瀬音の森日記 405


遭難の一報



2006. 9. 4


9月4日(月)午前11時ころ、長南さんから電話があった。猫ミュウさんの学校から
連絡があって、本人と連絡が取れないとのこと。確認の電話だったらしい。変だな、と
思いながら、先週末に一緒に飲んだと言っていた加藤さんに連絡する。猫ミュウさんの
携帯にも電話したが、呼び出し音がするだけで本人が出ない。すぐに加藤さんから連絡
があった。猫ミュウさんの携帯に電話し続けていたら、伊東警察の人が出たというのだ
。加藤さんの声が震えていた。伊東警察の人の話によると、海で男女二人の水死体が浮
かんでいて、現場近くに黄色いジムニーが止まっていたとのこと。黄色いジムニーと聞
いて、言葉を飲み込んだ。                           

車は伊東警察で保管しているようなのだが、海での遭難ということで管轄は海上保安庁
伊東マリンステーションになるとのこと。詳しい情報を確認するため加藤さんに引き続
き担当者との連絡を依頼し、私も直接連絡を取った。警察では携帯の記録を元に本人確
認を行っているようだった。そして警察から本人確認のために来て欲しいという要請が
あり、すぐに会社を出た。駅に着くか着かないかのうちに加藤さんから連絡があり、沼
津に住む猫ミュウさんのおじさんと連絡が着き、本人確認の為に来てもらえる事になっ
たと警察から連絡があったとのこと。私が行く必要は無くなったのだが、情報をまとめ
るためにそのまま神田に向かい、加藤さんと合流した。              

神田駅近くの喫茶店に加藤さん、ハミングウェイさん、野村さん、鵜住居さん、長南さ
んが集まり、お互いに持っている情報を交換した。そして、伊東警察からの連絡を待っ
ていた。6時頃、伊東マリンステーションのWさんから連絡があり、遭難遺体が土筆さ
んであること、猫ミュウさんの車、遺留品が本人のものであることをおじさんが確認し
たという連絡だった。わずかに残っていた誤報の望みも消えた。我々はどうしていいか
分からず、その場でお互いに顔を見合わせていた。何を言ったらいいのか分からなかっ
た。高波にさらわれたのではないかとの話だったが真相は何も分からない。     

取りあえず、出来ることは事故の一報を流すことだ。瀬音の森の主要メンバーにだけは
連絡して置かなければならない。そして、現地で確認することだ。明日の仕事をキャン
セルして私が明日伊東の現場に行くことにした。みんなといろいろ話してから、自宅に
戻り、主だった会員35名に同報メールを流した。内容は以下の通り。       


皆さん こんにちは 残念な悲しいお知らせです                 

 下記報道にあった事故の遺体が会員の高橋土筆さんであったことが高橋一政さんの 
叔父さんである○○氏により確認されました。尚、高橋一政さんと思われる遺体の捜 
索が続いています。詳しいことは確認されしだい続報いたします。         
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海に2遺体=女性収容、身元確認急ぐ−静岡・伊東沖               
 3日午前11時20分ごろ、静岡県伊東市の川奈崎沖南東約300メートルの海上で、  
「死体らしきものを見た」との通報が付近を航行中の船から下田海上保安部にあっ  
た。警備救難艇が現場に急行。正午ごろ、男女とみられる2遺体が漂流しているの  
を確認。女性を収容したが、他の1遺体は海中に沈んだ。             
 調べによると、女性は身長約150センチ、30代から40代ぐらいで目立った外傷   
はないという。                                
 現場付近にはクーラーボックスや釣りざおのケース、足ひれなども浮いていた。  
 海上保安部などは女性の身元や死因の特定を急いでいる。船から人が転落したな  
どの情報は入っていない。                           
(時事通信) - 9月3日23時0分更新                      
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