瀬音の森日記 148


西木村植樹祭に参加する



2000. 10. 8


10月7日、午後10時、東久留米の滝山団地入り口でバスを待っていた。今日これか
ら秋田の西木村へ植樹祭参加のために出かけるところなのだ。ここで積み込むのはヘル
メット2ケース、ナタとノコ二丁差しの入った重い段ボール一箱、と自分の荷物。バス
が来た。わたるさんの家族としゃあさんが乗っている。さっそく荷物を積み込み、バス
に乗り込む。ミニ観光バスという感じの立派なバスである。バスは青梅街道を、参加者
が待っている池袋を目指して走る。                       

池袋の丸井前に予定より30分早く到着。ハミングウェイさんが待っていた。他の人は
まだ来ていない。しばらく待つうちに参加者が集まってきた。岡田さん、三井さん、三
浦さん、染谷さん、関本さん、JICKYさん、最後に猫ミュウさん。全員揃ってバスに乗
車し、一路秋田を目指す。車内は異様な盛り上がりをしていて、まるでどこかの会社の
社員旅行のような有り様だった。缶ビールが回り、チューハイが回り、おつまみが車内
を回る。明日のことが心配になるくらい、皆ハイテンションだった。        

10月8日、朝6時、東北道盛岡インターを出て46号線に入る。外の気温は6度と寒
い。途中のコンビニで休憩し、朝食の調達をする。どうやら、昨夜は皆寝られなかった
らしい。今日の作業は大丈夫だろうか・・と少し不安になる。           

迎えに来てもらう事になっている高橋さんの家に電話する。家の人が「今田んぼに行っ
てる・・」とのこと。予定よりも早く到着してしまったので、迎えに来てもらうのが早
くなってしまって申し訳ない事になった。待ち合わせ場所は県境のトンネルを越えたと
ころにある「峠の茶屋」だ。我々はここでしばらく待つことになった。       

高橋さんがやってきた。久しぶりに会うので挨拶にも力が入る。高橋さんは瀬音の森が
西木村と森作りについての話し合いを始めた当初、林業係長をしていて、新宿で会議を
したときの司会をしていた人だ。それ以来のおつき合いとなる。ブナの森体験塾の時に
紙風船作りを指導してもらったのも高橋さんだった。               

車は田沢湖周遊道路に入り、日本一深い湖の湖畔を走る。辰子姫の金色の像を横に見て
かたまえ山森林公園に入る。田沢湖展望台の横に管理棟があり、そこが今回のイベント
の拠点となる。我々はそこに荷物を置き休憩する。岩手から来るメンバーとの集合時間
までまだ2時間もあるのだ。高橋さんは一旦家に帰り、運転手さんは別に予約した宿に
向かった。                                  

10時、岩手のメンバーがやってきた。久しぶりに合う顔が並ぶ。藪澤賢治さん、ひら
り〜さん、家鴨さん、PONTAさん。秋田からただ一人参加の今井さんもやってきた。 
全員着替えて森林ボランティア作業の会場に向かう。頭にはオレンジ色のヘルメット、
胸に名札、腰にはナタとノコの二丁差し、手には革手袋のフル装備だ。       

作業場所は管理棟から400メートルくらい離れた反対側斜面の杉林だ。皆ピクニック
気分で歩いているのが、なんだか楽しい。結構急な斜面にあるスギは20年生で生長は
あまり良くない。このスギ林のツル切りと枝打ちが我々の作業である。他には横の斜面
に植えてあるヤマザクラのツル切りもお願いされた。足の達者なJICKYさんと岩手4人
衆がヤマザクラのツル切りに向かう。                      

他の全員で杉林に入る。ナタでクズを切り払いながら杉林に入る。太いクズが巻き付い
ているのを切り払い、ズルズルと引きずり落とす。手の届く範囲の枝をノコギリで切り
落とす。初めてこの作業をする人も多く、ワイワイ、きゃーきゃー言いながらの作業に
なった。次から次へとスギの枝打ちをしていると額から汗が噴き出してくる。    

高橋さんの指導でハミングウェイさんがチェーンソーを使ってスギを切り倒した。なか
なかの迫力だった。次は女性の三浦さんが手引きノコでスギを切り倒した。こちらもな
かなかの迫力だった。作業は2時間ほどで終了し、丘の上の展望台で休憩する。田沢湖
を望む素晴らしい景色をバックに記念の集合写真を撮る。             

しばらく休んで丘を下り、宿に戻る。コテージに荷物を移して昼食。展望台の広場にブ
ルーシートを敷いて、その上に村の人が作ってくれた栗ごはんと豚汁を並べる。全員が
車座になっての野外での昼食。焼きシイタケや秋田のお漬け物が出てくる。シイタケを
焼いていたのが草階さん。昨年の「ブナの森体験塾」の引率をしていた人で、久しぶり
の再会となった。草階さんの焼いてくれたシイタケはじつに美味しかった。     

西木村の窓口になっている門脇さんはにぎやかに動き回り、あれこれと世話をしてくれ
る。午後の植樹祭の準備で忙しそうだ。昼食時に飲んだ1本の缶ビールが効いて、横に
なる人が出てきた。昨夜寝られなかった影響がここで出てくる。私も寝たかったが、や
る事が沢山あってそういう訳にはいかなかった。                 

以下、その2に続く。