瀬音の森日記 


瀬音の森 商標登録



1998.6.23


目白の吉村特許事務所の柴田先生(弁理士)に会った。目的は「瀬音の森」商標登録につ
いて聞くためである。ご承知のように、ある事業を行ったり商品を販売したりする時には
商標というものが必要となる。分かりやすく言うと商品の名前、ブランド名である。この
場合は「瀬音の森」が商標になる。そしてある事業や商品の販売というのは、先の瀬音の
森構想の中にある以下の項目を指す。                       

      ・林産物の製造・販売                        
      ・渓流魚の養殖・放流                        
      ・宿泊業・飲食業・喫茶業                      
      ・セミナー開催(釣りセミナー・野外教室・林間学校・ほか)      
      ・オリジナルイラスト(渓流魚)の製作・加工・販売          

この分野の事業や商品ですでに「瀬音の森」という商標が日本のどこかで使われていると
我々は「瀬音の森」という名称を使えなくなってしまうのだ。そんなバカなと言わないで
欲しい。法律によって先に使う権利が生じていて、他の人に使わせない権利が保証されて
いるのである。だから商標登録に関しては裁判沙汰になる事が多いのである。慎重に調べ
ておかなければならないのだ。                          

まず手順としては「商品及び役務の区分(42分類)」に沿って、瀬音の森の事業を分割
し、その一つ一つについて「瀬音の森」という商標が登録されているかどうか調査する。
1件につき調査費用が25000円かかるので慎重に決めなければならない。     
悩んだあげく次の6項目で調査してもらう事にした。                

 1、ポストカード等文房具類 日本商品区分第25類 国際分類第25類      
 2、釣り具         日本商品区分第24類 国際分類第28類      
 3、加工野菜及び加工果実  日本商品区分第32類 国際分類第29類      
 4、セミナー開催、運営              国際分類第41類      
 5、宿泊施設の提供                国際分類第42類      
 6、飲食物の提供                 国際分類第42類      

これを調査するだけでも合計15万円かかる。そして、イザ商標登録をするとなると、お
よそ1件当たり20万円かかるので120万円が先行投資として必要になる。それも今後
永久に使用出来る訳ではなく、登録以後10年ごとに更新しなければならないのだ。事業
を続けるという事は商標を専有するだけでもお金がかかるものなのだ。        

柴田先生と以上の確認をして、事業主体の話になった。瀬音の響く森を作ろうという主旨
に大いに賛意を示して頂いた。子供達をそういう環境で遊ばせてやりたいと先生は言う。
我々の世代がやるべき責任を感じているとも言ってくれた。賛意を示してくれたからとい
って金額が安くなる訳ではないのでこの辺がつらいところだ。            


3日後、柴田先生からFAXが届いた。依頼した6件、いずれも「瀬音の森」の登録は無く
商標出願をおすすめします・・という内容だった。取り合えずホッとした。ちなみに類似
商標にどんなものがあったかと言うと                       

 1、文房具類      【瀬音】【せせらぎ】【おんがくの森】         
 2、釣り具       【せおと】【せおと/瀬音】【せせらぎ】【おんがくの森】
 3、加工野菜・加工果実 【せおと/瀬音】【せせらぎ】【瀬音の唄】【波の瀬音】 
 4、5は類似なし                               

という報告だった。かろうじてセーフという感じでホッとしたのだが、さて考えた。出願
すれば登録される事は分かった。だが、120万というのは安い金額では無い。どうしよ
うか・・・・・・登録しなけば事業が出来ない訳では無い。商品が売れない訳でもない。
ただ、後から大手企業に「瀬音の森」という名前を使われて、我々の事業がストップさせ
られるのは絶対にイヤだ。我々の仲間が全国で「瀬音の森」を展開する時の事を考えれば
登録しておいた方が安全だ。さあ、どうする・・・・・・・・・           

2日間考えた結果登録する事に決めた。これは保険だ。後で悩む事になるのなら、先にそ
の悩みを解決しておこう。10年後の事は10年後に考えよう。           

柴田先生に電話した。                              

「先生、6件とも商標出願をお願いします。」                   


いろいろあるけど、あとはまた明日から。