瀬音の森ニュース 119


3月の小菅間伐教室



2004. 3. 13/14



3月の小菅間伐教室は間伐と畑の耕耘をした。ハミングウェイさんのレポート。

9時過ぎには小菅の船木山荘前に到着した。一ヶ月前来たときに見た山肌の木々は白っ
ぽい冬の色だったが、今回は膨らみ始めた木々の息吹でうっすらと赤みを帯びている。
広葉樹の林の白い木肌が映え、杉や桧の緑と美しいコントラストをなしている。   

快晴だが、春霞なのか杉花粉なのか、冬の空とは明らかに違う厳しさの和らいだ青さだ
。春の陽射しを背中に感じながら久しぶりに参加した息子のアキオと登山道を歩いた。
来る途中、猫さんから電話があって、大学に提出する書類に不備があって遅れてくると
のこと。じきにしゃあさんも来ることだろう。早めに上がって小屋の掃除でもするとし
よう。                                    

春を前にして山肌の色も変化してきた。 山小屋はいつも通りのたたずまいだった。

暗い桧林の中の小屋の佇まいは、そこだけ間伐によって明るさを取り戻し、私達の到着
を待っているかのようだ。小屋のテラスで汗を拭いながら木漏れ日が優しい林を見回わ
しボーっとする時間が心地よい。                        

アキオと二人で間伐は危険なのでしゃあさんが来てから始めることにし、私はもう一度
下山して荷揚げをした。今回は人数が少ないので奮発してすき焼きのセットを数人分用
意してきたのだ。途中でしゃあさんとすれ違い「今日は人数が少なさそうなのでのんび
りやりましょう」と挨拶。しゃあさんの背負子には、お泊りセット以外に缶ビール1ケ
ースが括り付けられていた。                          

午前中は3人で小屋の中や周りの整理にあてることにした。私とアキオは重度の花粉症
なので、私は小屋の中を念入りに拭き掃除。しゃあさんは周りの丸太を整理して、この
時のために新調してきたグレンスフォシュ(ウィスキーではありません斧です)で薪割
り。汗を流した後、軽くビールと昼食をとって一休み。猫さんもこの日のためにチェー
ンソーを買ったそうで、それを待って間伐を始めようと思っていたが、猫さんは書類提
出に手間取り遅れるようだ。三人で手鋸で始めることにし林に入った。       

しゃあさんが山小屋の前で薪割りをしている。 手鋸での間伐は体力を消耗する。

チェーンソーに慣れるとこの手鋸は実に効率が悪い。なるべく細めの桧を三人で交代で
切り倒し始めた。慣れ始めるとだんだん欲がでて太い木にも挑戦したくなる。100%
枝掛かり必至の間伐は、一度木を胴切りし、ほぼ垂直に地面に落としてその木を抱えた
りロープでひっぱったりして倒す。力持ちのしゃあさんが居たからいいものの、この仕
事は三人とはいえ一人は非力の私だから難儀だった。それでも午後4時ころまで頑張っ
て10本ほど倒しただろうか。私達は下に降りて小菅の湯でゆったり。しゃあさんは小
屋のそばで焚き火を燃しビールでまったり。いい夕暮れだ。            

間伐が終わると日差しが林床に差し込むようになる。 夜の宴会は懐かしい歌とともに。

暗くなって猫さんがチェーンソーを担いで小屋に上がってきた。後は何時ものとおりの
晩餐。1kgほどあった霜降り牛ロースも瞬く間になくなってだんだん酒宴は佳境に入
っていく。猫さんは買ってきたばかりのチェーンソーを組み立て、しゃあさんが用意し
てきた70年代GSのナツメロ集四枚組みを流し、皆しみじみと青春を思い、酒の量も
増え中身も濃くなっていく。                          

酒を飲みながら歌うのも時には良いものだ。 猫さんは明日のために買ってきたチェーンソーの組み立て。

何時もの小菅、何時もの丸太小屋、何時もの人々、何時もの酒宴。外に出ると間伐で広
がった樹間に星が輝き、小屋の明かりが窓やログの隙間から煌煌ともれる。フォーセイ
ンツ、シューベルツ、ブロードサイドフォーなど懐かしいGSと共に男達の談笑ももれ
、私は今回もやって来たことに満足した。                    

何時もの朝を迎え、それぞれに焚き火の周りに集まり、ビールを手にとりコーヒーを沸
かす。夕べは中身の濃いメンバーばかりだったせいか、ついつい度が過ぎちょっと辛い
朝だった。                                  

しゃあさんがお約束の朝プシュで焚き火にあたっている。 アキオさんの玉切り。

野村さんから電話があって、今朝下に着いて次回ジャガイモの植付けのための畑の手入
れをしているとのことだった。                         

軽い朝食の後、それでも定刻の9時には作業を始めた。猫さんの用意してくれたチェー
ンソーも無事起動してエンジン音を森中にとどろかす。今日は、しゃあさんの斧との初
顔合わせなので、チェーンソーで間伐材を玉切りし、斧で薪割をすることにした。  

猫ミュウさんの玉切り。 玉切りした丸太を並べて、これから割る。

小さいながらも新品のチェーンソー。さすがに良く切れる。しばらく薪割りには事欠か
ないだけの玉切りをやって、下で畑を耕している野村さんに合流すべく昼前に小屋を後
にした。                                   

野村さんが耕運機コマメちゃんのエンジンを快適にとどろかせ畑を耕しているところだ
った。ジャガイモの連作のため畑に石灰も撒いている。野村さん、東京出身、東京育ち
のシティボーイなのに本当に畑仕事が好きなのだ。私達が魚釣りを忘れて森の仕事に没
頭するように彼もまた畑仕事に燃える。やっぱり渓流釣り師って根底に縄文の血が流れ
ているのかもしれない。                            

下の畑に勢揃いして耕耘を手伝う。 しゃあさんも耕耘をする。

帰り、中央高速に抜ける鶴川で何人かの釣り人が釣り糸を垂れていた。さて、さて、来
週は秩父だし、いつ私の渓流解禁にしようか。考えながら山梨を後にした。