瀬音の森日記 392


2月の間伐教室



2006. 2. 18


2月18日(土)小菅の舩木山林にてヒノキの間伐を行う予定だったが、参加者が無く
間伐は中止にした。畑のヤマザクラの根切りも畑の土が凍っているためシャベルがまっ
たく使えず、こちらも中止にした。次回の3月18日に根切りが出来れば良いのだが、
こちらもその時になってみないと分からない。今日は間伐をしなかったので、前回玉切
りしておいた丸太をチェーンソーで玉切りした。割って薪にするのは明日の作業に残し
ておいて、時間がたくさんあったので、久しぶりに焚き火をしながら絵を描いてみた。
山小屋で焚き火にあたりながら絵を描くのも良いもので。なかなか良い絵が描けた。 

何かに取り憑かれたように絵を描いていた。山小屋は誰も来ないのでこういう時には集
中できて良い。山小屋、杉林、杉枝のコブ、石垣、丸太、薪・・・何でも手当たり次第
にスケッチする。使っているのは水鉛筆。この鉛筆は濡れるとくっきり線が浮き出る鉛
筆で、ログハウス作りの際にスクライバーで使用する鉛筆だ。これを使ってスケッチし
て、濡れた指やティッシュでこするとそこだけ濃く変わる。そんな絵の変化を楽しみな
がら焚き火の横で飽きることなく絵を描いていた。                

一人なので夕食はすいとんを作った。持ってきた野菜をたっぷり入れて、小麦粉で練っ
た種をちぎって鍋に入れて煮込む。お酒を飲みながら部屋の中でもスケッチブックを開
いて絵を描いていた。手を止めてふと時間が空くと、モヤモヤした気分が胸に入り込ん
でくる。こうして参加者が少なくなって、そのうちに自然解散のような状態になってし
まうのだろうか・・とか、この会を存続させる意味があるのだろうか・・とか、この山
小屋は誰も使わなくなったらどうなってしまうのだろうか・・とか。とにかく、山小屋
で一人というのは経験が無かったので時間を過ごすのに苦労した。         

翌朝、起きてすぐに焚き火をおこす。朝プシュは一人でもやる。夕べの残りのすいとん
を温めて食べる。焚き火の前でのんびりとした時間を過ごし、風景の変化や鳥の声を楽
しんでいた。日が昇って暖かくなったので薪割りをはじめる。昨日玉切りした丸太を次
々に割っていく。体がリズミカルに動く。「カン」という乾いた音が林に響く。額に汗
が流れるようになり、体が暖まってきた。丸太は次々に割られて山になっていく。1時
間ほどで薪割り終了。割った薪を薪小屋に積み上げる。ここまで終えて、本日の作業を
終了した。あとは焚き火でまったり暖まり、片付ければ終わりだ。         

自分たちで作った山小屋なのだから自分たちが使わなければダメになる。誰でも分かっ
ていることなのに、なかなか実行できない。誰かがやってくれるだろうという気持ちも
分かる。私もどこかにそんな気持ちを持っている。でも、本当は誰もがそう思っている
だけになってしまう可能性もある。やはり、意識して使おうとしなければ使うことは無
くなるのだと思う。                              

今年は何度山小屋に来られるだろうか・・・                   
片づけを終えて下山するときにはいつもそんな事を考える。