早くも天王山。マリノスとの死闘


おそらく今シーズンの優勝争いを占うであろう一戦はカミさんの誕生日でもあった。


2006 J1リーグ戦 第5節:横浜Fマリノス:日産スタジアム

渋谷から東横線に乗り、菊名で乗り換えて新横浜に向かう。新横浜で昼食を食べるお店
を探すが、調べておいた店が見つからず、違う店に入る。串焼き「桜山」という洋食の
店で昼食とした。カミさんは「唐揚げオムライスカレー」。私はカツ丼セットというボ
リューム満点のセットメニューで大満足の昼食となった。日産スタジアムへはここから
歩いて10分ほどになるので、暖かい日差しの中を大勢のサポーターに混じってゆっく
りとスタジアムへ向かった。                          

新横浜駅近くの「桜山」。明るいお店でした。 カツ丼と中華ビーフンセット。美味しかった。

席はホーム側ブロック指定だったのだが、アウェーにも同じブロック席があり、空いて
いた事もあり、係員に断ってアウェー側に入った。やはり赤い人に囲まれて応援した方
がお互いのために良いだろうという判断からだった。そしてそれは大正解だった。周辺
の赤い人達は気合いが入っていて自由席のような雰囲気だった。右手に見えるゴール裏
は試合開始1時間前だというのに真っ赤になっている。              

2階席から見下ろす日産スタジアムのピッチ。 レッズのゴール裏はもう真っ赤になっている。

日産スタジアムはデカイ。ピッチが遠い。二階から見下ろすピッチに豆粒のような選手
が動き回っている。アップが始まると同時に応援のコールが始まった。ゴール裏の中心
は二階だった。サポーターの密集度が明らかにマリノスと違う。通路も階段も何も見え
ない。サポーターは今日の試合がいかに重要かを知っている。もちろん、選手もそれは
十二分に分かっている。今日の試合に勝つことが優勝への第一条件なのだという事は痛
いほど分かっている。だから、今日は勝ちに行く。                

選手のアップが始まり、ゴール裏は大歓声に包まれる。 選手の動きはいつもと変わらない。ピッチを眺めながら安心する。

緑のピッチに選手が入ってきた。レッズは赤のシャツに白のパンツ。マリノスは青いシ
ャツに白のパンツ。鮮やかな赤と青と白が緑のピッチにまぶしい。応援の声がひときわ
大きくなる。キックオフの笛が鳴り、選手が弾かれたように動き出す。マルケスとドゥ
トラが連携してくる右サイドの攻撃が嫌な感じを与えてくる。迎え撃つ山田と堀之内の
動きが激しい。攻撃と守備の切り替えが激しい。一時として、一人として停滞する事の
ない素晴らしい戦いが目の前に展開されている。赤と青のせめぎあいが緑のピッチ上に
美しい色彩の連動を見せている。                        

選手の入場。さあ戦いの始まりだ。 前半終了間際、山田のゴールに大喜びのカミさん。

お互いの良いところを消し合うといういつものマリノス戦だった。ほぼ互角の内容で攻
守の切り替えが激しい試合だった。前半はこのまま終わるかという前半終了間際のコー
ナーキックだった。ゴール前のこぼれ玉を山田が反転しながらシュート。これがキーパ
ーの逆を突き、見事にゴールネットを揺らした。山田が両手を突き上げる。その山田を
闘莉王が抱え上げる。ゴール裏は爆発した。ノブヒサコールが沸き起こる。これでひと
安心だ。そしてすぐに前半終了の笛がなり、ハーフタイムに入った。引き上げてくる選
手の笑顔がまぶしい。手のひらが痛くなるまで拍手をして迎えた。         

後半にはマリノスが反撃してきた。逆転するためには得点するしかないのだから当然前
がかりになるマリノス。しかし、そこに落とし穴があった。後半開始直後だった。押し
込んだマリノスの背後にボールが入り、ポンテがそれを鮮やかなヒールパスでワシント
ンに出した。ワシントンの突破は松田を蹴散らし、中澤を置き去りにしてキーパーの脇
を抜く鮮やかな追加点だった。このポンテのヒールパスが勝負を決めた。その後、マリ
ノスの怒濤の攻撃が始まったがディフェンス陣は体を張ってそれを跳ね返した。   

ワシントンのゴールに大喜びのスタンド。 長谷部のゴールに大騒ぎ、ハイタッチを繰り返すサポーター達。

後半ロスタイムにマルケスのクロスを大島に押し込まれて1点差になってしまった。最
後の最後に嫌な点の取られ方をしたもんだ・・・などとぶつぶつ言っていた時だった。
自陣ゴール前でボールを受けた長谷部が怒濤のドリブルを開始、次々にマリノス選手を
置き去りにしていく。歓声が上がる。「いけえ!!」長谷部はワシントンにパス、それ
を啓太に戻す。啓太が長谷部に出す。長谷部が渾身のシュート!ボールは目の前のネッ
トに突き刺さった。「うおおおっ!!!やったぁ!!はせべぇぇぇ!!!」最高だ。大
島に取られたダメージはこれで消えた。何て凄い奴なんだ長谷部という男は。そしてそ
のまま終了のホイッスルが鳴った。最高の終わり方だ。何てドラマチックなんだ。  

勝利の雄叫びを上げる選手を拍手して讃える。 最後は勝利の歌を大合唱。この気分は最高だ。

この勝ちは大きい。この最後の長谷部の得点はとてつもなく大きい1点だ。     


3月25日(土) 2006 J1リーグ戦 第5節                     
横浜FM 1 - 3 浦和 (15:34/日産ス/50,572人)               
得点者:'43 山田暢久(浦和)、'48 ワシントン(浦和)、'89 大島秀夫(横浜FM)、
' 89 長谷部誠(浦和)                              


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