瀬音の森日記 129


樹木マップ作りの準備



2000. 5. 14


5月14日(日)今日は小菅の森で樹木マップ作りの日。集合時間の5時には水の館駐
車場にkazuyaさん、わたるさん、BAJAさん、加藤さん、野村さんが集まっていた。す
ぐに舩木山荘に移動する。山荘前にテールウオークさんが待っていた。支度しているう
ちにしゃあさんがやってきた。全員身支度をして山を登る。            

加藤さんが先頭で登る。杖をつきながら登るが、以外と速いので全員汗をかきながらつ
いていく。40分くらいで森に着いた。先週と緑の濃さがまったく違うことに驚く。た
った1週間でこれほど景色が違って見えるとは・・・               
荷物を下ろし一休みしているところに猫ミュウさんがやってきた。一服後、測量班と同
定班に分かれて作業を開始する。同定班はしゃあさん、猫ミュウさんと私の3人。終わ
りそうもないのでちょっと心配。                        

東の端から同定作業を開始する。前日の雨で樹皮が濡れているためか、ガムテープが付
きにくい。特にアオハダやカエデ類が濡れやすいようだ。樹皮がガサガサしている木は
木肌が濡れにくくなっているようだ。しゃあさんがツツジを発見。やはり、こちらの斜
面にあるようだ。稲垣さんが遅れてやってきた。相変わらずの「うぃ〜っす!」という
頼もしい挨拶。                                

測量班はkazuyaさんのかけ声とともに森の中を走り回る。杭を作る人は延々と木を切っ
て削っている。なかなか忙しそう。こちらは黙々と1本1本の木に名前を付けていく。
名前の分からない木の葉を持ってkazuyaさんのところに走る。聞いた名前を3人で確認
しながら作業を進める。同定作業は心配していたように、なかなか進まない。東の斜面
にツツジの群落があった。ツツジガ丘は本当にそこにあった。ミツバツツジの明るい紫
とヤマツツジの赤い花が咲いていた。                      

9時半休憩。測量班から「エリアが広すぎて、縮小しないと終わりそうもない。」とい
う事と、「同定作業は測量エリアの中をやって欲しい。」という意見が出た。もっとも
な事なので、方針変更。休憩後は測量エリアの中の樹木を同定する。当初考えていたの
は261プロットあったのだが、検討した結果96プロットに縮小した。休憩後はテー
ルウオークさんが同定班に加わってくれた。測量班はプロットの測量続行と杭にテープ
を張る作業をしている。                            

昼休みは全員で基準木のアカマツ周辺に集まって食べる。思い思いの昼食。バーナーを
出してお湯を沸かしてラーメンを作る人。手作りのお弁当を食べる人。コンビニのおに
ぎりを食べる人。朝が早いので、この時間にはすっかりおなかがすいてしまう。しゃあ
さんはお約束の缶ビールを飲む。ちょっぴりうらやましい。            

そのうちに、だんだん空が暗くなって来て、ポツリポツリと雨が降ってきた。遠くで雷
が鳴っている。雨足が強くなり全員合羽に手が伸びる。野村さんと加藤さんは合羽を持
参していなかったので、グランドシートをターフ変わりにして雨宿り。しばらくして雨
は上がった。晴れ間が出てきたが森の中は林内雨が激しい。木の葉から落ちるしずくが
雨のようだ。                                 

合羽を着たまま作業をする。マジックが雨に濡れると付かないので、タオルでガムテー
プを拭きながら濡れないように作業する。しばらく晴れていたのだが、また暗くなって
きた。イヤな予感は当たるもので、今度は激しい雨の本降りになった。       
「なんだ、この雨!イテテ!!雹だよ、これ!!」                
作業を中断してアカマツのところに戻る。全員が揃っていて、じっと雨が通り過ぎるの
を待っていた。野村さんと加藤さんはグランドシートのターフの下でじっとしている。
山の天気は変わりやすい。雨具はどんなに良い天気でも持参したいものだ、と実感。 

雨上がりのもやと差し込む日差しが荘厳な雰囲気を醸し出した。この場でなければ見ら
れない景色だ。激しい林内雨の中で、その後は順調に3時まで作業をして、この日は終
わった。同定作業の方が10プロットほど終わらなかったが、これは後日単独でも出来
る事なので、今日はここまでで終わりにした。                  

本日同定した新しい樹木はマルバウツギ、ツクバネウツギ、ツクバネ、ツリバナ、タカ
ノツメ、アズキナシ、ウラジロノキ、コアジサイ、アワブキ、カマツカ、ミツバツツジ
、ヤマツツジなど。小菅の森の樹木が見えてきたような気がする。         

帰り道、あれほどの雨にもかかわらず、道がまったくぬかるんでいないのに驚いた。今
さらながら森林土の透水性に感心する。作業するにはイヤな雨だが、樹木にとっては恵
みの雨なのだ。来週には一層緑の葉を大きく生長させている事だろう。       

雨上がりの景色はまるで映画のよう・・・あとはまた明日から。