【汗蒸幕体験記】


驚きの連続だったハンジュンマク。その顛末をどうぞ。


大きな看板とネオンのあるビルの地下に降りていった。そこに受付があり、すぐに
靴を脱いで靴箱に入れるよう指示された。日本語が堪能な女性スタッフがすぐに来
て、待合室に通された。そこで詳しいコースの説明を聞き、オプションを選択させ
られる。初めてだったので、どこまでが基本コースか分からずに、とりあえず上半
身の指圧コースを頼んだ。料金は3000円。基本コースには全身アカスリ・顔キ
ュウリパック・オイルマッサージ・牛乳マッサージ・シャンプーがセットになって
いて10000円。これはオプショナルツアーの料金なので自分で行けばもう少し
安いのだと思う。                             

男性のオプションコースは他に足指圧マッサージ6千円、全身指圧5千円、頭皮マ
ッサージ3千円、カッピング2千円、角質除去2千円、顔マッサージ&パック5千
円・・などがあった。女性はもっとたくさんのコースがあり、主に女性客が多いの
が汗蒸幕の特徴のようだ。パンフレットには女性の写真しか載っていない。   

オプションが決まると左手に基本コースの番号札、右手にオプションの名札をゴム
でつけられた。そして奥の脱衣所に案内され、指定の番号のロッカーを開けその番
号札も左手にゴムで止められた。脱衣所は韓国人と外国人を分けてあった。小さい
タオルを渡され、スッポンポンになり風呂のエリアに入る。日本のサウナとほぼ同
じ状況だが、風呂の数が多い。手前にゲルマニウム風呂と緑茶風呂。右手奥に人参
風呂と泥風呂。左手に男性の場合は汗蒸幕もどきのサウナと蒸しサウナ。中央奥に
水風呂となっていた。客は日本人ばかりのようで、日本語が風呂場に響き渡ってい
た。順番札は15番となっていたが、なかなか廻ってこないので何度もサウナに入
りすっかり上気してしまった。                       

他の客がいなくなってしまった時にやっと呼ばれてアカスリ台に向かう。ちょうど
簡単な手術台のようなベッドが6台ならんでいて、そのうちの一つに仰向けになる
よう片言の日本語で指示された。局部にタオルを置いただけの状態で横になると、
すぐにアカスリが始まった。若いアカスリ師は力が強く、ちょっと痛いくらいの感
じで腕から脇、足、反対側と手早くアカスリを済ませる。そしてそのままの状態で
お湯をザブンとかけられ、うつぶせになるよう指示される。うつぶせの状態で同じ
ようにアカスリをされ、終わると一端風呂場でシャワーを浴び、お湯に浸かるよう
指示される。                               

緑茶風呂で暖まっていると、今度はすぐに呼ばれて、先ほどとは別の体格の良い人
に指示されて奥のベッドに横たわった。今回も局部にタオルを置いただけのはなは
だ心許ない状態のままだ(^^;) まずは仰向けになって、顔にキュウリパックを施さ
れる。そして、体にいきなりオイルが振りまけられ、力強いマッサージが始まった
。日本のマッサージと違い、終始マッサージする側のテンポで進められ、こちらは
相手の流れに身を任せるしかない状態だ。機械的にもまれ、絞られしていると、な
んだか自分が人間ではなくて調理の下ごしらえをされている豚肉や鶏肉のような気
分になってきた。オイルで揉まれて、牛乳で揉まれて、これでコショウでも揉み込
まれたひには、そのままオーブンに入ってもおかしくない気分だ。う〜〜〜む、塩
コショウをすり込まれる肉というのはこんな気分なんだろうなあ・・・     

最後にシャンプーをして大きなバケツからお湯をすくって頭にザブンとかけられて
基本コースは終了した。再びシャワーを浴び、お風呂で暖まる。サウナにも入って
先ほどの何とも言えない気分から、人間に戻るための時間を作った。      

風呂から上がり、休憩しているとオプションの指圧をするから着替えろと指示され
る。サウナパンツと作務衣の上着のようなものを着せられ施術室に呼ばれた。中年
の施術師が上半身をうつぶせの状態で指圧をはじめた。この人はいろいろ細かく聞
いてくれて、それに韓国語で答えているうちにすっかり気分が良くなってしまった
。人間扱いしてもらえるのは嬉しいものだ。この指圧は非常に素晴らしいものだっ
た。日本での指圧とは方法もツボも違っていて、疲れやこりに直接響くような指圧
だった。おかげですっかり体がリラックスできた。カミさんの話では足ツボマッサ
ージも最高だったそうだ。                         

ここでの変な発見:韓国の人達はスッポンポンのまま靴下だけ履いて動き回る人が
多い。日本ではまず見かけない光景だが、パンツよりも靴下の方が重要なのか、そ
れが習慣なのか?・・あれはなぜだろうか、不思議だ。前を隠さない人も多いが、
ものの大小とは関係ないようだ。                      

全てを終えて明洞(ミョンドン)の街をブラブラと歩き、ホテルに帰ったのは12
時過ぎだった。何とも言えない充実感だった。ホテルの小さな浴槽では暖まること
も難しいので、疲れを取るには良い場所かもしれない。カミさんはこれですっかり
調子よくなった。