瀬音の森日記 502




10周年記念ツアー・朝日飯豊トレッキング



2009. 10. 24.25


昨年から準備してきた朝日・飯豊のトレッキングツアーを開催した。


10月24日(土)25日(日)の二日間、山形県小国町で紅葉&きのこ狩りを楽しむ
トレッキングツアーを開催した。瀬音の森10周年を記念して、昨年から準備してきた
ツアーだった。朝日連峰の前衛のブナ林を散策し、夜は飯豊山荘に宿泊し、翌日は飯豊
山荘上のセラピーロードを散策するという企画だった。参加者は長南さん、渡部さん、
さっちゃん、藪沢賢治さん、野村さん、吉瀬さん、関根さんと奥さん、JICKYさん、加
藤さん、イナさん、渓酔さん、坪井さん、kurooの14名だった。         

集合場所はJR米坂線の小国駅前。朝9時の集合時間には参加者全員が揃い、長南さん
の説明を聞いて車で朝日連峰登山口に向かう。駐車場に車を停めて身支度をして登山口
に向かう。いきなり吊り橋があり、ワイワイと楽しく渡たる。吊り橋を渡ったところか
ら、本日の核心部となるブナ林を散策する。小さな沢を渡ったところに長南さんが「さ
るなし畑」という場所があり、みんなでさるなしを取って食べる。甘くておいしい。帰
りに採ろうということで全部は採らずにそのまま進む。              

すらりとしたブナ林に入り、黄葉が素晴らしい景色にしばしば足が止まる。きのこ眼に
なり、倒木ごとに分け入って探すが、なかなか見つからない。今年はきのこが不作なの
は山形も変わらないようだ。ほどなく2つ目の吊り橋を渡る。ゆれる吊り橋なので、み
んなワイワイ言いながら渡る。渡り終わった人が、並んで下から写真を撮っているのが
面白い。この吊り橋の下には堰堤を兼ねた沈下橋があり、吊り橋を渡りたくない人は下
の沈下橋を渡っていた。吊り橋を渡り終わると今回のコースで唯一の急坂がある。ここ
を登ればメインのブナ林に入る。                        

ブナの黄葉、カエデの紅葉。錦織りなすとはまさにこのことで、対岸の山肌も色とりど
りに紅葉しているのが素晴らしい景観を作っていた。このブナ林は至る所に倒木があり
、きのこ眼になった参加者を楽しませてくれた。チャナメツムタケ、ムキタケ、ブナハ
リタケ、アブラシメジ、ナラタケなどがどんどん袋に入れられていく。ある倒木の陰に
びっしりとナメコが出ていた。まだ幼菌だったが、食べられそうなものをナイフで採集
する。みんなでワイワイ楽しい時間だった。                   

最後の吊り橋に到着。ここを渡れば角楢小屋だが、この下の河原で昼にしようというこ
とになり、全員河原に降りる。吊り橋は営林署の職員がワイヤーを修理しているところ
だった。吊り橋下の河原に広がり、思い思いの昼食となった。私はガスでお湯を沸かし
、カップラーメンとおにぎりを食べた。まあ、山の定番という昼食だ。ここで約30分
休憩する。私は箸にする為の枯れ枝探しに没頭した。木の枯れ枝を皮を残して削り出し
、箸を作るといい感じの箸が出来る。今回はその材料を探したのだが、なかなか素性の
いい枝が見つからない。いざ探して見ると難しいものだ。             

休憩を終え、来た道を戻る。みんなの歩くスピードが速いのでつい遅れてしまう。倒木
もすでに見終えているし、景色も見たものだし、自然に足が速くなるのは分かるが、素
晴らしい景色の中を歩いているのだから、もう少しゆっくり歩いてもいいんじゃないか
と思う。さるなし畑で一行の足が止まった。さっそく長南さん、関根さん、渓酔さんが
藪に飛び込み、さるなしを採る。採ったさるなしはみんなで食べる。甘くて美味しい秋
の味だ。関根さんの奥さんが満面の笑顔で寄り添っている。            

登山口に戻り、集合写真を撮って、宿に向かう組とオプションのツアーに向かう組に分
かれる。オプションのツアーは通称「キャットウオーク」と呼ばれる一本の吊り橋。長
南さんが坪井さんを案内するというの同行する。この吊り橋は一本丸太をつなぎ、一本
のワイヤーが手すりになっている吊り橋で、ゆれると本当に怖い吊り橋だ。渓酔さんが
サンダルで軽々と渡っていく。なんて人だ・・・                 
イナさんも渡り、坪井さんが続く。女性でもこういう吊り橋が平気な人がいることに驚
き感心する。野村さん、加藤さん、JICKYさんは渡らない。私も今日は遠慮した。主役
は坪井さんなので、写真を撮るのに専念する。3人が無事に帰ってきて一安心した。 

ここから車で約一時間。今宵の宿、飯豊連峰まっただ中の「飯豊山荘」へと向かう。途
中の景色も紅葉がきれいで眼を楽しませてくれた。車は険しい飯豊の山並みの奥へ奥へ
とひた走り、宿を目指す。宿に着いて車を降りると、先に着いたメンバーが足湯に入っ
てくつろいでいた。すぐにチェックインし、部屋に入る。部屋は二部屋を男性メンバー
用に、一部屋を女性メンバー用に借りてあった。荷物を置き、着替えてすぐに風呂に入
る。洗い場が一つしか無く、5人も入れば一杯になってしまう小さい湯だが、温泉が素
晴らしかった。ゆっくり入って体を温めて部屋に戻ったら、夕食の2時間も前だという
のに宴会が始まっていた。自販機でビールを売っていた。             

渓酔さんがにぎやかに話題の中心になっている。みんな笑顔でいい感じだ。ひととおり
話題が行き渡ったところで、夕食の時間となり食堂へと移動する。料理は山の幸が中心
のシンプルなもの。ここでもにぎやかに渓酔さんが中心となって、会話が弾む。赤コゴ
ミという珍しい和え物が出ていたので、聞いてみたら、春に採ったものを塩漬けにして
、塩出しをして使っているとのこと。あまりにみずみずしくて、とても塩漬けとは思え
なかった。採れなっかたきのこもたっぷり食べることが出来た。          

食後、部屋に戻って更に宴会が始まる。10年前、瀬音の森発足当時の写真をみんなに
回覧して見てもらう。渡部さんの細い写真にさっちゃんが大喜び。野村さんも加藤さん
もみんな10年前は若かった。安谷川の最初のイベントは楽しかった。写真を見ている
だけで昔がよみがえる。何かみんなに言おうと思っていたのだが、酔っぱらって忘れて
しまった。まあ、どうでもいいことだ。眠くなった人から布団を敷いて寝る。テレビは
BSしか映らない。たまたまサッカーをやっていたので、布団に寝転がってJICKYさん
や藪澤さんや野村さんと大分トリニータがJ2へ降格が決定した試合を見ていた。  

朝一番で温泉に浸かる。昨夜の酒が少し残っているようだ。まるで紅葉の谷底のような
温泉で上を見上げる。素晴らしい景色が映っている窓ガラスは湯気で曇っていた。曇り
を拭うとガラスの冷たさが伝わってきた。ゆっくりと体を温め、部屋に戻る。朝食まで
の時間はおなかが空いて困った。外を歩いて居る人がたくさんいる。        
朝7時半、やっと朝食のアナウンスがあり、食堂へと向かう。朝食もシンプルな朝食だ
った。みんなお腹が空いていたようで、おひつはすぐに空になってしまった。    

一泊二食付き7715円の会計を済ませ、外に出て車で散策の身支度をする。いい天気
で、暖かい陽射しが降り注いでいる気持ちいい朝だ。全員が揃ったので山荘上の温身平
までの散策に出発する。途中の藪に倒木があり、すぐに「ナメコだ!」という声。みん
なで殺到する。きれいなナメコがズラリと出ていた。               
ゲートを越えてすぐに川を渡る、大きな橋の上から川をのぞくと大きな岩魚が二尾、ク
ルージングしていた。産卵床も出来ている。これは上手くいけば産卵が見られるかも知
れない、と思ったらそこに眼が釘付けになってしまった。みんなは上流へと林道を歩い
て行ったのだが、私と関根さんの奥さんだけそこを離れることが出来なかった。   

「こういう場面は見ようと思っても見られませんよね」「もしかしたらすぐにでも産卵
するかもしれないし・・・」などと言い合いながら、双眼鏡を取り出して、じっくりと
観察した。ところが、待てども待てども産卵の気配などなし。そのうちに上流に行った
メンバーが戻ってきて「何見てんの?」と声をかけられるありさま。なかなか思うよう
いかないのが自然界なのだなあ、産卵の写真を撮る写真家の苦労が少しだけ分かったよ
うな気がした二時間だった。そのまま車に戻り、そこで解散となった。       

蕎麦を食べに行こうという事になり、途中にあった越後蕎麦という店に行く。頼んだ山
にんにく蕎麦は味も香りも微妙な蕎麦だった。皆さん、お疲れ様でした。