畑仕事の後に釣り


畑仕事が突然の雷雨で中止。余った時間で釣りをした。



秩父地方はこのところ雨が少なく、畑はカラカラに乾いていた。その日は午前中乾いた
畑にホースで灌水していた。午前中いっぱいかかって、やっと畑全体に灌水を終えて休
んでいたら、空が急に暗くなってきた。あっという間に暗い空から大粒の雨が落ちてき
て、大雨になってしまった。雷まで鳴って、とんでもない雷雨になってしまったのだ。
午前中いっぱいかかって灌水した事もすっかりムダになってしまった。今日はもう畑仕
事は出来ないので、雨が先に降っているだろう群馬の上野村に釣りに行くことにした。

車は、先が見えなくなるような雷雨の中、志賀坂峠を越えて上野村に向かった。案の定
上野村は、すでに雨が上がっており、川は普通に流れていた。途中の売店で釣り券を買
うと、上流に昨日ヤマメを放流した地区があるとのこと。午後だけの釣りになってしま
ったので、その場所で安易に釣ることを考えたが、これがアダになってしまった。  

神流川(かんながわ)中流の流れ。上から見ると魚影が。 岩陰から竿を振る。放流もののくせに毛鉤を見切るヤマメ。

入渓してすぐに水面を泡立たせるような大粒の雨が降ってきた。しばらく大岩の下で雨
宿りをしていたのだが、止みそうもないので一旦車に戻る。さすがに大雨の中で毛鉤を
振っても釣れる気はしない。車を上流に走らせるがめぼしいところには何故か車が停ま
っている。どうやら釣りの車のようだ。放流したという事は皆が知っていて、この地区
に釣り人が集中しているらしかった。                      

とある空き地に車を停め、入渓する。雨はすっかり上がって、日も射してきた。落ち込
み、荒瀬、平瀬・・上空は開けているので仕掛けがからむ心配は無い。思い切り竿を振
る事が出来る。まあ、今日は釣りのリハビリみたいなものだからとキャスティングの感
覚を思い出すように竿を振った。とある淵で大きな水しぶきを上げて魚が毛鉤にアタッ
クしてきたがフッキングしなかった。これに気を良くしてその上流のカーブを曲がった
ら、橋桁の下でテントを張っている釣り人がいた。3〜4人の釣り人がビールを飲みな
がらこちらを見ている。何だか嫌な予感が・・・こんなに人が多いとは。      

突然の大雨。岩の下から見上げる空。 流れは綺麗で魚もいるはずなのだが・・・

車に戻ってさらに上流を目指す。坂下から三峡へ向かう道はダム工事の関係で昔の面影
は無くなっていた。いやはや、久しぶりに来る川はいったいどこが釣れるのか、皆目見
当もつかない川に変貌していた。川の流れ自体は同じなのだと思うが、道路や護岸がピ
カピカしていて、ここに魚がいるのかしらん・・!、という感じなのだ。この時間から
では支流の奥に入ることは出来ないので、三峡下の本流に入渓する。        

たぶん平水よりも20センチくらい水量が少ないのだろう。こちらも一雨くらいでは川
の流れは回復していないのかもしれない。14番のエルクヘアカディスは何度も水面を
泳ぎ、何度も空中を飛んだ。しかし、一度として魚がくわえる事は無かった。久しぶり
の釣りで、痛恨のボウズ。下準備も何もなく、情報も持たず、闇雲に知らないところで
釣りをしても釣れないということだ。畑仕事の間に釣りをするなら、実績のある場所で
やることにしよう。