※※ 森林インストラクターへの道 ※※ 13


養成講習 林業コース1日目



2000. 6. 17


6月17日(土)                             

いよいよ最終の林業コースの二日間が始まった。ちょうど新しい林業白書を読んで
いるところなので、林業の難しさは分かる。二日の講義で理解出来る程簡単な世界
の話ではない事くらいは分かる。ただ、只木先生と垰田先生の講義があるので、そ
れは楽しみだ。                              
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●9:00〜11:00 森林の保全 品川先生               

(財)林業土木コンサルタンツ理事、治山技術部長という先生の肩書きを見たとき
からイヤな予感がして「ヤバイ!」と感じていたのだが、これは講義だからと自分
に言い聞かせて講義に集中しようとしていた。防災の理論的な話はよく分かったの
だが、スライドで土木工事施工例を見ているうちにムクムクムク・・と反発が頭を
もたげて来た。山奥深くの巨大な堰堤、渓流を三面護岸した無惨な写真、治山ダム
、護岸工事・・・・・・・                         

言いたいことはいっぱいあったが、先生に言っても仕方ないので止めた。つらい講
義だった。試験については ○自然災害を防止する森林の機能 ○治山工事の名称
と目的を説明出来るようにすること ○林道の目的(3つの大きな目的から) ○
林道の部分名称 などを重点的に勉強して欲しいとのこと。          
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●11:10〜15:00 森林の効用 只木先生              

待ちに待った只木先生の講義なので集中して聞いた。著作は何冊か読んでいたので
先生の講義がある意味、森林インストラクターの基本になるのではないかと思って
いた。講義は笑いながらの自己紹介、自著書紹介から始まった。今日紹介している
「ことわざの生態学」は受付で販売していたものを買っておいた。分かりやすくて
勉強になる本だ。                             

講義はテキストに沿って正確に進む。時々出る参考例や例えの話がじつに豊かで分
かりやすい。次々と興味を引かせてくれる。この先生だったら何でも教えてくれそ
うな知識(インテリジェンスと言うべきか)が素晴らしい。何とも内容豊富で充実
した3時間だった。充実した時間が過ぎるのは早い!あっという間に講義は終わっ
てしまった。                               

試験に関してはハッキリと言わなかったが、力を込めて話していたのは次の項目。
 ○森林と二酸化炭素の関係                        
 ○森林の固有効果と対症効果                       
 ○水源かん養のメカニズム                        
 ○自然保護の概念                            
どの話も興味深く、もっともっと深く勉強したい思いになった。        
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●15:10〜18:10 林業経営と森林の施業  垰田(たおだ)先生   

垰田先生は我々に伝えたいことが沢山ありすぎるのだと思う。相変わらずテキスト
とまったく違う内容で講義が進む。スライドを駆使しての講義は行きつ戻りつ、話
を前後させながら繰り返される。自分の頭の中のものをどうやって我々に伝えよう
か模索しながら、いろいろな言い方や説明をしてくれる。下向き加減でぼそぼそと
つぶやくような講義が淡々と進む。                     

林業という大きく広い対象を、科学的な分析と人間的な分析で分かりやすく説明し
てくれる。試験勉強などではなく、この先生の講義を聴いてみたい。只木先生と同
じ匂いを感じた。試験に関してはわりとハッキリ言ってくれた。先生が言うには、
 ○良い木材とはどういう木材なのか                    
 ○ha1000本又は3000本植えた状態で、そのまま放置したらどうなるか 
 ○間伐の意味                              
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講義終了後、垰田先生のところに行って、小菅の森の今後の施業方法について質問
した。現状を説明して教えを請うたところ先生曰く「現状のままを保つのが一番で
す。木を太くするというのが目的だったら巻き枯らしがベストでしょう。目的をき
ちんと考えてやることです。」