瀬音の森日記 44


関東森林管理局へ行く



1999. 3. 19


またしても高橋さんから突然の電話だった。「ところで営林局へは何時行きます
か?」瀬音の森・西丹沢の確認に行こうという事だ。2人の予定をさっと突き合
わせ「明日にしましょう」という事になった。               

さっそく営林局に電話する。「明日11時過ぎに伺いたいのですが・・・」とこ
ろが担当の林係長は「えっ、明日は課長がいないのでぇ・・・」と言う。課長が
いるかいないかではなくて聞きたい事があって伺いますという事なのだが、上手
く伝わらない。結局11時15分に伺うという事で分かってもらった。    

19日11時、木場の駅で待ち合わせる。駅の「東京営林局」という表示が無く
なっていて変わりに「関東森林管理局」というシールが貼ってある。これは、名
前が変わったんだな・・・それだけならいいけど・・・ちょっと不安がよぎる。

約束の時間に建物の前に着いた。大きな看板は「関東森林管理局 東京分局」と
なっている。4階の森林活用課に行くと、企画官の金澤さんが出迎えてくれた。
気になっていたので金澤さんに聞く「あの・・分局というのはどういう事なんで
すか?」「そうなんですよ。本局が前橋になりまして、東京は分局という事にな
りました。やはり本局は東京でなければと思うんですけどね・・」と金澤さん、
なんだか無念そうな口振りだった。                    

これに伴って営林署の名称が変わっている。平塚営林署は「東京神奈川森林管理
署」に、秩父営林署は「埼玉森林管理署」にかわったそうだ。営林ではなくて森
林管理が仕事だという事に変わったのか?・・・良く分からない。      

話は前回およその事を聞いていたので早かった。こちらが指定した地区が「法人
の森」として契約出来るのか? 出来るとすればどのくらい費用がかかるのか?
という事だけだ。これは後日返事をもらえる事になっている。        

場所は西丹沢の三の沢右岸一帯である。この沢すじに渓畔林が形成出来れば、頂
上付近の天然ブナ帯と下流を結ぶ広葉樹の回廊が出来る事になる。これは西丹沢
の自然保護の為にもとても有効な方法ではないかと思っている。       

30年か40年かの契約期間の間、その場所を我々の森として育てる事が出来る
のだ。道を作り散策出来るようにし、小屋を作り休憩所にし、ここで森や川の勉
強をするのだ。瀬音の森の一つの形を、拠点を作るのだ。          

今日の収穫がもう一つ。林係長がぼそっと言った一言。「分収育林は管理局の方
で人を手配して手入れしてるんですよ。ですから皆さんの方で人を確保して頂け
れば契約時のお金が戻る形になる訳ですねぇ・・」そうか!そういう手があった
んだ。高橋さんと顔を見合わせてニヤリと笑った。             

企画官の金澤さんは本当にこちらの意見をよく聞いてくれる。「民間から資金を
出していただいて山の手入れをする訳ですから、皆さんの意見はキチンと取り入
れてやらなきゃダメなんですよ・・」何かあったらどしどし言ってくれ、とのこ
とだった。追い風が強くなっている。                   

打ち合わせが終わって、1階の営林局食堂で昼食を食べようという事になった。
高橋さんは「いやあ、農林省の出先機関だし、食べ物にはうるさいはずだからけ
っこう穴場かもしれませんよ」と言うのだが・・・サンプルを見ると・・・??

昼定食500円、マグロステーキ定食。・・・・いやあ、あれは高かった。  
値段は安いのだが、味の方がちょっと問題で。う〜〜ん何と表現したらいいか?
食堂の雰囲気も何だか暗かったなあ・・・みんなうつむいているし、会話も弾ん
でいないし、何だか気まずくなって、ますます味がしなくなっていった。   

高橋さんはそばを食べていたが、何も言わなかった。            

う〜〜ん、昼飯が・・・あとはまた明日から。