疲れ切った体で価値あるドロー


イランから帰って3日。まだ疲れが残っているだろうに、選手は本当に凄い。


11月11日(日):等々力競技場:07 J1リーグ 第31節:川崎フロンターレ


イランから風邪を引いた状態で帰国し、2日後に川崎に向かう電車の中にいた。イラン
で一緒になった藤田さんが川崎戦のチケットを融通してくれるということで、ゲホゲホ
言いながら観戦に向かったのだ。電車の乗り換えで偶然藤田さんと会い、話しに花が咲
く。イランからの帰国は色々な人に色々なダメージがあったようだ。考えてみると、応
援に行っただけの我々がこれだけボロボロになるのだから、選手は本当に凄いと思う。
イランで試合をして、中3日ですぐに川崎と試合をしなければならない。これで「勝て
」と言うのは酷だ。今日は選手が怪我をしないでくれればいいと思っていた。    

新丸子駅から住宅街を抜けて等々力競技場に到着した。藤田さんは自由席観戦なのでこ
こで分かれる。私はバックスタンドのチケットだったのだが、係員に見せるとメインの
アウェーサイドに行ってくれと言う。どうやらレッズサポはどのチケットでもメインア
ウェーよりに集めているようだった。2番ゲートのメイン入り口に着くとレッズサポと
係員がなにやら揉めている。どうやらメインの席が一杯になってバックへ廻ってくれと
言っているようだ。道は川崎サポのまっただ中を歩いていくしかないらしい。苦情を言
ったがそれしなかいということなので、一列になって歩き始めた。         

メインの入り口で「満員だから入れない」と足止めを喰う。 川崎のゴール裏を回ってバックスタンドへと歩く。珍しい景色。

メインスタンドからゴール裏を越え、川崎サポが群れるクルバを一列になって歩く。周
りの視線が刺す。「こいつら何でこんなとこにいるんだぁ??」という視線だ。川崎の
側から眺めるレッズサポの風景という珍しい物も見られたが、あまり気持ちいいもので
はない。何も問題ないと分かってはいても、何が起こるか分からないので、なるべく刺
激しないように静かに歩いた。バックスタンドの席に着いてやっと緊張から解放された
。それにしてもじつにクソな運営だ。席に着いてすぐに旗を出して振り始めた。今日は
試合開始まで2時間、旗を振る。まだ周りはガラガラだった。           

都築が出てきた。レッズ側から大きな歓声が上がり、川崎側からブーイングが起こる。
しばらくたって選手が出てきた。大きなコールが起きる。選手の動きはどうか?イラン
から帰国してすぐの試合なのだから動きがいいはずがない。疲れているだろうが、頑張
って欲しい。川崎はイランから帰ってきたあとの試合は8人のメンバーを変えた。そし
て4対0で負けた。レッズはどうか。日本中の関係者が注目している戦いだ。ところが
アップしている選手の顔ぶれはいつもと変わらない。どうやらオジェックの頭の中には
ターンオーバーという言葉は無いらしい。ベストメンバー規定などで何か言われる事は
無いようだが、こうなると選手の体が心配になってくる。本当に大丈夫なんだろうか。

バックスタンドからゴール裏を見るとこんな感じ。 アップのために選手が出得てきて、大旗が振られる。

正直なところこの川崎戦よりも水曜日に迫ったACL決勝第2戦の方が重要だと思うので
この試合は捨ててもいいと思っていた。そんな自分が恥ずかしくなるようなオジェック
の強気な采配だ。こうなったらイランを休んだ闘莉王に頑張ってもらおう。川崎には前
回ホームで負けているので是非勝って欲しいが、選手の疲労を考えると無理はして欲し
くない。どうも水曜日の試合が頭にちらついて困る。そんな隙があると川崎が見のがす
はずもない。選手のアップが終わり、試合開始までのしばしの静寂が訪れた。いつのま
にか周囲が赤い人で埋まっていた。                       

淡々と選手のアップが続く。4日前にはイランだったのに。 選手が入場し、試合前のセレモニーが行われている。

試合開始から選手の動きは軽快だった。4日前にイランで戦っていたことなど嘘のよう
な動きだった。さすがに好調の川崎には攻め込まれる事も多かったが、試合開始から連
戦であることを忘れさせてくれた。緊張感のあるスピーディーな戦いだった。中盤の主
導権争いが激しく、時間を感じさせない好ゲームだった。しかし、前半10分、左から
の谷口のクロスを受けた養父(やぶ)のシュートで先制されてしまった。闘莉王が激し
く手を叩いて選手を鼓舞する。レッズは押し込まれる展開だったが、長谷部が深く持ち
込んで放ったクロスに反応したワシントンを川崎のDFが倒してPKを取った。このP
Kをワシントン自身が決めて同点として前半を終えた。              

本当はPKを蹴るのはワシントンではなくてポンテの指示だったそうだが、ワシントン
は「ポンテがいいって言ってくれた」から蹴ったのだそうだ。困ったもんだ。    

ワシントンのPKが決まって同点になった。 大喜びのゴール裏。

後半はどちらにもチャンスがあり、ピンチがあったが点が取れず、そのまま終了し、1
対1のドローに終わった。全体の印象としては審判に問題ありという試合だった。特に
メイン側の線審はひどかった。ちょうどオフサイドラインの線上くらいに席があったの
でよく分かったのだが、4回くらい逆のジャッジをしていた。あれではワシントンでな
くても切れる。試合終了間際のワシントンの抗議は森のひじうちを反則に取ってくれな
い審判への抗議という形になって出てしまい。血だらけの顔でうづくまるワシントンが
可哀想だった。主審のジャッジも流し気味で、さらにラフプレーが激しくなるという悪
循環になっていた。チョンテセの体当たりなどは噴飯もので、レッドが出なかったのが
不思議なくらいひどかった。相変わらず川崎は荒い。               

1対1で試合終了。本当にお疲れさま。 挨拶に来た選手を讃えるゴール裏。

好調川崎と引き分け。これは素晴らしいことだ。ここで負けたりすると水曜日の決勝に
悪い影響が出るかも知れないと心配していたのだが、これで決勝には良い流れで入って
いける。選手には少しでも長い時間休憩して疲労の回復に努めてもらいたい。我々はま
だ何も手にしていないのだ。悪くすれば最後の最後にすべての栄冠が腕の間からスルリ
と逃げてしまうかもしれないのだ。さあ、切り替えて決勝へ。           


11月11日(日) 2007 J1リーグ戦 第31節                   
川崎F 1 - 1 浦和 (16:04/等々力/23,355人)               
得点者:10' 養父雄仁(川崎F)、32' ワシントン(浦和)            


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