瀬音の森日記 390


源流部会 岩トレ



2006. 1. 21.22


1月21日(土)22日(日)の二日間、小菅の山小屋周辺にて、源流部会の岩登り基
礎トレーニングを行った。本来なら東吾野の岩場で行う予定だったのだが、朝から雪が
降るような天候のため岩場での訓練を断念し、小菅の山小屋での新年会と山小屋周辺で
の基礎訓練に変更された。参加者は各自夕方までに小菅の山小屋に集合ということにな
っていた。私は近所のJICKYさんと同乗し、小菅の山小屋を目指した。       

雪は朝から降っており、道路に積もってはいないものの屋根や畑はすでに真っ白になっ
ていた。新青梅街道を奥多摩に向かう車も少なく、スムーズに走った。奥多摩を越える
頃から雪が多くなり、道路にも雪が積もるようになっていた。カーブさえ気を付ければ
問題なく走れたので怖くは無かったが、明日も1日降るようだったら、帰りは大変な事
になるかもしれない。予報では雪は今日の夕方までで、明日は晴れるとなっていた。最
後の川に下る道は除雪もされてなく真っ白で、走っているのだか、滑っているのだか分
からないような不思議な走行感覚だったが、なんとか無事に河畔の駐車場に到着するこ
とが出来た。                                 

雪の中で身支度をして登山開始。山に登り初めてすぐに下の方でなにやら車のドアを閉
めるような音が聞こえたので、木の間越しに覗くと、鵜住居さんの車が到着したようだ
った。登り始めたばかりだったので、そのまま山を下って合流し挨拶を交わした。長南
さん、みきちゃん、鵜住居さんの3人がそこにいた。荷揚げする炭一箱を長南さんに託
し、私は一足先に山登り。山小屋に到着してデッキの雪を掃いているうちにみんなも登
ってきた。デッキにシートを張り、焚き火場で焚き火を始めた。あとは猫ミュウさんが
来るかも知れないということだった。                      

今日の食当はJICKYさん。自宅でつくねを作って来ており、つくね鍋の準備をしている
。私は先週の丸太をチェーンソーで玉切りした。雪の中に響き渡るチェーンソーのエン
ジン音はなんともけたたましいものだった。しかし、相変わらずエンジンの調子が悪く
、思うような作業が出来ずイライラした玉切りだった。来たのが遅かったのですぐに暗
くなり、玉切りを終わらせて炭を熾して山小屋の中に入った。中では長南さんがマトン
の串焼きを始め、JICKYさんがつくね鍋を作り始めた。焼き肉の煙が山小屋に充満し、
何も見えないくらい真っ白になってしまい、あわてて全部の窓を開けた。これじゃ、外
でやてるのと変わらない(苦笑)。                       

焼き上がったマトンの串焼きに韓国産の唐辛子とクミンの粉末を振りかけて食べる。何
ともエスニックな味わいでじつに美味い。つくねは柔らかくて良いダシが出てこれまた
じつに美味い。そのうちに鯖を焼いたり、丸干しを焼いたりと日本酒向けのつまみが続
き、西木村から差し入れてもらった日本酒1升瓶はどんどん少なくなっていった。真っ
暗になった外に出てみると雪はやんでいた。そして、すっかり酔いも回った7時過ぎだ
った。ガタガタという音とともに猫ミュウさんがニュウっと現れた。来るとは聞いてい
たが、こんな時間になるとは驚いた。あの雪道をあの車で峠を越えてやってきたのだ。
それから再び座がにぎやかになり、お酒が回された。なんだかんだで寝たのは11時こ
ろだったように思う。最後の記憶は定かでない。                 

翌朝起きたのはすっかり日が昇ってからだった。皆はすでに焚き火を囲んで朝プシュを
していたので、私も遅ればせながらその輪に加わる。朝日が雪に反射してまぶしい。木
枝から粉雪が滝のように落ちてきて頭に降り注ぐ。ヒノキ林の中のあちこちで白い粉雪
が流れ落ちている。それが朝日に反射してキラキラと輝いている。爽やかで奇麗な朝の
光景だった。朝食は昨夜の鍋にうどんを加えて煮たもの。唐辛子を振って食べるとじつ
に美味い。気持ちいい朝食だった。                       

朝食後焚き火を囲んでひと休みした後で、長南さんから声がかかり、各自ハーネスを装
着し岩登りの基礎講習に入った。ザイルの結び方から始まった講習は、山小屋近くの斜
面に場所を移し、セカンドでの確保の仕方、支点の取り方、懸垂下降の実際などの練習
をした。私は初めての経験だったので、見よう見まねで何度も繰り返しながら、一つ一
つを覚えようと必死だった。懸垂下降は斜度が足りず長南さんは「う〜〜ん、やはり緊
張感が足りないので、もう一度岩場でやりましょう」などと怖いことを言っていた。 

講習を始めた頃は真っ白に積もっていた雪も昼に終わる頃にはすっかり溶けていた。こ
の分なら帰りも問題は無さそうだ。山小屋に戻り、後かずけと掃除をして、空き瓶をザ
ックに詰めてチェーンソーを担ぐ。戸締まりをして下山する。雪の残る山道を滑らない
ようにゆっくりと下る。長南さんとJICKYさんはまるで獣かなにかのようにあっという
間に視界から消えていった。雪景色を見ながら山を降りるなんてめったに無いことなん
だから、もっと楽しめばいいのに・・・それにしても速い。            

雪山気分を楽しんで・・・あとはまた明日から。