瀬音の森日記


始まりはささいな事だった



1998.4.18


4月18日(土)神奈川県森林研究所へ高橋さんと同行した。研究所を一般に公開し
日頃の研究の成果を見てもらおうという催事だったようだ。小さい施設で様々な研究
が行われているらしいのだが、私には良く分からなかった。           

中川さんという研究者と少し話したのだが、我々の求める答えは得られなかった。中
川さん曰く「森林は水を作る事は無いのです。今、水源の森とか言っていますが、学
術的には実証されていないはずです。むしろ木を切った方が水は増えるという事にな
るはずです。」と取り付くしまもない。木を植えて育てる事が豊かな水をたたえた川
を作る事になるはずだ・・・と思っていた私には意外な話の展開になってしまった。

う〜〜ん・・何か違うなあ・・・と高橋さんと二人でその場を後にして研究所の管理
する自然公園を歩く事にした。その公園を歩きながら話したのは、お互いに具体的に
何かをやろうよという事だった。                       

今まで漠然と考えていた事を高橋さんに話した。それはこんな事だったと思う。  
・何とか瀬音の森を作りたいものだ。                     
・自分の体力を考えると10年くらいしか出来ないだろうから早くやりたい。   
・あと5年くらいで会社を引継ぎ、瀬音の森作りをやりたい。          
・先立つものはやはりお金。自分は一体どれだけのお金をつぎ込めるか?     
・最終的ににはカミさんと別居になるか、単身赴任になるか?          
といったような話を取り留めもなく話していたように思う。           

園内の「ケヤキの森」に来たとき、期せずして二人の声が揃った。        
「気持ちいいねえここは」「瀬音の森を作るんだったらこんな森にしたいね〜」  

ささいな事だったかも知れない。そんな小さな事だったが、不思議なことに口から出
た【言葉】には何ものかが宿るらしい。言の葉・・言霊などと言われているのがこの
現象なのだろうか? この時から私の中の【何か】が確実に変わった。      

家に帰って、メモ帳を取り出し「瀬音の森構想実現に向けて」と書き出した。今まで
頭の中にしまっておいた様々な内容や問題が次々にメモ帳の上に書き出されていく。
初めて書く内容なのに、今まで考え続けて来たようにスラスラと出て来るのが不思議
である。どうなってしまったんだろうか???                 

こうして瀬音の森実現に向けての一歩が踏み出された。             

きっかけはささいな事だったように思う。この小さなきっかけが果たして本当に瀬音
の森へと結びつく事が出来るのか? 自分でもどうなるか分からないが、何処まで出
来るかやって見るのも面白いと思う。日記風にこれから起こる事を書き綴る事が、今
後自分でもやって見ようと思う人の何かの助けになれば・・・・という事、そして、
仲間達には黒沢和義という人間がどんな事を考え、今何をやっているのか・・という
経過報告という意味でこの「瀬音の森日記」を書いていこうと思う。       


あとはまた明日から。