瀬音の森日記 111


西木村市民参加林業意見交換会



2000. 2. 19


2月19日(土)恵比寿の恵比寿会館で西木村市民参加林業意見交換会が開催された。
秋田の西木村から村長以下6名の方が、同じく西木村から「にしきふれあいの森推進協
議会」の7名の方が、「西木ふるさと会」からは3名の方が、MORIMORIネットワーク
から2名の方が、そして「瀬音の森」から10名、総勢28名の参加者で会議が行われ
た。瀬音の森の参加者は、NAKANOさん、わたるさん、澤田さん、加藤さん、ハミング
ウェイさん、猫ミュウさん、JICKYさん、竹中さん、こねこさん、kurooの10名。 

会議は田代村長の西木村紹介挨拶から始まり、全員の簡単な自己紹介に続いた。そして
村の事業計画と今後の取り組みについて説明があった。村の取り組み計画及び12年度
の取り組み案について意見交換するということになっていた。その後の司会役を仙北農
林事務所の宮崎さんが担当し、宮崎さんが指名した人が意見を言うという段取りで会議
が進行した。                                 

宮崎さんは様々な問題を●情報の発信。●人作り。●西木村に行くきっかけ作り。とい
う視点で分類して参加者の意見を求めた。情報の発信という視点でハミングウェイさん
は、いかに西木村の情報を共有出来るかが問題、ホームページやインターネットの充実
や広報誌の充実を計って欲しい・・・と発言。人作りという視点でNAKANOさんは、一
過性のイベントで人を集めるのではなく、西木村の人に会いに行きたくなるような関係
を作るべきだという話。また、都市住民という言葉の概念について疑問が提示された。

わたるさんからは小菅村の例を引き、キャッチアンドリリース区間の設定で都市住民と
村との結びつきが深くなったという話が出た。竹中さんからは、西木村に行く人と住民
とが共有できるスペースとしてのコーポラティブハウスの提案がなされた。また、MOR
IMOIRIネットワークの方からは西木村に都会の人が行かなければならない必然性につい
ての話があり、よほど吸引力がないと難しいだろうという話が出た。また、俳句大会の
提案があった。                                

西木ふるさと会の方からは、現状の西木村で人を集めることは難しいという話と、マラ
ソン大会などを企画したらどうかという話が出た。それに対して、私は市民参加林業は
イベントに頼るのではなく、いかに長く続く協力関係を作り上げる事が出来るかにかか
っているのではないかと反論した。                       

私は村の活性化というのは、そこに住んでいる人が元気になる事だと考えている。けし
て、外から何人集まったかではなく、村の人間が何人元気になったかで判断するべきも
のだと思っている。「にしきふれあいの森推進協議会」の方々はいずれも素晴らしい方
々で、このメンバーが揃ったのだから素晴らしい森作りが出来ると確信している。この
メンバーがそれぞれ自分の得意分野で発言を繰り返し、行動していく事こそが村の活性
化なんだと思う。誰かが考えた事をやるのではなくて、自分で考えた事を実行していく
ことで村が活性化する。行政はそれを援助してあげればいい。           

我々村外者は、そんな活力ある活動をしている人に会いに西木村を訪れる。そして、一
緒に活動して勉強する。そんな関係が理想的な関係なのではないかと思う。もっともっ
と村の中の名人を発掘して、世の中に紹介してあげる。そんな事が行政のやることなの
ではないかと思う。                              

2時間という時間はあっという間に過ぎ去って、言いたいことを言えなかった人も多か
った。今日はこの後、林業体験と懇親会が予定されているので、懇親会で言い足りなか
った事は話そうということになった。                      

10分間の休憩後、「にしきふれあいの森推進協議会」の斉藤さんが講師となり、椎茸
の駒打ち体験教室が始まった。静かだった会議室にビニールシートが敷かれ、その上で
コナラの原木に電気ドリルのようなせん孔機で駒穴が次々に空けられていく。今回は携
帯出来るように30センチの原木を用意してもらった。せん孔機の音が響き渡り、原木
に駒打ちするハンマーの音が響く。それぞれ自分の原木を決めて、駒を打つ。ワイワイ
言いながらやっている顔は、先ほどの会議での顔とは別人のようだ。        

千鳥状植えという駒穴配置だそうだ。斉藤さんに借りて自分でもせん孔機を使って穴を
空けてみた。電気ドリルとほぼ同じ感触で穴が簡単に空いていく。私が子供の頃はこの
穴をハンマーで空けていたものだったが、ずいぶん簡単になったものだ。その後、斉藤
さんからこのホダ木の取り扱い方法の説明を聞く。この秋「瀬音の森・小菅」でコナラ
林の択伐とホダ木作りを予定しているので、真剣に聞いた。            

そして予定通り5時から懇親会が始まった。乾杯の後、一気に会話が爆発した。今まで
寡黙だった人が急に陽気になり、いつ果てるともしらない会話の渦があちこち渦巻いて
いる。こんなに活発な意見が次々に出てくるのだから、先ほどまでの会議はいったい何
だったのかと思ってしまうが、二者併用して始めて有意義な会議と言えるのかもしれな
い。酒の席での話は割り引いて聞け、という点も肝に銘じたいのだが、楽しいものは楽
しいのだから仕方ない。まあ、硬いこと言わないで・・・             

それにしても楽しい懇親会でした・・・あとはまた明日から。