瀬音の森日記 428




西木の紙風船上げ



2007. 2. 10


2月10日(土)に行われた西木町上桧内地区の冬祭り「紙風船上げ」に瀬音の森とし
て参加してきた。今回は村のご厚意で本会会員で昨年9月に亡くなった猫ミュウさんと
土筆さん夫妻を偲んで、二人の似顔絵を描いた紙風船を上げてもらえることになり、私
は前々日から西木入りし、二人の絵を描くところからやった。           
         「紙風船上げ」への瀬音の森の参加者は渓酔さん、ハミングウェイさん、岡田さん、渡
部さん、琥珀さん、稲垣さん、加藤さん、ひらり〜さん、野村さん、old-beanさん、ぬ
ま子さん、原渓さん、PONTAさん、岩手の井戸掘りさんと娘さん、kurooの16名だっ
た。岩手、秋田からも多くのメンバーが参加してくれて嬉しかった。        

2月8日に紙風船会館で猫さんと土筆さんの絵を描き、翌日到着した皆さんと一緒に大
きな紙風船を作った。紙風船というのは文字通り和紙で作る巨大な袋状の紙風船で、大
勢で大きな和紙を両面テープで貼り合わせて作る。折り畳んだ和紙を順序通りに貼り合
わせて、最後に焚き口となる円形のタガに袋の口を貼り付ければ出来上がり。大勢でや
ると早いが少ない人数だったら大変な作業になるところだった。午前中で何とか紙風船
は出来上がった。                               

午後には秋田内陸縦貫鉄道に乗って阿仁マタギ駅まで行き、打当温泉の「マタギの湯」
に行った。これは湯けむりパックという、往復420円、送迎つき温泉300円のお得
な小旅行だった。内陸縦貫鉄道を使ってもらうためのパックで、これほどお得なパック
でもなかなか乗客数は伸びないらしい。考えてみると、私も何度も西木町に足を運んだ
が内陸縦貫鉄道に乗った事は無かった。この鉄道を残すことは地元の人達の悲願とのこ
とだったので、この際少しでも協力しようという事で、快く湯けむりパックを使わせて
もらった。                                  

温泉でいい気持ちになり、単線の汽車から見る景色を堪能し、夕方からは上桧内(かみ
ひのきない)の食堂での前夜祭に参加した。我々が参加する桁沢(けたさわ)集落の方
や布谷課長ご夫妻も参加してくれ、明日のお祭りを前に大いに盛り上がった。美味しい
日本酒を飲み過ぎてしまい、翌朝の作業に少々支障をきたしてしまったのは秘密だ。 

翌朝、お祭り当日は9時から会場の設営を手伝った。桁沢(けたさわ)集落ブースの設
営を手伝ったのだが「なぜ、桁沢集落だけ手伝うのか」という他集落のやっかみも聞か
れた。単に阿部さんとのつながりだけなのだが、これだけの人数が応援に来るとなると
他から疑問の声が上がるのも無理はない。設営は慣れたもので、見る見るうちに様々な
装置が組み立てられた。お祭りの準備は整った。そこに、秋田支部メンバーやひらり〜
さん、野村さん、加藤さんも合流し、いよいよ本番のお祭りだ。我々瀬音の森メンバー
に委託されたのは焼き鳥の販売とフランクフルトの販売。焼き鳥は一本100円で2500
本を売り切らなければならない。                        

焼き鳥、フランクフルトの他にも餅や山菜汁やお酒の販売が本格的に行われ、この桁沢
集落ブースがもっとも客を集めているようだった。私も渓酔さんと一緒に焼き鳥を焼き
、声を大にして呼び込みをやった。                       

お祭りは大きな紙風船にガスバーナーで熱風を吹き込んで空に飛ばすものなのだが、今
年は気温が高く風船が高く飛ばなくて係の人も困っていた。風が無いので真っ直ぐ上昇
し、風船の中の温度が下がるとそのまま落ちてくるのだ。中には空中で火が付いて燃え
ながら会場に落ちてくる風船もあって、悲鳴が上がったり怒声が飛んだり、いつになく
緊張感の漂う祭り会場だった。                         

瀬音の森の紙風船は最後から2番目に上げられた。ちょうど電車も止まって見物中だっ
たので、無事に上がったときは大歓声が上がった。自分たちで作った紙風船が暗い夜空
にふわりと浮かんだ瞬間はじつに感動的だった。猫さんと土筆さんの笑顔が暗い空に登
って行き、満天の星の光と同化するのを何ともいえない気持ちで見上げていた。その時
会場には「千の風になって」の歌が流れていた。お祭りの運営で参加していた高橋さん
の配慮だった。