瀬音の森日記 348


11月の小菅間伐教室



2004. 11. 27/28


11月27日(土)28日(日)の二日間、小菅の間伐教室が開催されました。参加者
は渡部さん、ハミングウェイさん、加藤さん、長南さん、猫ミュウさん、中国からの留
学生の王さん、同じく金さん、そしてkurooの8人でした。11月末だというのに寒く
ない日が続いていて、山仕事の季節ではあるものの、何だか調子が狂うような暖かさだ
った。笑顔の素敵な留学生二人にも荷物を担いでもらい、いつものように山登りをする
。久しぶりの小菅の山道は足にぐっと張りを持たせてくれて、久しぶりだった事を実感
させてくれた。                                
       
山小屋は変わりなく無事だった。水場が壊れていたのを修理し、ひと休みしてから間伐
に入った。今回はオブザーバーとして猫ミュウさんの学校の中国人留学生が二人参加し
た。二人とも日本語が達者なのでコミュニケーションは問題ない。作業の指示も日本語
で大丈夫だった。間伐の意味を解説しながら、二人にも手伝ってもらいながら作業を進
めた。今回は小屋下の細いスギやヒノキを間伐し、林床に光を入れる事を念頭に置いて
作業をした。                                 

モンゴル系の王さんはこういった森林を見ることが無かったとのことで、とても興味深
い様子だった。確かにモンゴルの草原地帯で育っていたら、このような鬱蒼とした森は
無いだろうし、ましてや混みすぎた木を抜き切りする間伐などという作業に無縁だろう
。この機会に珍しい経験を堪能してもらいたいものだ。薪割りなどは朝鮮族系の金さん
の方が筋がいい。血筋とかDNAによるものもあるのだろうか。金さんの方が緻密で丁寧
な作業をするようだ。こちらも外国人とこういう作業を行う事は珍しいので、会話も弾
む。空いた時間に長南さんがロープワークを教える。こちらはモンゴル系の王さんの方
が興味深く取り組んでいたようだった。                     

昼食時間もそこそこに金さんの薪割りが始まった。なんだか薪割りにはまってしまった
ようだ。よくあることだが、薪割りはストレス解消に最高なので、日頃都会で生活して
いてストレスを抱えている人ほど夢中になるようだ。夢中になって薪を割っている、そ
んな金さんの姿を見ていた王さんもまた薪割りをはじめた。間伐した木を玉切りして山
小屋前に運び、それをどんどん割る。薪の山が出来て、ストックスペースにどんどん積
まれていった。二人のお陰で当分薪に困らないようだ。              

山小屋の電気も直り、夕方になっても不安はない。夕方の寒気は焚き火で暖を取った。
渡部さんが得意のカルボナーラを作ってくれた。これがじつに美味しかった。こんな場
所でどうやったらこんなに美味しく作れるのか・・・不思議だ。暗くなったので山小屋
に入り宴会モードに突入。鍋料理を囲んでみんなでワイワイ語り合う。中心は二人の留
学生。様々な話題が時に熱く、時に楽しく語られる。炭火を真ん中にしての会話は盛り
上がり、そして歌が出る。金さんが故郷の歌を歌ってくれた。哀切なメロディが山小屋
に流れ、言葉は分からないものの、その歌声に共感する参加者の顔が赤かった。金さん
の歌は素晴らしかった。                            

山小屋の一夜がよい思い出になっただろうか・・・あとはまた明日から。