面影画18


6月18日の面影画は小鎚知子さん




描いたペットの猫 チョロ 10歳 メス                       
         ハジメ(ハジ君) 5歳 オス                   
         ココ 3歳 オス                         

 猫が大好きな知子さん。家にはいつも猫がいた。                   
 様々な理由で、猫が好きな知子さんのところにはいろいろな猫が集まってきた。多い時には
15匹くらいの猫がいたことがある。                         

 昨年、気仙町でパルボウイルスによる猫の病気が流行したことがある。命にかかわる病気で
、1歳から3歳くらいの猫が次々に死んでいた。                    
 5年前、知子さんの家でもパルボウイルスによって、15匹いた猫が7匹死んで、8匹にな
ってしまった事があった。同じトイレを使う事で病気がうつると言われていた。      
 地震と津波が来る前、知子さんの家には6匹の猫がいた。               

 3月11日、大きな地震だった。「津波が来るから逃げろ!」口々に言いながら人々が避難
して行く。知子さんは声を限りに猫達の名前を呼ぶ。知子さんの声を聞いて、6匹のうち3匹
が出て来た。タンスなどが倒れていて、猫もおびえている。               
 知子さんは3匹を持って逃げた。その後に津波が来て家が流された。チョロとハジメとココ
が行方知れずになってしまった。3匹とも、いつも外で遊んでいる猫だった。       

  チョロは10歳になるメス猫だった。知子さんの長男が高校の同級生の家からもらってき
た。電車で運んで来て、家に隠しておいたのを知子さんが見つけた。パルボウイルスが発生し
た時、チョロは外に出ている猫だったので助かった。                  
「あの時は無事だったのに、今度はねえ・・・何で・・・」知子さんの目から涙がこぼれた。

 ハジメはみんなにハジ君と呼ばれていた。オスで五歳になる。家にご飯を食べにくる野良猫
がいた。メス猫で、その野良猫の子供の子供がハジメだった。いつの間にか知子さんの部屋で
産まれていた。家で初めて産まれた猫だったので「ハジメ」と名付けた。         
 知子さんの家のパルボウイルスを一番先に発症したのがハジメの母猫だった。「たぶん、ハ
ジ君の親が一番先に死んだから、あの猫が持って来たんじゃないかと思うんだよね・・」  
 ハジメが三ヶ月の時だった。たぶんダメだろうと思ったハジメは、ウイルスに勝ち、大きく
育った。「強い子だったんですよ・・」また、知子さんの目から涙が流れる。       

 ココは3歳のオス猫だ。娘が会社から持って来た。同僚が家で飼うことにした猫だったのだ
が、その家で飼う事に反対する人がいて、会社に置きっぱなしになっていた。       
 「かわいそうだから・・」と家に子猫を持って来た娘に知子さんは何も言えなかった。  


 昨夜、知子さんは新潟のボランティアペットショップに預けていた猫3匹を引き取りに行っ
て来た。地震の後、3匹を預けておいた。「顔を忘れられているかと思ったけど、大丈夫だっ
た。嬉しかった・・」「夕べは鳴いて大変だったの・・」                
 7時間かけて新潟から引き取ってきた。これから仮設住宅で一緒に暮らすことになる。3匹
の面影画がその傍らに置かれれば嬉しい。                       

 ペットも家族だから、当然「面影画」の対象になる。                 
 すでに3名の方のペットを描いた。ペットがどれだけ心の支えになっていたか、18年間自
宅で猫と一緒に暮らした経験から、そのことはよく分かる。               

 今回の地震と津波でどれだけのペットが犠牲になったか・・・その喪失の大きさは、想像す
るに余りある。                                   

 知子さんにおくる、かわいかった三匹の猫の記録。                  
 チョロとハジメとココのご冥福をお祈り致します。                  



 6月18日の面影画は小槌知子さん。                        

 ペットの猫3匹を描かせていただいた。                       

 今回の地震と津波で多くのペットが流された。面影画の中にも、すでに三名の方からペット
と一緒にというリクエストを頂いている。                       
 もちろん、ペットは家族なので面影画の対象になる。                 

 自分自身、猫と18年間暮らした経験があるので、いかにペットが大切なものか分かってい
るつもりだ。小鎚さんの思いを絵に込めるつもりで描かせてもらった。          

絵を見たらまだ涙が出てしまった知子さん。 夕参りの時に見た田んぼに鴨がいた。