが中に舞っていた。今年の新子ヤマメだった。             

その後、新子ヤマメばかりが釣れ「おかしいなあ・・??」と思いながら藪を漕いでカ
ーブを曲がった時だった。上流からウエットスーツを着てヤスを持ち、川の中をバシャ
バシャと歩いてくる男の姿があった。上の道には同じ格好の男が網をぶら下げて歩いて
きた。一瞬、何が起きたのか分からなかった。川の中の男が叫ぶように言った。「釣り
かい、ダメだべ〜そかぁ俺たちがさっき突きながら登ったとこだぃ。堰堤までやぁ〜釣
れねなあ〜」秋田弁の早口でそんな風なことを叫んでいたようだった。       

やっと事態が飲み込めた。マス突きなのだ。大雨で上流に差してきたサクラマスを狙う
人達だったのだ。愕然とする私を尻目に男達は川の中のそこここをヤスでガシガシ突き
ながら下っていった。下に追い込みの為の網が張ってあるのだそうだ。いやはや何てこ
った。こんな目に会うとは・・・ついてない。仕方なく脱渓し、上流の堰堤上に向かう
ことにした。まあ、堰堤の上にも魚はいるだろうし、釣れなかったのは腕のせいでは無
かった訳で、上で頑張ればいいや。何でもポジティブに考えるのが良いところだ。  

いつもの場所でいつものように釣れてくれたヤマメ。 こうして釣れると嬉しくなります。

堰の上しばらくは藪で竿が振れない。上が開けた大きな淵、ここはいつも大きなヤマメ
が定位している場所だが、今日は増水の為か姿が見えない。毛鉤を振り込んでも小ヤマ
メがアタックしてくるだけだった。更に上流に向かう。堰堤の下のプールに来た。ここ
も必ず釣れる場所だ。慎重に毛鉤をキャストする。いきなりアタックがあり、合わせも
決まった。バシャバシャいいながら上がってきたのは丸々したヤマメ。久しぶりの手応
えに思わず顔がゆるむ。「いやあ、いい当たりだった」              

今日も良く釣れました。 秋の日はつるべ落とし、日が落ちるとすぐに暗くなります。

その後同じ場所で4尾のヤマメと2尾のイワナを釣った。悔しかったのは大きなイワナ
が姿を見せながら毛鉤をくわえたのに、合わせ切れをしてしまったこと。ここには大物
がいるのだから合わせは慎重にと思っていたのに、姿を見た途端思い切り合わせをくれ
てストライクになってしまった。まだまだ未熟だ。この川では小さいヤマメも含めると
15尾くらいの釣果だった。やはり、この川で外れは無かった。薄暗くなってきた林道
を走りながら満足のつぶやきがもれた。さあ、温泉だ。