かろうじて川崎に勝ち、2戦目につなぐ


ナビスコカップ準々決勝、ワシントンの4ゴールで川崎に先勝!次も勝ってくれ。


6月3日(日)ナビスコカップ準々決勝第1戦:川崎フロンターレ:駒場スタジアム

久しぶりに駒場での観戦となったナビスコの準々決勝第1戦。相手はリーグ戦首位の川
崎フロンターレだ。シーチケ優先枠で購入したチケットだったので、席はいつもと違っ
てメイン1階の選手出入り口の上だった。この場所は選手が退場する時、顔をはっきり
見ることが出来るので応援するにも気合いが入る場所だった。キックオフ40分前に到
着し、ビールとお弁当で腹ごしらえをする。選手のアップが始まると食事どころではな
くなる。周囲でLフラッグが振られ、歓声が湧き上がる。             

久しぶりの駒場だった。この雑然とした感じがいい。 中はもうサポーターで一杯だった。


通称「出島」のアウェイサポーター席。ここだけ違う色。 スタメン発表。スタジアム全体で旗が振られる。

川崎のサポーターは遠く出島に集結し、そこだけサックスブルーの旗が波打っている。
アップが終わり、中に入っていく選手に声をかける。何人もの選手が声に応えて手を挙
げてくれる。この席ならではの特権だ。岡野は満面の笑みで両手を挙げて声援に応えて
くれた。静かな静寂の後、選手入場のファーストインプレッションが鳴り響く。バック
には赤・白・黒のデカ旗が下ろされた。ワシントンはその旗をじっと動かずに見ていた
。最後に感嘆の仕草か、小さく肩をすくめるように両手を横に開いた。そういえばワシ
ントンがデカ旗3連を見たのは初めてかもしれない。サポの気持ちがワシントンに伝わ
ったように感じた。                              

バックスタンド全体に掲げられた3色の大旗。選手にサポの思いを伝える。


選手入場。 ワシントン、相馬のクロスをヘッドで1点目。

試合開始のホイッスルが奥谷さんによって吹かれた。ワシントンが怒濤の突進を試みる
。すごい迫力だ。そして前半9分、左サイドを駆け上がった相馬から絶妙のクロスが入
り、ディフェンス3人を背負ったワシントンがドンピシャリのヘッドで先制点を挙げた
。素晴らしいタイミングだった。思えば相馬とワシントンは前籍の東京ヴェルディで共
に戦っていた仲なのだ。ホットラインが出来上がっていたのだから、この素晴らしい得
点も納得出来るというものだ。早い時間の先制で、すっかり安心していたら、そこから
が大変だった。最初こそ押し込まれた川崎だったが、徐々にペースを握り、ジュニーニ
ョとマルクスが危険な動きをしてくる。我那覇がつぶれ役になって素早い攻撃を仕掛け
てきた。                                   

とにかく攻めに転じたときのスピードが速い。手数を掛けずにあっという間にゴール前
にボールを運ばれてしまう感じだった。バイタルエリア手前でレッズの選手はチェイス
しないでズルズル下がり、簡単にパスを繋がれてしまう。そして18分にジュニーニョ
に簡単に同点弾を許し、30分にはマルコンを止められず、これまた簡単に中村憲剛に
逆転弾を許してしまった。とにかくレッズの選手の動きが悪い。ボールウオッチャーに
なってしまっていて、当たりに行かないのだ。これではダメだ。幸い、その状態でハー
フタイムになったので良かった。あのまま時間があったら、もう2〜3点取られていた
かも知れない。ハーフタイムにギドの叫び声で目を覚ましてもらいたいものだ。   

後半開始。ギドのハッパが効いたのか、選手の動きが変わった。開始直後のコーナーキ
ックをファーサイドでなぜかフリーになっていたワシントンが難なく押し込んで同点に
なったのだ。スタジアムが歓声に湧いた。同点のまましばらく膠着したが、先に点を取
ったのは川崎だった。攻めに意識が行ってしまったレッズの隙をオフサイド気味に抜け
出したマルクスに、これまた簡単に決められてしまった。取られた点はみな簡単に決め
られた印象で、川崎の決定力の高さを見せつけられた。しかし、山田に代わって入った
平川が、目覚ましい動きを見せ始めた。マルコンは受けると驚異だが、攻められるとも
ろい事が分かった。裏へ抜けられると対処が遅れるのだ。             

ワシントン2点目。 3点目もワシントン。これで3ハットトリック。

後半21分にマルクスが下がったところから流れがレッズに来た。平川がマルコンの裏
を取り、何度となくクロスを上げる。そしてついに後半23分にワシントンの同点弾を
生んだ。マイナスに折り返した素晴らしいクロスとシュートだった。これで同点。ワシ
ントンのハットトリックにスタジアムは再度燃え上がった。押せ押せの展開になり、そ
して何とワシントンの4点目が勝ち越しゴールになった。4人のディフェンスを引きず
りながら細かいステップでボールを扱い、最後は強烈なシュートを逆サイドに叩き込む
という人間離れしたシュートだった。結果だけ見ればワシントンの一人舞台とも思える
が、実際は全員で崩した得点だったように思う。しかし、ワシントンの強さは特筆もの
だ。川崎もどうしようもなかっただろう。                    

ワシントン一人で4点目。もう止められない。 高らかに勝利の歌を歌う。まず先勝。

さあ、これで先勝。後半戦とも言える第2戦に向けて先行したことになる。しかし、第
2戦は川崎のホーム。楽に勝てるはずはない。勝ちか引き分けなら文句なくレッズの準
決勝進出となる。1点差で負ける場合がアウェーゴール優先方式などというややこしい
決まりがあるのだが、勝てばいいことだ。ここまで来たら勝つことだけを信じて応援す
るしかない。                                 


6月3日(土) 2006 ヤマザキナビスコカップ                  
浦和 4 - 3 川崎F (15:05/駒場/19,292人)                
得点者:'9 ワシントン(浦和)'18 ジュニーニョ(川崎F)'32 中村憲剛(川崎F) 
'49 ワシントン(浦和)'63 マルクス(川崎F)'68 ワシントン(浦和)'73 ワシント
ン(浦和)                                  


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