瀬音の森日記 181


渓畔林植樹イベント1日目



2001. 4. 14


4月14日(土)瀬音の森春のイベント渓畔林植樹の日だ。集合場所の西武秩父駅前
のロータリーには三々五々会員が集まってくる。電車で来る人を待って、影森の演習
林苗畑に向かう。苗畑ではすでに大勢の会員が集合していた。名札と「渓畔林植樹の
手引き」を渡し、畑仕事の準備をしてもらう。                 

参加者は安谷さん、藪の高橋さん、NAKANOさん、はっかんさん、佐々木さん、関根
さん、JICKYさん、加藤さん、稲垣さん、岡島さん、澤田さん、ハミングウェイさん
わたるさん、猫ミュウさん、渡辺さん、謙太郎君、裕次郎君、英理香ちゃん、高橋さ
ん、しゃあさん、渡部さん、テールウオークさん、岸良さん、中川さん、小早川さん
ご一家、井上さんご夫妻、尾崎さん、志村さん、長南さん、加々島さん、白倉さん、
羽原さん、笹木さん、kazuyaさん、演習林の澤田さんご夫妻、kurooの42人だった
。明日には坂本さん、前川さん、横澤さん、深町さんの4人が加わることになってい
る。                                    

全員集合した時点でkazuyaさんから本日の作業指示が出る。掘り取りと植え替え、苗
の選別と束ねる作業を行う。植裁場所別に色違いのテープを取り付けるなどの指示が
細かく出された。すぐにグループ別に作業を開始する。力のある若い人に掘り取りの
作業を担当してもらう。                           

スコップで苗の横根を切って掘り出す。横の人が苗をまとめて数える。20本を束ね
て日影に運ぶ。井戸の水を苗にかける。一方、植え替えも同時に進む。これは、根の
成長を止め、大きくなりすぎないようにするために行うもので、来年の補植用になっ
ている。道をはさんで反対側の畑に畝を切り、30センチ間隔で3列の穴を掘る。こ
こにケヤキ・シオジの余った苗を植え替える。                 

人数が多いので、作業は見る見るうちに進む。予定よりもだいぶ早い時間に終了して
しまった。演習林技官の澤田さんがブナの専門家なので、この時間を利用してブナの
解説をしてもらうことにした。この演習林苗畑には全国のブナが植えられて育てられ
ている。澤田技官にブナの種類の違い、産地による変異、開葉時期の違い、葉の大き
さの違いなどを解説してもらう。じつに興味深い話が続いた。          

畑で集合写真を撮り昼食にする。三々五々日影を求めてお弁当を食べる。あちこちで
釣りの話や、山の話が盛り上がっている。日射しが春と言うより夏のように強く、ト
ラックの荷台に積んだ苗が乾かないだろうかと気になってくる。         

昼食後、各自の車で植裁場所近くの「出会いの丘」に向かう。ちょうどサクラやレン
ギョウが咲いていて目を楽しませてくれた。秩父路はV字谷の底を縫うように走って
いて、見上げる山々の景色が春を感じさせてくれる。新緑前の芽吹きの季節で、ちょ
うど綿帽子をかぶっているようなモヤモヤした風情を漂わせている。あまり天気が良
いので眠くなってしまった。                         

出会いの丘で各自身支度をして、思い思いの方法で苗を担ぐ。手に手に唐鍬を持って
ワサビ沢の堰堤横の急斜面を底に向かって下る。最下部の堰堤は先週作っておいたハ
シゴを利用して越える。小さな沢を渡り、本流に掛けた丸太の橋を渡れば目的地の豆
焼き沢堰堤上の台地である。次々に到着する参加者はすぐに苗を下ろして川の水に浸
けておく。とにかく苗を乾かさないようにしなければならないのだ。       

全員集合してkazuyaさんから植樹の方法を聞く。植える場所、本数、間隔がきちんと
決められているので、皆真剣だ。そして、手に手に唐鍬を持って作業開始。石と砂利
の河原に向かっていった。この石だらけの河原を掘ることの大変さ、唐鍬は振り下ろ
すたびに火花を散らし、力任せにやっても進まない。1個1個石を取り除くようにし
ないと穴が掘れない。一抱えもあるような大きな石を掘り起こすと体力をかなり消耗
する。そして、掘った穴に山から客土を運んで入れる。石と砂利だけでは活着が難し
いので栄養のある土を下に敷いてやるのだ。この客土運びも重労働で大変だった。 

植樹作業が終わったのは4時だった。その場で全員の集合写真を撮る。ちょっと疲れ
たけどみんないい顔をしている。手応えある充実感だ。さて、こんどは100メート
ルの直登だ。出会いの丘まで登らなければならない。額の汗を拭いながら一歩一歩急
斜面を登ること20分、やっと駐車場に着いた。ここで前川さんが合流した。   

宿舎に帰ると、食事当番の渡部さんとテールウオークさんが大忙し。なにせ40人分
のカレーと豚汁とご飯を作らなければならないのだ。これを手伝う人、布団を敷く人
、お風呂の準備をする人とみんな動き回る。私は調理援助で材料刻みを担当した。に
んじん、しいたけ、油揚げ、ネギを機械のように切り刻む。他にも長南さんや加々島
さんが鮮やかな包丁さばきで手伝ってくれた。感謝感謝             

調理作業が一段落したところで安谷さんの夜学「秩父イワナ解説」が始まった。安谷
さん自作のCD使った秩父イワナの解説は丁寧で、初心者にも良く分かる内容だったと
思う。そして夕食。大盛りのカレーと豚汁。テーブルには所狭しと缶ビールが並ぶ。
全員が揃ったところで「乾杯!」楽しい宴会が始まった。            

充実した一日の終わりはビールとお酒とワイン・・・あとはまた明日から。