ACL準々決勝第2戦、アル・カディシアに逆転勝ち!


久々の勝利の味は最高!ACL準決勝進出が決定した。


9月24日(水):サイスタ:アル・カディシア:アジアチャンピオンズリーグ


9月24日水、ACL準々決勝第2戦の日がきた。クエートのアル・カディシアが相手だ
が、一戦目のクエートでの試合は3対2で負けている。今日は何としても勝たなければ
ならない。2点差以上なら文句なし、1点差勝ちだったら1対0か2対1で勝つのが勝
ち抜けの条件だ。もちろん負けは許されない。緊張を胸に飲み込んでサイスタへ向かう
。試合開始1時間半前に到着し、去年ACL全戦で振った旗を出して振る。すでにゴール
裏は赤い人で埋まっている。                          

暗くなった道をいつもの足取りでサイスタへと向かう。 1時間半も前だというのにゴール裏は真っ赤になっている。

アル・カディシアの関係者がピッチに出てきてこちらの写真を撮っている。彼らを圧倒
する応援を見せてやらなければならない。勝たなければならないACLはゴール裏の熱気
がいつもと違う。いつものリーグ戦よりも迫力がある。メインやバックでも声を出す人
が多いのでスタジアム全体が熱気で包まれる。アル・カディシアの選手が出てきたので
盛大なブーイングを浴びせる。驚いたようにこっちを見ているのが新鮮だ。     

試合開始までの間、いつものように旗を振る。 選手のアップが始まった。

レッズの選手が出てきたのを盛大な声で迎える。旗という旗が振られて一気にスタジア
ムが熱気に包まれた。審判団が出てきてアップしながら、ゴール裏の写真を撮っている
。オーストラリアの審判団に盛大な拍手が送られ、審判団もそれに応えている。いつも
の光景だ。選手のアップ中にカディシアサポが黄色い旗を振りながら入場してきた。バ
スで来たのだろうか、黄色いレプリカを着て、大きな黄色い旗を振っている。これにス
タジアム全体から強烈なブーイングが湧き上がった。さあ、相手にとって不足はない。

アルカディシアのサポーターが入ってきた。 スタメンの発表でスタジアムは歓声に包まれる。

英語が間に入る盛り上がらない相手のスタメン発表が終わり、レッズのスタメン発表は
熱気と興奮に包まれた。いよいよ負けられない戦いが始まる。しばらく静寂があり、ア
ンセムにあわせて選手が入場してきた。選手入場に合わせてゴール裏で全体でビジュア
ルが行われた。中央にデカ旗、周囲は赤白のチェッカー模様だ。          
アル・カディシアは攻めるピッチを交換してきた。選手はいつもと違う方向に攻めるこ
とになった。この辺の駆け引きも国際試合ならではのものだ。そして緊張感溢れるキッ
クオフの笛が鳴った。選手がピッチを走り出す。                 

試合前のセレモニー。 この時ゴール裏は赤白のコレオグラフティが。

前半最初からレッズの動きがいい。10分にエジがフリーでシュート、入ったと思った
のだがボールはバーに嫌われた。「決めろよぉ!〜」叫ぶ声にも力が入る。こちらに攻
めてくる選手を声で迎え、相手のGKを声でつぶす。GKはブーイングがあまりに大き
いので両手で耳をふさぐようなポーズを取りながらキックミスを繰り返す。何だかブー
イングが効いているみたいだぞ、サポにもそれが伝わり、ブーイングは更に激しさを増
した。チャンスはそんなキックミスからだった。ぼてぼてのキックを拾った高原が倒さ
れてFKを得る。流れがこっちに来た。CKからのこぼれ玉を相馬が20メートル以上
の距離からダイレクトシュート。ボールは矢のようにネットに突き刺さり、相手GKは
一歩も動けなかった。                             

「やったあ、先制だ!相馬だぁ!やったぞ〜〜」スタンドは総立ちで爆発した。素晴ら
しいシュートだった。目の前でこんなシュートを見せられて、もう勝ったような気分に
なった。そのまま前半を終了し、ハーフタイムに入ることが出来た。このまま行くとは
思えないが、まずは予定通りだ。相馬コールが響いている。            

相馬のスーパーゴールが決まって大喜びのサポーター。 後半開始前に都築がみんなに気合いを入れる。

後半開始から相手が攻めてきた。しかし、レッズも攻める力を落とさない。今日は次々
に攻める選手がじつに頼もしかった。いつもこうなら楽に勝っているのだろうが、やは
りACLはモチベーションが違うものらしい。後半10分、ポンテのFKを闘莉王が胸
でワントラップして角度のないところから強烈なシュート。これがゴールに突き刺さり
待望の2点目が入った。「闘莉王!よくやった」「すごい、すごい」またしてもスタジ
アムが爆発した。1戦目のミスを帳消しにする素晴らしいシュートだった。有言実行の
男は今日も健在だ。                              

闘莉王のゴールが決まって総立ちのスタンド。 みんな大歓声で闘莉王を讃える。勝ちを確信した。

すこしおとなしくなったアル・カディシアだったが猛然と反撃してきた。レッズは守る
一方になってしまった。我慢の守備が続く時間だった。軽いプレーが続いた細貝に都築
が怒鳴りながら駆け寄ってにらみつけている。気合いを入れられた細貝の動きが復活し
た。相手の素晴らしいシュートがバーをたたいてくれた。運もこちらに味方しているよ
うだ。試合終了が近くなってきたときだった。坪井と相手の選手がもみ合った。それを
見た都築が脱兎の勢いで駆けつけ、相手とにらみ合う。これに相手が手を出し、乱闘寸
前になった。審判は都築と相手にイエローカードを出した。当の坪井はケロッとした顔
をしていたのが面白かった。                          

試合終了。 お互いをたたえ合う選手。

長いロスタイムが終わり、主審の長い笛が鳴った。「勝ったあ!!!」「よくやった」
旗が振られ、総立ちのサポが叫ぶ。カディシアの選手が泣き崩れている。相手の選手の
この試合にかける思いが伝わってくるシーンだった。うちが負けたとしたら泣き崩れる
選手は果たしていただろうか・・泣き崩れるサポーターは果たしていただろうか。ACL
にかける思いというものを改めて考え直すシーンだった。相馬コールが大きく続いてい
る。今日の相馬は本当に素晴らしかった。闘莉王も素晴らしかった。退場するアル・カ
ディシアの選手やコーチにメインスタンドから温かい拍手が送られていた。     

選手を讃えるサポーター。 マフラーを掲げて勝利の歌を高らかに歌う。

選手の挨拶を見届け、浦和レッズコール、勝利の歌とサポーターのセレモニーが続くの
をアル・カディシアのサポーターはじっと見ていた。その視線を感じながらの勝利の歌
は最高だった。                                

外に出て駅に向かうときにアル・カディシアのサポーターとすれ違った。「ナイスゲー
ム、シーユーネクストイヤー」と声をかけハイタッチをする。そのサポが突然被ってい
た帽子を取り、私の帽子を交換しようと言う。これは逃げられないので喜んで帽子を交
換する。昨年ACL全戦を戦った愛用のラコステハンチングは遠いクエートに行くことに
なった。手元には黄色いアル・カディシアのエンブレム付きの帽子が残った。そして、
熱い戦いと暖かい交流の思い出も残った。                    

アルカディシアのサポーターと帽子を交換した。 帽子には黄色いエンブレムがついている。


9月24日(水) AFCチャンピオンズリーグ                    
浦和 2 - 0 アル・カディシア (19:30/埼玉/41,790人)           
得点者:31' 相馬崇人(浦和)、54' 田中マルクス闘莉王(浦和)         


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