天皇杯準決勝:大宮に辛勝


大宮とのさいたまダービーとなった準決勝は国立で29日に行われた。


1229:天皇杯準決勝:大宮アルディージャ:国立競技場


久しぶりの国立だが、今日は寒い。こねこさんも完全防寒で。 売店がいっぱい出て、人もいっぱいだった。

川崎戦の後、チケットぴあで手に入れた準決勝のチケットはバックスタンド上段の席だ
った。国立競技場のコンコースや通路の日が当たっている場所にはレッズサポがズラリ
と座り込んで日向ぼっこをしている。とにかく寒い日で、完全防寒で参戦したものの日
陰にはいられないような寒さだった。席は聖火台の近くでピッチを上から見下ろすよう
な場所で、風が強かった。カップラーメンを食べて温まりながら試合開始を待った。 

席から見下ろすゴール裏スタンドは立錐の余地も無い。 こうしてピッチを見ると、東京のど真ん中なんだと実感する。

選手が入場すると寒さを追い払うように声を出して手を叩く。大宮なら勝てるだろうと
いうような楽勝ムードが一番やっかいなので、今日は最初から大きな声で後押ししよう
と決めていた。幸い、周囲のレッズサポからも大きな声が出ているので、心おきなくサ
ポートが出来そうだ。昨年も準決勝までは来た。しかし、ジュビロに敗れ元旦国立の夢
は消えた。あらかじめ手に入れていた決勝のチケットを破り捨てた苦い思い出がよみが
える。昨年の二の舞にならないよう、今日は勝つしかない。            

試合開始前に2枚のビッグフラッグが出た。ゴール裏も気合いが入っている。

今日は都築が戻ってきた。ポンテとマリッチも好調で練習を黙々とこなしている姿が頼
もしい。大宮は外国籍選手がおらず、今日は藤本も出場停止。戦闘力は劣るかも知れな
いが、それでもあの鹿島に勝って準決勝に来ているのだから、侮ることなど出来ない。
試合開始までの時間があっという間に過ぎていった。主審は松村さんと発表され、スタ
ジアムには安堵の声が上がっていた。太陽がだいぶ傾いて気温も下がってきた午後3時
4分、待望のキックオフの笛が鳴った。                     

試合は淡々とした始まりだった。レッズはもっと積極的に押し込むと思っていたのが、
意外なほど相手に合わせてしまっている。このままではマズイと思いはじめた12分の
事だった。大宮の桜井が足を痛めて交代した。これはレッズにとってラッキーだった。
大宮は攻め手が無くなりレッズが一方的に攻める展開になった。そして、前半23分に
待望の先取点が入った。ポンテのコーナーキックをマリッチがタイミングよく飛び込ん
で頭であわせ、先制点を奪ったのだ。ゴール裏も周囲のサポーターも総立ちで歓声を上
げた。今年、先取点を取った試合は負けていない。これで勝ったと思ったのだが、そう
甘くなかった。                                

先取点の3分後、大宮はかなり距離のあるフリーキックを直接決めて同点となってしま
ったのだ。何でよりによってあんな難しいコースに飛ぶのかなあ・・・周囲も落胆は隠
せない。やはり、元旦決勝への道は簡単なものではなかった。その後、レッズも攻め手
を欠き、膠着状態になってしまい、そのまま前半を終了した。日が落ちたスタンドは一
層寒くなり、ウイスキーとポットのお茶の消費が速い。試合も追いつかれてのハーフタ
イムなので、あちこちで愚痴が聞かれた。                    

後半開始からレッズの動きが変わった。まるで目を覚ましたかのように動きが良くなり
、何度となく大宮ゴールに迫ってきた。我々も呼応するように声を上げ、手を叩く。こ
うなれば得点は時間の問題だった。そして17分、左の三都主が折り返したボールをファ
ーサイドで受けた長谷部が倒れこみながらシュートした。これが大きくバウンドして、
大宮GK荒谷の頭上をフワリと越えてゴールに飛び込んだ。「やったあ!」「長谷部え〜
」スタジアムは総立ちとなり、周辺の人誰彼と無くハイタッチで歓声を上げた。今日の
長谷部は動きが良かったので期待していた。こういう結果が出て良かった。     

試合は膠着状態が続いてやきもきする展開だった。 長谷部の得点で勝ったと思ったのだが・・・

その後何度もチャンスはあったのだが、大宮必死の守りに得点までは行かなかった。し
かし時間はどんどんと過ぎて行き、そろそろロスタイムに入る頃だった。誰もがこのま
まレッズの勝利で試合は終わるものと確信していたのだが・・あろうことかロスタイム
直前にロングボールを放り込まれて、こぼれ玉を押し込まれ同点にされてしまった。頭
かかえる選手達。スタンドは大きなため息と怒号が渦巻いた。「まったく、何でこうな
るんだよ〜」「あと2分じゃねえかよぉ〜」「バカヤロー!!」そして、そのままロス
タイム終了。勝利目前で延長戦に入ることになってしまった。           

延長に入るまでは、流れは大宮にありレッズはショックを引きずってしまうだろうと思
っていた。ところが、いざ延長が始まるとレッズの選手の動きが実に良かった。今まで
の動きは何だったんだろうか?というくらいキビキビした動きになり、次々と攻撃を繰
り出した。大宮は逆に終了目前に同点にしたことで、エネルギーが切れたかのように動
きが悪くなっていった。延長前半5分、長谷部のラストパスを受けた山田が角度のない
ところからダイレクトシュート、勝ち越しの3点目を挙げた。これで勝負は決まった。

その後、長谷部の50m独走するドリブルシュートで2点差となっては大宮にそれを逆
転する力は無かった。今日の長谷部は2得点1アシストという素晴らしい働きだった。
延長に負の流れを持ち込まなかった選手達を賞賛したい。本当に成長した選手達。君た
ちはファイナリストにふさわしい。決勝が最後の試合となるマリッチの為にも、絶対勝
って送り出したい。今まで夢だった正月の天皇杯決勝である。何としてもこの場で応援
をしなければと思う反面、チケット入手の困難さを考えて憂鬱になってしまった。  

試合後ゴール裏に挨拶に来た選手達を無数のフラッグが迎える。


バックスタンド前にも選手が挨拶に来た。みんなで オ〜〜〜・オイッ!


勝利の歌を高らかに歌う。夢に見た国立での元旦決勝が実現したのだ。



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