鹿島戦:不利な状況から魂の同点劇


9月3日(土)鹿島アントラーズとの試合を敵地カシマスタジアムで観戦した。


05年Jリーグ第22節:鹿島アントラーズ:カシマスタジアム

8月後半から連戦の続く浦和レッズ。31日のジェフ千葉戦は完敗だった。中2日でリ
ーグ首位の鹿島との首位決戦に望まなければならない。ここで負ければ一気に優勝の可
能性が低くなるので何としても勝たなければならない戦いだ。どうしてもこの試合を観
戦したかったので、指定席チケットを購入しカシマスタジアムに乗り込むことにした。
カシマスタジアムには初めての参戦で、まして車で行くので事前にいろいろ調べた。地
図を見ると潮来インターから行くのが早そうだが、どう見ても神宮橋がボトルネックに
なりそうなので、帰りは反対側遠回りで帰るルートを考えた。           

神宮橋を渡るとシカオ君がお出迎え。これにはビックリ。 スタジアムへの道。レッズサポがいっぱい。

カシマスタジアム周辺には駐車場が沢山あったが、スタジアムから一番遠い場所に車を
停めてそこから歩いた。駐車場料金は800円と安い。歩道はすでに両サポーターで溢
れ、スタジアムまで長い列が出来ていた。スタジアム到着は午後4時。まだキックオフ
まで3時間もあるので周辺を散策する。ジーコ像の写真を撮り、道路脇の屋台でビール
と焼き鳥を買い、裏の草原でひと休みする。多くのサポーターがあちこちにたむろして
試合開始までの時間を過ごしていた。                      

シカスタの全容。なかなか立派なスタジアムだ。 自由席待ちのサポーターがすでに長い列を作っている。


どこを見ても真っ赤なサポーターばかり。 ジーコの若き雄姿が銅像になっていた。ジーコスタジアムの所以。

自由席の入場列から浦和レッズコールが起きたので、その場所へと移動する。3ゲート
前に並んでいたサポーターが声を合わせてレッズコールを繰り返す。林立するフラッグ
が風にたなびき、赤い渦が出来る。今日の大事な一戦前にサポーターも気合いが入って
いる。ここでたまたま知り合いのサポと出会って立ち話をする。こういう出会いもアウ
ェーならではのものかも知れない。私は指定席なので列待ちすることなく2番ゲートか
ら入場した。カシマスタジアムの売店はいろいろなものが売られていて楽しかった。売
店を見ながらブラブラ歩いていたら制服を着た係員に「ここから先は遠慮して下さい」
と言われ、ああそうか今日はアウェーなんだと妙な実感をした。          

レッズコールが始まった。まだ試合前なのに気合い充分。


2番ゲートから入場する。ペットボトルはキャップを取ればOK。 売店は沢山あって、様々な食べ物が売られている。


安くて美味しかったサザエの串焼き。ボリューム満点。 席に傾斜がありとても見やすいピッチだった。

売店で買った串揚げとサザエの串焼きは美味かった。特にサザエの串焼きはボリューム
満点で350円は安かった。長い行列が出来ていたのも納得だった。席はアウェー自由
席に近い席だったので回りはレッズサポばかり、これなら応援も力一杯出来るという環
境だった。席からは傾斜があってピッチがよく見えるし、素晴らしいスタジアムだ。レ
ッズサポで埋まったゴール裏も手に取るように良く見える。席に座ってから試合開始ま
での時間があっという間に過ぎていった。双方のコールが錯綜してヒートアップし、ス
タメン発表では歓声とブーイングが交錯し、否が応でも興奮が高まっていった。   

アウェーゴール裏。レッズサポが集結中。 都築が出てきて大歓声が湧き上がった。


選手のアップが始まった。 デカユニが広げられ、キックオフを待つ。

試合開始のホイッスルが歓声で聞こえない。応援はヒートアップしたままだ。最初から
力一杯のコールが続いていた。ところが選手の動きがあまり良くない。中二日の疲労の
ためなのか、アントラーズの後手後手となって次第に押し込まれてしまう。そして、名
良橋のクロスを受けた鈴木を堀之内が引っ張って倒してPKを判定されてしまった。鈴木
の演技とも思われる倒れ方だったが、あそこであれだけユニを引っ張ってはまずい。に
くたらしい程冷静なキックを小笠原に決められ、前半17分に1点ビハインドとなって
しまう。ここからやっとレッズの選手にエンジンがかかってきた。アントラーズのゴー
ル前でのボール回しが多くなり、惜しいシュートも多くなった。ここで点が欲しかった
のだが、前節千葉戦と同じようなカウンターからの失点がまた出てしまった。アレック
ス・ミネイロが一人で運んでシュート。これが坪井の足に当たってゴールに転がり込む
不運。前半のうちに2点のビハインド。審判のジャッジに全体が不信感を募らせる中で
の失点だっただけに気分の落ち込みは激しかった。                

後半開始からレッズは攻める攻める。しかし、変なジャッジでその流れを分断されサポ
ーターも選手もイライラが募っていく。今日の主審柏原さんの笛は明らかにおかしい。
そんな中、闘莉王がフェルナンドに倒されて笛、ボールは長谷部に転がりそのまま流す
かと思いきや主審はボールを止めさせる。これに長谷部が怒った。闘莉王も何か言った
。その瞬間柏原さんはイエローを出す。長谷部はすでに一枚もらっていたので焦った。
「退場か!?」と思ったらカードは闘莉王にだったようだ。そのジャッジに今度は闘莉
王が切れた。柏原さんはすぐに2枚目のイエローを提示、あろうことか闘莉王がそのま
ま退場になってしまった。ファールを受けたのは闘莉王だったのに、何でいきなり退場
になってしまうのか?この判定は異常だ。ありえない判定だ。           

「このまま終わってなるものか」選手もサポーターも歯を食いしばるように懸命になっ
た。状況は2点のビハインド、センターバックの退場、相手は試合巧者の鹿島、レッズ
に有利な状況は何一つ無い。しかし、このままでは終われない。吹っ切れたように選手
の動きが良くなる。サポーターも声を一層張り上げてその背中を押す。流れは明らかに
レッズになった。アレックスが交代で入ってその流れが更に加速した。一方的に攻めて
いる流れの中でアレックスの素晴らしいシュートが弾かれ、そのボールを達也が全身の
力でジャンプして渾身のヘッドを叩きつけた。バウンドしたボールが新井場の頭をかす
めてネットを揺らした。大歓声に包まれるスタジアム。流れは完全にレッズに傾いた。
押せ押せの展開になり、コールは明らかに鹿島を圧倒する。            

達也の渾身のヘッドが決まった!魂のゴールが炸裂だ。 ポンテの鮮やかな2点目に大喜びするレッズサポ。

今日のアレックスは素晴らしかった。前へ前へとボールを運び、ゴールに向かって突進
する。鹿島のDF陣はことごとく裏を取られて混乱している。そして達也のパスを受け
たアレックスがゴールラインぎりぎりまで持ち込んでグラウンダーの高速クロス。その
クロスに飛び込んだポンテの右足一閃!鮮やかすぎる同点弾にゴール裏も指定も総立ち
となった。同点だぁ〜〜〜!ポンテぇ〜〜〜!よくやったぁ〜〜!!素晴らしい、本当
に素晴らしい同点だ。ロスタイム4分、まだいける。もう1点、もう1点。コールが更
に圧力を増す。この勢いなら逆転できる。長谷部のミドルがGK正面に、平川のミドル
がバーをかすめる・・しかし時間が・・ない。                  

主審の長い長い笛が鳴り、試合終了。惜しかった・・が、良くやった。浦和レッズコー
ルを繰り返しながら涙が出そうになった。本当に良くやった。選手達の熱い戦いは本当
に胸に迫るものがあった。コールする声も枯れてしまったが、コールを止められない。
今日の戦いは本当に素晴らしかった。挨拶に来る選手も堂々として輝いている。反対に
鹿島の選手はみなうなだれている。明らかに明暗を分けていた。          

興奮に身を任せて歩く道から見上げたシカスタ。いい試合だった。

駐車場に戻り、車を動かしたのが9時45分。51号を北上し、北浦を通り抜ける遠回
りの帰り道。若干の渋滞はあったが順調に土浦北から常磐道に乗り、高速で和光まで。
帰宅は11時半。2時間で東久留米に帰ってきた。渋滞知らずで帰れたのは良かった。
駐車場から出るのに1時間もかかる人もいたようで、浦和帰宅が午前4時なんて人もい
たことを考えると、このルートなら鹿島参戦も楽に出来る事を発見できたのも収穫だっ
た。素晴らしい戦いの余韻が体に残って、なかなか寝られなかった。        


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