チャンピオンシップ第2戦観戦記


Jリーグ王者の座をかけて
12月11日、サイスタでのチャンピオンシップ第2戦、横浜Fマリノス戦を観戦。


1211チャンピオンシップ第2戦:横浜Fマリノス戦:サイスタ

セカンドステージ優勝のレッズはJリーグ王者の座をかけて、ファーストステージ優勝
の横浜Fマリノスとのチャンピオンシップに臨んでいる。チャンピオンシップ第1戦は
横浜Fマリノスが、レッズを解雇されて入団した河合のヘッド一発で勝ち、舞台は第2
戦のサイタマスタジアム2002に移った。レッズはここで勝つしかない状態に追い込
まれていた。                                 

遅い時間に試合開始のため、ハートフルコンサートも真っ暗に。 入り口にチャンピオンシップの垂れ幕。記念写真を撮る人も。

サイスタは超満員だった。手に入れた席はメインロアーのレッズ寄り。すでにゴール裏
は超満員で、勝つぞという気合いが充満していた。全ての席に赤い小旗が置かれている
。選手入場の際、この旗を振って鼓舞しようというのだ。ロッソ・ビアンコ・ネロの人
たちも気合いが入っている。今日は5万人が声を一つにして選手をサポートしなければ
ならない。この日、スタジアムの至る所に様々なメッセージをプリントしたカードが貼
られていた。「全員で浦和レッズが勝つために出来ることをやろう」「史上最大の声で
サポートを」「横浜を潰せ!俺たちの『声』で潰せ」などなど・・・。いても立っても
いられない気持ちが書かせたのだろう。トイレの壁にも貼ってあった。それを見ながら
今日はしっかり声をだそうと誓った。                      

席はレッズゴール裏のすぐ近くだった。すでにゴール裏は超満員。 今日もサイスタ全体に旗が持ち込まれ、大きく振られている。

Fマリノスのサポーターは5000人くらいだろうか、真っ赤なスタジアムの一角だけ
が青く浮き上がっている。一騎当千のサポなのだろう、良く声が出て揃っている。選手
がピッチに現れた。スタジアムは大歓声に包まれ、激しい応援合戦がスタートした。サ
イスタ5万人のウオーリアは素晴らしかった。指定席の人も皆声を揃えて叫ぶ。赤い戦
士を後押しする5万の声の圧力に鳥肌が立った。今日はすごいことになりそうだ。  

選手のアップが始まるとたくさんの旗が振られ、歓声が沸き上がる。

ファーストインプレッションが高らかに鳴り響き、選手入場。5万人が一斉に赤・黒・
白の小旗を振って選手を迎える。選手にはどう見えているだろうか、この応援を試合の
力にして欲しい。がんばれ!頼むぞ!俺たちが付いている。大歓声のなか、待望のキッ
クオフ。日本一をかけた最後の戦いが始まった。赤い戦士が緑のピッチに飛び出してい
った。5万人を越える声がその背中を押す。                   

選手入場の瞬間、サイスタ全体が赤・白のレッズカラーに染まった。


入場者全員が旗を振る。そして、声と拍手で選手の背中を押す。

レッズはマリノスの出足を押さえるためにもフォアチェックで先手先手と仕掛けていく
。第1戦の反省はきちんと生かされていた。積極的に最前線からディフェンスをしてボ
ールに絡むため、第1戦で苦しめられたロングボールも精度が悪くなった。特にサント
スの動きがいい。マリノスを押し込む展開が続くが、マリノスの鋭いチェックとカウン
ターにつなげる動きも素晴らしいものがあり、ほぼ互角の展開が続いていた。マリノス
は中澤と中西の動きが良かった。特に中西は目障りだった。FWの坂田もイヤな存在で
闘莉王がやりにくそうだった。                         

前半惜しい場面が多かったのだが、マリノスの壁を崩すことは出来なかった。やはり中
澤は高く、強かった。空中戦にことごとく負けるので、レッズは攻めの選択肢が限られ
てくる。マリノスはその分だけ守りやすくなり、パスカットも容易になる。押している
のだが、最終ラインを越えられない。しかし、レッズの動きは良く、後半に期待を持た
せるには十分なパフォーマンスだった。                     

ハーフタイムまでに点が欲しかったのだが・・・ 応援も気を抜かない。ハーフタイムにはデカ旗が出た。

後半、レッズは達也を投入し得点を取りにいく。大歓声の中ピッチに飛び出す達也の胸
中はどんなだったろうか。しびれる場面だ。しかし、マリノスDF陣は決定的なチャン
スを与えず、そのまま膠着状態が続いていた。しかし後半29分、ペナルティエリア付
近でパスを受け、抜け出したエメルソンを中西が倒し一発退場!やっと、やっと、決定
的なチャンスがやってきた。キックポイントにはサントスが立つ。スタンドは騒然とし
て地鳴りのような歓声が沸き上がる。サントスの蹴ったボールは糸を引くように目の前
のゴールに吸い込まれてた。                          

「やったあ!サントスぅ〜〜よくやったぁ!!!」絶叫が地鳴りのようにスタジアムを
覆う。飛びはね、旗が振られ、拳が突き上げられる。これで同点だ。並んだ。これから
だ。「いけぇ!」叫ぶ叫ぶ。おまけに、あれだけ悩まされた中西がいなくなったのだ。
さあ、逆転は時間の問題だ。「もう1点。もう1点。」それからはもう一方的なレッズ
の攻めが続いた。マリノスは防戦一方になっている。もう少しだ。もう少しだ。もう1
点を求めてレッズは攻め立てた。後半終了間際の闘莉王のヘディングシュートは決定的
だったのだが、不運なことにキーパー真っ正面だった。そしてタイムアップ。試合は勝
った。しかし、チャンピオンシップ2戦を通して1対1のタイスコアとなり、そのまま
延長戦に入った。                               

延長戦はしっかり守るマリノスに攻めあぐみ、さながらナビスコカップ決勝のFC東京
戦と同じような展開になってしまったがあくまで流れはレッズにあった。しかし、最後
の追撃の流れが突然ぶち切られた。エメが河合とのボール争いにエキサイトし、一発退
場になってしまったのだ。じれるような展開とはいえ、流れがこちらにきていたのだか
らムキになることは無かったのに・・・せっかくの追撃態勢にブレーキがかかってしま
った。結局自滅とも言える内容でスコアレスドローに終わってしまい、勝負はPK戦に
もつれ込んでしまった。イヤな展開だ。                     

デカ旗には数々の苦難の思い出が染み込んでいる。 結局最後はPK戦になってしまった。じつにイヤな展開だ。

PK戦のゴールはレッズ側のゴールになった。目の前にやってくる選手達を見ながら、
こちらのゴールで良かったのかどうか・・・少々不安な気持ちになった。何と言っても
ナビスコの決勝PK負けがまだ記憶に新しい。しかし、今は選手を信じて応援するしか
ない。最初のキッカーは闘莉王。気持ちの強さが買われたのだと思うが、闘莉王は最後
にはバテバテになっていたので大丈夫かなあと思っていた。不安は的中し、闘莉王のキ
ックはコースを狙った弱いもの。榎本にしっかり止められてしまった。天を仰ぐ闘莉王
。その瞬間、勝負が終わった。                         

唇をかみしめてマリノスの表彰を見つめるJICKYさん。 目の前でマリノスの胴上げを見なければならないとは・・・

PK戦はレッズが闘莉王、長谷部と2人外したのに対し、マリノスは全員が決めた。目
の前でまたしても優勝をさらわれた。選手は本当によくやった。でも、サッカーは結果
が全てだ。どう自分を納得させようとしても2位であることに変わりはない。目の前で
トロフィーを掲げるマリノスの選手達をじっと見ながら唇をかんでいた。この悔しさを
けして忘れてはいけない。 それにしても悔しいぞぉーバカヤロー!        

テレビのためとは言え、こんな時間に試合開始では帰りが大変だ。PK戦を終えたのが
10時半過ぎ、駅まで歩くのも渋滞で、電車はもう何本も無い。終電が終わって帰れな
い人も多かった。電車が終わり、武蔵野線の各駅でタクシー待ちするレッズサポーター
の長い列があった事も書いておきたい。私は東所沢から友人宅まで歩いて、泊めてもら
った。この試合のビデオを見ながらやけ酒を飲んだことも・・・          



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