瀬音の森日記 317


12月秩父の間伐教室



2003. 12. 20/21


12月20日(土)21日(日)の二日間、秩父で間伐教室を開催した。年内最後のイ
ベントとなった秩父の間伐は正丸オートキャンプ場で行われた。とても寒い日で、朝か
ら風が強く、じっとしていると凍えてしまうような1日だった。参加者はハミングウェ
イさん、渡部さん、関根さん、JICKYさん、ユーリさん、しゃあさん、フクロウさん、
nyankoさん、加藤さん、kuroo、そしてオブザーバーとして森林インストラクターの吉
田さんと奥さんに参加して頂いた。                       

渡部さんが運んできた豊富な板端材で焚き火を熾し、暖を取った。とにかく寒い朝でじ
っとしていると芯から冷えてしまうようだった。三々五々参加者が集まったところで、
夕飯のきりたんぽを作るための杉棒作りをした。杉丸太を割り赤い心材の部分で四角い
棒を削り出す作業で、関根さんが持ってきたサンプルのように仕上げる。全員でやって
、あっという間に20本くらいの棒が出来上がった。これを使って作るきりたんぽの夕
飯が楽しみだ。                                

準備体操をして杉林の間伐に向かう。尾根に近い部分で前回の続きの間伐をはじめた。
ラダー(1本梯子)をかけてロープを杉にかけ、チェーンソーで切ると同時にロープを
引き、決めた方向に倒す。これを繰り返し、細い木、曲がった木、先端が折れた木など
を次々に倒していった。私と吉田さんは自然に倒れて斜面に対して縦に転がっている杉
を横に直して作業道を確保する作業をしていた。これはとても体力を使う作業で、たい
そう疲れてしまった。風も強く、背の高いスギが揺れるので間伐は狙った方向に倒すの
が大変そうだった。何度かチェーンソーが噛んでしまい、みんなで助ける場面があった
。やはり、強風の日は作業が難しくなる。                    

昼食は焚き火の周りで暖を取りながら食べた。杉田さんの好意で餅つきをして、つきた
ての餅を食べることができたのが嬉しかった。つきたての餅は軟らかく、あんこや大根
おろしで食べると本当に美味しかった。久しぶりに餅つきの合いの手をやったが、けっ
こう出来るものだ。体で覚えたタイミングは忘れることは無いものだなあと、32年ぶ
りの餅つきに感慨深いものがあった。                      

午後も杉林の間伐をした。風が強くなり尾根での作業は危険と判断し、風が影になる南
側斜面に移動して作業をした。急斜面に杉を横倒しにして歩道を作る。こうすることで
歩きやすくなるし、土砂も川に流れなくなるし、土留めの役割を果たす。作業が進むに
つれて急斜面に歩道が整備されていく。午後からフクロウさん、naynkoさん、しゃあさ
んが加わり、作業が順調に進んだ。3時半を過ぎ、寒さが急に厳しくなり、風も強くな
ったので作業を終了し、道具を持って下山した。杉田さんが作っているログハウスの作
業を見学し、冷えた体を暖めるために「武甲温泉」に向かった。本当に寒かったので温
泉に入るまでは死んだような状態だったが、温泉で温まったら生き返った。冬の作業に
温泉は必要だと実感した次第。                         

温泉から帰ったら楽しみにしていた夕飯だ。ハミングウェイさんが1年に1回作ってく
れる「ハミさんのビーフシチュー」が出来上がった。2日間煮込んだ本格的なシチュー
で、これはもう言葉に出来ない絶品の旨さ。全員大満足だった。関根さんが持ってきて
くれた野菜を刻んで鍋を作る。これは私の担当。関根さんはご飯をすりこぎで半殺しに
してきりたんぽを作ってくれた。これを炭火で炙ってお汁と一緒に食べるのだ。いろり
では杉田さんが捌いた鹿肉のロースが焼かれて良い香りをあげている。赤ワインが開け
られ、いろりの周りをぐるりと回り、あっという間に無くなる。何とも豪華な夕食に、
初参加の吉田さんも大満足だった。                       

午後帰った渡部さんは新宿で忘年会をやって、明日朝またここに帰ってくるとのこと。
置いてある渡部さんの荷物を見ながら「すごい人だなあ・・」と思っていた。そういう
私も明日の朝帰って午後には恵比寿で忘年会に出なければならない。この時期はみんな
それぞれ忙しいのだ。関根さんの特製味噌で作ったきりたんぽ鍋を食べ、満腹になった
お腹にウイスキーがとどめを刺し、そのまま朝までぐっすり寝てしまった。     

朝、焚き火の音がして目が覚めた。しゃあさん、JICKYさん、フクロウさんが焚き火を
していた。朝プシュをして仲間に加わる。ゆうべの雪が真っ白に積もっている。車が来
て、降りてきたのは加藤さんだった。ちょうど朝食の時間で、一緒に食べる。ハミさん
のビーフシチューに加藤さんも大満足だった。また車が来て、今度は渡部さんが降りて
きた。大量の板端材が入った大きな袋を何個も車から投げ降ろす。これで焚き火が勢い
を増し、フクロウさんが大喜び。焚き火の横で記念写真を撮り、私は後かたづけに入っ
た。みんなより先に帰るのは後ろ髪を引かれる思いだが、午後には恵比寿に行かなけれ
ばならないので仕方ない。                           

年の瀬は、山にいても気ぜわしい・・・あとはまた明日から。