瀬音の森ニュース 15


東大演習林勉強会は無事終了しました。



1999. 10. 16-17



「瀬音の森はどんな森作りをしたいのか?」そんな問いかけから始まった勉強会は
2日間の濃い内容で、本当に有意義なものでした。ボランティアで休日を二日間も
案内して下さった大村技官に感謝致します。ありがとうございました。     




10月16日                                 
若干遅れた人もいましたが、予定通りに全員集合し勉強会は始まりました。全員ヘルメ
ットを着用し、名札を胸につけます。今日案内をしてくれる東大技官の大村さんが、今
日の予定と演習林での心構えを話してくれました。「瀬音の森はどんな森を作りたいの
か?を考えながら森を見て下さい。」という言葉が印象に残りました。       

全員集合してにぎやかな挨拶が始まりました。 樹木園で大村さんの説明を真剣に聞く参加者。

10:45、樹木園到着。                           
大村さんが歩きながら様々な樹木を紹介してくれます。葉っぱや、樹皮や、木の実や、
種子で様々な樹木を説明してくれます。次から次に樹木の名前が出てくるので、メモを
取ったり写真を撮ったり、サンプルをファイルしたりと会員も結構忙しい勉強でした。

12:30、樹木園を下って滝川の河原で昼食。滝川のきれいな流れを見ながらの食事
でした。                                   

河原で三々五々昼食をとります。

1:00、滝川から尾根にガレ道を急登します。足場が悪いので一歩一歩注意深く歩を
進めますが、汗が流れます。周辺の樹相が登るにつれて渓畔林樹相から尾根樹相に変化
していきます。                                

2:30、東大演習林自慢のシオジ林に到着しました。ここは樹高は40メートル、樹
齢300年から400年という立派なシオジが林になっています。東大演習林自慢の日
本一のシオジ林です。                             

シオジ林の余韻を楽しみながら、道はヒノキ林の中を急降下します。間伐したばかりの
樹齢40年生のヒノキ林です。急な道が滑るので注意しながら暗い林の中を下ります。
途中ドラム缶で作った熊の罠を見つけました。道を下りきったところが久度の沢です。
そこから更に滝川まで下り、丸木橋を渡って対岸の斜面を国道まで急登して今日のコー
スの終了です。                                

急斜面のヒノキ林でしばし休憩です。 丸木橋で滝川を渡ります。ちょっとスリルが・・

5:00、夜学が始まりました。安谷さんの「秩父イワナ講座」です。秩父イワナとは
何か?という問いかけと答えをプリント3枚にまとめたものをテキストにして解説して
頂きました。そしてイワナの写真をスライド上映。全員がしっかりと勉強しました。 

おなかがすいていても、真面目に夜学です。 この豪華な夕食を見て下さい。渓酔さん稲垣さんに感謝。

6:00、やっと夕食です。稲垣さんと渓酔さんが中心になって出来上がった夕食はと
ても豪華なものでした。きのこ汁、焼き肉、麻婆豆腐、お刺身、漬け物、いなごの佃煮
、新しょうが、食べ放題のご飯、うどん・・・大村さんが差し入れてくれたビールが開
けられて宴会が始まりました。                         

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10月17日                                 

8:30、身支度をして出発です。車で入川沿いの林道を走って演習林に行きます。途
中二カ所のゲートがあって一般車は入れません。林道の終点は標高1200メートル、
赤沢谷の上、周りは原生林が広がっていて空気がひんやりしています。       

ブナとイヌブナ林の中に作られた「大面積プロット林」を見ました。林を20メートル
間隔で区切り、全ての植物を計るという調査をしている場所です。植生、育ち具合等を
各プロット毎に詳細に記録する事で、多くの森林の事実が明らかにされるのです。  

更にバスで移動しながら各種の研究林を見学します。66年生のケヤキ一斉林。ここは
ケヤキの二次林で、針葉樹でなく広葉樹を造林するとどうなるかが良く分かる林です。
間伐のやり方など、まだ研究すべき課題は多いようです。             

続いて、ヒノキの復層林。上木は69年生のスギ、ヒノキ。下層林にびっしりと植えら
れた小さいヒノキの林。60年前から間伐を繰り返し、徐々に木の間隔を空けて現在の
形に至っています。今はこの上木のスギ1本が2万円、ヒノキが3万円だそうで、切り
出す人件費の日当が1万5千円では、とても採算が合わないそうです。次に見たのは長
伐期施業試験地。ヘクタール100本・200本・400本と間伐密度を変えてスギを
育てています。                                

10:00、矢竹沢で車を降り、入川軌道跡を歩きます。ここは昭和49年まで森林伐
採のトロッコ列車が走った跡です。入川の渓谷美を堪能しながら、大村さんが説明して
くれる渓畔林の解説を聞きます。                        

入川沿いの森林軌道跡は本当に気持ちよい。


木漏れ日の赤沢出合いで、唯一の集合写真です。

11:30、終点の赤沢出合い到着、大休止。全員で集合写真を撮る。木漏れ日の中の
爽やかな休憩でした。そして、キノコを採りながらの楽しい渓畔林歩きが帰り道になり
ました。                                   

1:00、宿舎で昼食。朝食で食べきれなかった食事が昼食になりました。歩き回って
きたので食がすすみます。ゴミは全て持ち帰りなので、きれいに食べ終わります。そし
て全員で後かたづけ。最後に大村さんに挨拶してもらい、全員でお礼を言って勉強会は
終了しました。