※※ 森林インストラクターへの道 ※※ 29


二次試験が終わった



2000. 11. 25


11月25日(土)二次試験の日だ。8時50分までに会場の三会堂ビルに入る。時
間ぴったりに事務局の方から説明が始まった。会場はキリリとした雰囲気に包まれて
いる。そして、9時ちょうどから講習が始まった。講習内容は次の通り。     

講習                                    
   ○森林インストラクターに望む(9:00〜9:20)          
     (社)全国森林レクリエーション協会理事長 松田 堯        
   ○森林インストラクターの責務と役割(9:30〜10:10)      
      東京大学名誉教授 上飯坂 寛                  

松田理事長からは森林インストラクターとしてこれから活動する際の注意事項や、問
題点、期待される度合いなどを話して頂いた。山村や林業などの現状や問題点、そし
て、我々が何をなすべきなのかをよく考えて活動して欲しいと結ばれた。     

今回の試験の結果は、受験者1295人、合格者209人。最年少は20歳、最年長
は69歳の主婦の方とのこと。今日の二次試験受験者が113人、明日が96人とな
っている。詳しい数字と内容は12月10日に発表されるとのこと。       

上飯坂先生からは森林インストラクター制度発足のいきさつから、現在に至る道のり
や、その重要性などを話して頂いた。本の話や海外の例を引いて、知識や経験をいか
に自分のものとして、自分の言葉で解説することが大切であるかということ。また、
星野道朗さんの話を例に出し、熱意をもって行動することの尊さを説かれた。   

10時15分から実技試験と面接試験が始まった。順番の表を見ると3班に別れてい
て、私は3班の37人中36番となっていた。・・・これには困った。5時終了予定
になっているので、早くても4時以降になる。それまでどうやって時間をつぶそうか
と頭をかかえてしまった。ウロウロしても仕方ないので本を出して読む。     

12時、昼食に出かける。アークヒルズが近いので、そこまで歩く。テレビ朝日の前
庭(カラヤン広場)でクリスマスの飾り付けをしていた。ここにはガーデンという中
庭があるので、そこにいってベンチに座り本を読む。木立に囲まれた日溜まりの中庭
は暖かくて読書にはもってこいなのだ。                    

ユリノキやケヤキは葉が落ちてしまっている。ソメイヨシノの鮮やかな紅葉が風に舞
ってヒラリと落ちてくる。ハナミズキも葉を落としているが、モッコクやツツジは緑
の葉を茂らせている。野鳥が時々やってくる。ここの一角には野鳥保護のために人間
は立ち入り禁止になっている場所もあるので、鳥たちも気楽に遊んでいるようだ。 

遅い昼食を蕎麦で済ませ、まだ時間があるので銀座へ向かう。銀座の伊東屋へ来年の
手帳と卓上カレンダーを買いに行こうと思い立ったのだ。地下鉄で銀座に行き、歩い
ていると、何だか今日が面接試験の日だなどというのは忘れてしまいそうで、変な感
じだった。何となく落ち着かない買い物だった。                

会場のビルに戻ったのは4時。面接会場の前には、まだ何人も受験者が並んでいて、
私の番まではまだまだ時間がかかりそうだ。解放されているホールに戻って、また本
を読み始めた。長い待ち時間だ・・・本当に。                 

時計は5時を指した。私の前の人が面接を受けている。壁の向こうから聞こえてくる
声が時に大きくなる。受付をやっている協会の人がこちらの方に片手を頬にあててそ
っと言う。「論争はしないようにね・・・」その言葉に無言で頷く。前の人が終わっ
た。いよいよ私の番だ。ドアをノックして中に入る。              

受験番号と名前を言う。イスを勧められたので座る。面接官は3人だった。中央に宇
都宮大学の谷本先生、左に東京大学名誉教授の上飯坂先生、右の先生は残念ながら面
識が無い。質問は谷本先生から出される。                   
「自己紹介と受験の動機を言って下さい。」:自分の出身、年齢、職業、住んでいる
場所を言う。動機は「瀬音の森」を作ってから必要と感じたと話した。      
「仕事と試験勉強の両立は大変だったのでは?」:社員に恵まれているので、訳を話
して半年間勉強に集中したことを話した。                   
「瀬音の森とは何ですか?」:瀬音の森の成立のいきさつから活動を簡単に話す。 
「渓流釣りだったら、森よりも堰堤やダム反対なんじゃないの?」:反対運動ではな
いやり方で我々に出来る事をやっていると話す。谷本先生がニコッと笑った。   
「どんな活動を?」:全国の瀬音の森の活動を具体的に話す。          
「ま、これからも指導力を発揮して頑張って下さい。以上です。」        

時間にして10分かからなかったと思う。7時間待った割にはあっけない面接だった
が、まあ、儀式のようなものかもしれないと感じた。待っているの大変だったけど、
一日面接をしている先生の方がよっぽど大変だと思った。ともあれ、これで全てが終
わった訳だ。やれやれ、お疲れさまでした。あとは12月10日を待つだけだ。