瀬音の森日記 283


トイレの基礎工事



2003. 3. 29.30


3月29(土)30(日)の二日間、小菅の山小屋でトイレの基礎工事をした。参加者
はハミングウェイさん、あきおさん、渡部さん、野村さん、猫ミュウさん、kurooの6
人だった。公式行事では無かったのだが、山小屋横の登山道整備の話があり、どうなっ
ているのか見たかったのと、工事を請け負っている会社から現場を確認してもらえない
か、との連絡があったため確認をしに行くという事情もあった。          

工事を請け負っているのは山梨の原島林業。小菅村から委託された事業で、登山道を下
からモロクボ平(瀬音の森小菅)まで幅1メートルに拡幅する工事だそうで、3月20
日に連絡があった。その後、舩木さんのお父さんの葬儀で伺った際に舩木さんに聞いた
ところ「そんな話は聞いていない」という事が分かり、急遽確認する必要が出てきた事
もあった。間伐を任されている関係で、間伐地に関係する事は我々が確認しておかなけ
ればならないのだ。                              

到着が早かったので畑の枯れ草を集めて燃やし、草木灰を作って撒いていた。そのうち
にハミングウェイさんとあきおさんが到着。3人で身支度をして山小屋に登った。登山
道は下の杉林から立派に出来上がっていた。谷側に枯れた間伐材を杭で止めて土留めに
し、幅1メートルの石もなくとても歩きやすい快適な登山道が出来上がっていた。正直
なところこれほど立派な登山道になっているとは思っていなかったので本当に驚いた。

快適な山道を登り、山小屋の下に来た。なんと、逆さになった巨大なコナラの掛かり木
が撤去されていたのに驚いた。我々がどうしようかと悩んでいたいつ倒れるか分からな
い危険な掛かり木が玉切りされて道の横に積み上げられていた。いままで太い枝の下を
首をすくめて通り抜けていたのが嘘のようだ。じつに有り難いことだ。山小屋周辺の急
斜面のつづら折りの道も巧みに間伐材を土留めに利用して道幅が広げてあった。作業も
しやすくなるのでじつに助かる。こういう事業に税金を使うのは全面的に大賛成で、出
来れば日本中でやってもらいたいものだ。                    

立派な登山道の横に立派なトイレを作ろうと、我々も作業を始めた。今日の作業はトイ
レ設置場所の基礎工事だ。前まで積んであった石垣が狭すぎるのを取り壊し、山側を削
ってスペースを広げる一方、谷側には間伐材を使って土留めを作り大きな平地を作るこ
とが第一歩だった。渡部さんとハミングウェイさんが担当し、私とあきおさんは柱の加
工を行った。チェーンソーで溝を切り込み、ほぞ幅に合わせて溝をノミで作るのだ。午
前中は半分も終わらなかった。                         

午後も基礎工事の作業と柱加工を行った。午後から猫ミュウさんと野村さんが加わり、
基礎工事を手伝ってくれた。人数が多いと作業がはかどる。小石を大量に運び、削って
平らにした場所に播き、カケヤや突き堅め用の丸太で平らに突き堅めた。こうしておけ
ば多少の雨にも崩れたり削れたりすることはない。猫ミュウさんがコンクリート流し込
み用の型枠を作ってくれた。明日これにコンクリートを流し込めば基礎工事は完了だ。

作業が一段落したので、下の道から切り倒されたコナラを運び、チェンソーで切り刻ん
だ。コンポストトイレ用のコンポスト(混合剤)を作る為におが屑が必要で、それを作
っていた。ヒノキは抗菌性が強く、分解しにくいのでコナラの木のおが屑を作り、それ
に落ち葉や腐葉土を混ぜてポリペールに詰めて保管しておく。これを用便の上に架けて
一緒に分解しようというものだ。実際に使用する際にはもう少し土壌などを混合させて
分解が促進されるよう作り直す予定だ。                     

猫ミュウさんと野村さんが帰り、ハミさん、渡部さん、あきおさんは温泉に行った。私
は混合剤を作り終えてから焚き火の前で一人でゆったりと缶ビールを飲んでいた。夕食
の準備などをしながら焚き火を見ているのは楽しい時間だった。今夜の夕食は鶏鍋とつ
まみがいろいろ、明日の朝は焼きそばをする予定だ。そんなこんなで準備をしているう
ちに温泉組が帰ってきた。電気も点くし、それほど寒くもない。少人数で静かに話が弾
みながら夜が更けていった。                          

翌朝、渡部さんが作ってくれた焼きそばを食べ、ひと休みしてから作業に入った。基礎
工事は最も神経を使うコンクリート打ちを行った。セメント1:砂2をプラ舟に入れて
手で念入りに混ぜ合わせる。ここが丁寧に出来ていないとボソボソしたコンクリートに
なってしまうので念入りに渡部さんと二人で混ぜた。次は砂利4を入れ、同じように空
練りをする。コンクリートはこの砂利の分量しか出来ないので、この時に使える総量が
分かる。念入りに空練りしたら中央に水を入れる。ここからはさすがに手では練れない
のでスコップや鍬を使う。少しずつ水を加えながらソフトクリームの堅さくらいになる
まで練り込んだ。                               

いやはや、腰に持病を持つ三人が交代で練ったのだが、腰に負担のかかること・・・・
ゼイゼイ言いながら練った。慎重に測って位置決めした型枠の中に鉄筋代わりに鉄の杭
を打ち込む。一つの枠に3本の鉄杭が打ち込まれ、その杭を隠すようにコンクリートを
スコップで流し込む。均等にならしながら、針金で空気を抜くように突きながら、平均
にコンクリートを流し込んだ。全てを入れ終わって、ハミさんが手製のコテで上面を平
らにならして作業は終わった。4つの型枠にトタンの覆いをして養生も完成。あとは2
週間後、この上に柱を立てるだけだ。                      

基礎工事が終わった・・・あとはまた明日から。