瀬音の森日記 493




森林作業体験交流会in田沢湖



2009. 6. 27


秋田県仙北市にて恒例の森林作業体験交流会が開催された。


6月27日(土)秋田県仙北市にて恒例の森林作業体験交流会が開催された。今年は田沢
湖畔の潟地区で30年生杉林の間伐と天然林の育成作業が、都市住民の参加で行われた。
瀬音の森からは秋田、岩手、首都圏などから25名が参加した。参加者はkuroo、原渓さ
ん、ひらりーさん、PONTAさん、藪澤賢治さん、吉田さん、八木さん、奥貫さん、横山
さん、ハミングウェイさん、坪井さん、渓酔さん、杉山さん、イナさん、岡田さん、佐藤
さん、西園さん、藤代さん、old-beanさん、堀野さん、布川さん、倉田さん、ぬま子さん
、琥珀さん、澤田さんの25名だった。                      

朝8時、西木町の温泉施設クリオンの駐車場が集合場所だった。瀬音の森の参加者は前日
にクリオンに宿泊していた参加者や、首都圏からの交流バスで来た参加者、秋田・岩手か
ら来た参加者がぞくぞくと集まってきた。いつもは遅れて来るPONTAさんが早くやって
来て「いつも遅い私が早く来たんで、今日は雨になりますよ」と冗談めかして言っていた
が、空は晴れていたし「まさかそんな事は・・・」と気にもしていなかった。全員が揃っ
たので車で会場に移動する。今日の会場は田沢湖畔の大沢地区となっている。     

昨年まで駐車場にしていた場所には、金ぴかの建物が建っていて車が止められない。田ん
ぼの中の道を走って会場に向かうと、昨年開会式をやった場所が駐車場になっていた。車
のドアを開けてヘルメットや道具類を運び出し、みんなが来るのを待つ。車を止める場所
に苦労しながらみんなが到着し、それぞれ名札とヘルメット、作業道具を持って行く。こ
のころから何だか空模様が怪しくなり、遠くで雷が鳴り出した。そして、開会式の前に突
然大雨になってしまった。みんな小さいテントの中に逃げ込む。雨が強くなり、やむ気配
がない。まさかPONTAさんが冗談で言っていたと思っていたのだが、どうや遠野から雨
の神様を連れてきてしまったようだ。雨神恐るべし。                

それでも30分ほどで雨も小降りになり、開会式を始めることが出来た。暑くなる予報だ
ったのだが、逆にこれで作業はしやすくなったかのかもしれない。会長の挨拶にも余裕が
あった。瀬音の森はいつものように「間伐」担当の班編制になっていた。指導員の紹介が
終わり、作業場所へと向かう。林道を歩いて移動し、間伐予定地に到着。すぐに選木作業
に入る。曲がった木、先の無い木、混み合った木などにピンクのテープを巻いて目印にす
る。ざっと見渡すと、作業地が狭いので本気でやると午前中で終わってしまいそうだ。 

チェーンソーの音があちこちから響き渡り、間伐作業が始まった。近接作業にならなよう
に心がけ、安全第一で作業する。一班は3台のチェーンソーがうなりを上げている。3本
ほど杉を倒したので交代し、私は会員の写真を撮るために離脱する。一班の作業風景をカ
メラに納め、隣で作業している2班の撮影に向かう。2班はハミさんチーム。女性が多い
が頑張って間伐している。一人一人の作業風景をカメラに納める。3班は少し離れた場所
になるので、一旦林道へ出て作業場所へと向かう。ちょっと離れた場所だったが、チェー
ンソーの音が聞こえてきたのですぐに分かった。3班の会員の作業風景もカメラに納めた
が、ぬま子さんのチェーンソーを使った間伐が目立っていた。            

汗を拭きながら1班の場所に戻ると、唯一の女性横山さんが指導員の指示でチェーンソー
を使った間伐に挑戦していた。指導員は森林組合のベテラン門脇さんなので安心して見て
いられた。横山さんは立て続けに2本の杉を倒し、玉切りもして興奮していた。女性の割
に腰が引けておらず、華麗なチェーンソー捌きだった。素晴らしい。         
10時半になったので休憩する。体中から汗が噴き出しているので、のどがカラカラで麦
茶が嬉しい。休憩時間に伊藤会長と門脇さんからチェーンソーの目立てを教わる。教わる
ついでにちゃっかり自分のチェーンソーの刃を研いでもらった。これでばっちりだ。  

作業再開。順調に間伐は進む。徐々に太い木を間伐するようになるので、慎重に倒す方向
を決める。奥貫さんにも間伐をやってもらう。チェーンソーに慣れていない人は、つい切
りすぎてしまう事が多い。まあ、これは数をこなして慣れるしかない。私も最初の頃はそ
うだったのだから何も言えない。指導員から午前中の作業終了という声がかかり、作業を
止めて道具を集めた。開会式の会場に戻り、これから昼食となる。朝の雨のお陰で涼しく
作業出来たのが何よりだった。疲れた中にも、みんなの笑顔がそれを物語っている。  

昼食はお握りと味噌汁。味噌汁の大きな鍋は阿部さんが持参したもの。参加者それぞれ、
思い思いの場所で食事となった。草地にブルーシートが敷かれ、その端に座って食べてい
る人が多い。私は持参の尻皮があるのでどこでも座れて便利だ。食事しながら育林隊の岡
安さんとNPOの事などいろいろ話す。会を運営するというのはどんな会でも大変な事だ。
味噌汁のおかわりをしてゆっくり味わう。昼休みの間に瀬音の森会員に今日の総会の手順
を伝える。作業終了後、懇親会まで間に総会をクリオンで開催するので、漏れの無いよう
に連絡した。                                  

午後の作業が始まった。残り少ない間伐だ。門脇さんが倒した杉の丸太の皮をクルリと剥
いてみせてくれた。この時期は木が水を吸い上げる時期なので皮が簡単にむける。真っ白
に光る丸太がまぶしい。大きな皮は何かに使えそうだが、残念ながら持ち帰れる大きさで
はない。昔は杉皮は屋根を葺くのに使われていた。間伐は順調に進んでいる。私も何本も
杉を切り倒した。鬱蒼としていた杉林はすっかりきれいになって見通しも良くなった。こ
の見渡した時の達成感が素晴らしい。森林作業の醍醐味だ。             

午後2時半に作業終了。道具を片付けて閉会式の会場に向かう。事故が無くてなによりだ
った。みんなの笑顔が充実した作業ぶりを表している。他の班も作業を終えて集まってき
た。しばらく休んでいるうちに全員がそろい、閉会式が始まった。5時から懇親会が行わ
れる事が伝えられた。さあ、瀬音の森のメンバーはこれからが忙しい。車に戻り、ヘルメ
ットと道具類を集め、クリオンの入浴券を会員に配り、クリオンに向かう。      

クリオンで温泉に入り、作業の汗を流し生き返る。このあと、瀬音の森総会を開催したの
だが、その事は別項に書く。                           

5時からクリオン横の体育館で懇親会が始まった。今回、予算の都合か森林組合の皆さん
が欠席だったのが残念だった。門脇さんと話したかったのだが、次回の楽しみにしよう。
班ごとにテーブルが分けられ、乾杯の発声前に「じゃあ、練習ということで・・」などと
言い訳をしながら飲み始めてしまう。さみだれ方式という奴で、このあと何度も乾杯を繰
り返す。宴会は楽しい。久しぶりに会う人と、作業会場では話せなかった事がゆっくり話
せる。しかし、班ごとに分かれているせいで、他の会の方や地元の皆さんとの交流が少な
いのも確かだ。瀬音の森の仲間内でも久しぶりの再開に会話が弾んでいるのだから、仕方
ないのかもしれないが、マンネリしつつあることも確かだ。             

5時から2時間で宴会は中締め。寝る人もいるので会場を外に移して飲む。瀬音の森のメ
ンバーはお酒を飲む人が多いので、なかなか宴会が終わらない。私がその原因だという声
もあるが、まあ仕方ない事だ。外の宴会場にはホタルが飛んできたりして賑やかだった。


翌朝、体育館で目が覚めたら、周りはすでに片付けが終わっていた。みんな早いなあ・・
などと思いながらのそのそ起き出すが、お酒が残っているのか、頭がボオっとして動けな
い。「こ、これは二日酔いか・・(汗)」飲み過ぎたのか、ウコンを飲まなかったせいか
異常に体が重い。動けない。みんなの前で醜態をさらしているようなのだが、どうにも仕
様がない。それでも準備された朝食は食べた。味噌汁が異常に旨かった。さらにご飯はお
かわりまでしてしまった。体調がいいんだか悪いんだか・・・困ったものだ。     

外で一休みして、首都圏に帰るバスを見送る。これが最後のおつとめ。お疲れ様でした。