瀬音の森日記 49


環境アセスメント勉強会



1999. 4. 4


吉野川・東京の会が主催した環境アセスメント勉強会に参加した。講師は東京工
業大学工学科教授の原科幸彦先生で、事前にテキストを勉強しておくこと・・・
という厳しい勉強会だった。                       

参加者は30人ほどで、遠く長野県や徳島県からも参加した人がいるという熱の
こもった勉強会となった。環境アセスメントの仕組みがこの6月から新しいもの
になるという。この機会に建設省の吉野川アセス対応の監視や、川辺川ダムの新
アセスでの見直しなどを運動の柱に出来ないか?という思いや狙いも込めた勉強
会だった。                               

事前にテキストは読んでおいたのだが、何せ難しい単語の並ぶ本なので理解して
望むというにはほど遠い状態だった。原科先生の話はトントントンとテンポ良く
進む。1時間半で環境アセスメントの何たるか?を講義するのだからじつに大変
なのだ。テキストのページを繰りながら進んだり戻ったりと忙しい。メモも取る
のだが、先生の話について行く事が出来ない。はなはだ心許ないのだが、概要を
書くと以下のような内容になる。間違っていたらごめんなさい・・      

・環境アセスメントは元々兵器戦略システムの民間転用がきっかけで始まり現在
 に至っている。アメリカが先進地で各国それぞれに取り組んでいて、日本は取
 り組みが始まったのは早かったがオイルショックで流れが止まってしまった。

・日本のアセスは事業アセスであり、アメリカ等のように本来の計画アセスにし
 なければならない。アセスの結果を重視する形になった名古屋の藤前干潟の例
 は今後の大きな指針となるに違いない。                 

・今までは事業アセスのため代替案は必要とされなかったが、新アセスでは代替
 案作りが必須となるので、今後巨大公共事業の進め方は計画段階からチェック
 できるようになる。アセスの中に複数案の検討を明記されている。     

・サンフランシスコのミッションベイでのアセスは2年間かけて12案の代替案
 を比較検討している。今後は日本もこうならなくてはいけない。      

日本や外国の事例を交えて原科先生の講義は熱を帯びてくる。一度読んだくらい
の知識ではとてもの事に消化吸収出来るものではない。これからも何度もテキス
トを読み返し勉強しなければならない。                  

環境アセスメントはより厳しいものになる。そして、情報はより公開されて事業
は透明になってくる。これから我々は何をどう働きかける事が巨大事業を見直す
事につながるのかを考えなければならない。アセスメントの知識をより深いもの
にして事業者サイドのごまかしやインチキを見破れるようにならなければいけな
いのだ。私の頭ではどこまで出来るか大いに疑問だが・・・・        

休憩後、原科先生への質問の時間となった。実際に運動している人達から現在の
運動とアセスというものについてどう関連付けられるのか?という点についての
質問が多かった。聞いているうちに疑問になったのは、ダムなどのアセスの場合
依頼するのも判断・評価するのも建設省という事になり、事業アセスが計画アセ
スになったところで「ダム工事をする為のアセス」になりはしないか?という事
だった。公共事業の根本的な部分が変わらない事には日本の慣習としてそんなに
劇的に変わるようには思えない気もする。                 

ただ、こうして市民が勉強する事により、事業者も正式な手続できちんと手順を
踏むようになり、結果として無謀な開発に歯止めがかかるようになる。アメリカ
ではアセス代替案の中に必ず「何もしない案」というものが入っている。日本も
早くそうなって欲しい。そして、きちんとしたアセスメントをしてから事業の是
非を論じるようになって欲しいのだ。それが「スジ」というものだろう。   

あっと言う間の4時間だった。どこまで理解出来たか疑問な部分ばかりだが中身
の濃い時間だった。アセスについてはこれからも機会を見て勉強したいと思う。

帰りは白金から恵比寿まで疲れた頭を休めるためにブラブラと歩いてきた。あち
こちに小さな公園があり桜の花が満開だった。夕方の斜光線に花びらがひらひら
散るのを見ながら気持ちの良い散歩になった。               

頭の出来の悪さは今に始まった事じゃなし・・・あとはまた明日から。