瀬音の森日記 257


豆焼沢に新しい橋を架けた



2002. 10. 5


10月5日(土)台風で流された橋を新しく架け替る作業をした。参加者はkazuyaさ
ん、安谷 修さん、kurooの3人だった。作業は演習林のヒノキ林からヒノキを伐採し
て、下の河原まで引きずりおろし、頑丈な橋を架け、ワイヤーで流されないように固定
するというもので、相当な力仕事なので3人でどこまでやれるか心配だった。    

まず、演習林の林に入りkazuyaさんが選木する。将来優良材にならず、他の木に悪影
響を与えている木を選ぶ。木が決まると急斜面を登り、私のチェーンソーで受け口を切
り、追い口を切って太いヒノキを倒した。倒す方向は狭い空間が開いている1箇所しか
なかったのだが、kazuyaさんの腕は完璧だった。ヒノキは掛かり木にならず、そのまま
ドオゥ!と倒れてくれた。                           

急斜面で枝払いをし、6メートル2本に玉切りする。玉切りされたヒノキは急斜面を滑
り落ち道路の端で止まった。これと、以前間伐した杉の間伐材(枯れている)1本を加
え橋の材料にすることにした。切り倒したヒノキの元玉にロープをかけてkazuyaさんと
引きずる。二人で力を合わせて引くのだが、あまりの重さについ休みながらの牽引とな
る。体中から汗が噴き出し、ロープはコンクリート道路の上で擦り削られてみるみる細
くなっていく。ヘリポートまで引きずっただけでロープは半分以上が擦り切れていた。

何とか坂まで引くと、今度は急坂をころげ落ちるような速さがまるで御柱祭りのような
有り様で、重い丸太に振り回されることもしばしば。重い丸太に勢いが付くととんでも
なく危険だということがひしひしと分かった。何とかふたりで下まで引きずり、堰堤か
ら投げ下ろしたらグッタリ疲れてしまった。震える膝で梯子を下り、川の水に浸かって
いる丸太を橋架け位置まで引きずって、やっと1本が終わった。          

先に荷物を運んでくれた安谷さんが杉の丸太を引きずり下ろしてきた。それと入れ違い
になるように急斜面を登り最後の1本を引く。これは先ほどの元玉にくらべたら3分の
1あるかないかという重さだったので作業は楽だったが、今度は余りのスピードに膝が
言うことを聞かなくなってしまい「ごめん!kazuyaさん、膝が動かない!」とリタイア
してしまった。その丸太は結局kazuyaさん一人に任せてしまった。         

河原に3本の丸太が並んだ。次の作業は橋を架ける橋頭堡作りだ。増水した豆焼沢を何
とか長靴で渡り、橋を架ける予定の場所に大石をまとめる。3人で力を合わせて百キロ
以上もある大石を川の中で転がす。手や足を挟んだら大怪我になるので慎重に転がす。
何とか丸太を乗せられる大きさの橋頭堡が確保出来た。反対側には大石があるので、そ
のまま橋頭堡とすることにし、丸太を渡す作業に入る。              

kazuyaさんと安谷さんが引きずってきた丸太を川のこちらで私が受け取り、橋頭堡の上
に据え付ける。2本目までは簡単だった。3本目の丸太は例の重い奴。川に立ち込んで
腕を力一杯伸ばして丸太を受け取り、ここを先途と必死に運ぶ。なんたって、引きずる
のですら重い丸太を持ち上げるのだから大変だ。橋頭堡に据え付けた時には本当に力が
抜けていくようだった。午前中の作業はここまでが限度だった。          

昼食は河原でラーメンを作って食べた。汗をかいて作業をしている間は暑かったのだが
こうして体を止めていると河原を渡る風が冷たいことに気が付く。山はすっかり秋にな
りつつあるのだ。プラスチックのシェルターから出ているカツラの葉も黄色く黄葉しは
じめている。見上げるオオモミジの先が鮮やかに赤く色づいている。        

午後は丸太をカスガイで止め、歩きやすくするために半割の横棒を歩幅の間隔で釘打ち
した。平らになるように丸太を削ってから釘で打つのでとても歩きやすい橋になった。
そしてその出来上がった橋の端をワイヤーで巻き止め、そのワイヤーの先端を近くのリ
ョウブの根元に巻き付けた。根元に当て木をしてリョウブが傷つかないように配慮する
kazuyaさんの作業はなるほどと頷くものだった。                

台風で流されても、このワイヤーで橋を守れる。何度でも付け替えられる橋になった訳
だ。ワサビ沢方面にも小さい橋を架けて作業は終わった。これで10月のイベント時に
参加者全員が植栽実験地に渡ることが出来る。良かった良かった。         

秋の気配を濃くする奥秩父・・・あとはまた明日から。