瀬音の森・源流部会報告1


荒川最源流 真の沢 千丈の滝上流見学ツアー



2003. 8. 2/3



秩父在来イワナの生息調査、渓畔林周辺の森林学習会を行った。

●日時:2003年8月2日(土)〜3日(日)               
●宿泊場所:柳小屋                            
●共同装備:ザイル(8cm×30m)、コンロ(燃料)、コッフェル     
●個人装備:沢を遡行できる足装備(シューズ、スパッツ)、ハーネス、エイト環
      環付きカラビナ                        
●食料:朝1食分、昼(行動)2食分、夕1食分、予備1食分、米1合     
●日程(案)※雨天の場合変更あり                     
2日(土)10:30 秩父演習林川俣学生宿舎駐車場 集合         
     11:00 矢竹沢                       
     12:30 昼食(赤沢と入川の尾根)              
     15:00 柳小屋                       
     15:00以降 自由時間                    
3日(日) 7:00 柳小屋出発(標高1130m)            
      8:30 千丈の滝(標高1500m)             
     11:30 真の沢林道(甲武信岳への旧登山道)(標高1800m)
     14:00 柳小屋帰着                     
     15:00 柳小屋出発                     
     18:30 矢竹沢                       
※悪天が予想される場合は前日の21時に最終決定をする。          

ツアーの見どころ                             

甲武信岳を中心とする真の沢、股の沢流域は国有林で林野庁指定の森林生物遺伝資
源保存林(目的:森林と一帯になって自然生態系を構成する生物の遺伝資源を森林
生態系内に保存し将来の利用可能性に資する森林、面積約2100ha平成9年3月
設定)に設定されています。                        

真の沢千丈の滝上流は花崗岩が風化して堆積した川原状になっており、下流の渓流
域とは異なった植生をしています。                     
秩父の渓畔林のシンボルであるシオジは姿を消し、サワグルミ、ヒロハカツラ、ヤ
ハズハンノキ、オガラバナなどの広葉樹にコメツガやカラマツなどが混生した渓畔
林になります。また、真の沢と木賊沢の合流付近にはサワラの純林が見られます。
サワラの分布は木曽や秩父が中心であり、秩父地域ではここでしか見ることが出来
ないたいへん貴重な森林となっています。                  

着替えて、いざこれから山へ!気合いがみなぎる参加者。 フサフジウツギの青い花が矢竹沢で見送ってくれた。


黙々と森林軌道跡を歩く安谷さん。入川ぞいの平らな道。 前方を歩くkazuyaさんと石川さん。約1時間の歩きです。


森林軌道の道ばた、至る所に生えているシオジの実生。 赤沢と入川の尾根で休憩中。ここで昼食になった。


ブナの葉のオトシブミ。チョッキリゾムの卵が中に一つ入っている。 鮮やかな黄色は、腐食した木に生えていたニカワホウキタケ。


金山沢出会いで休憩しながら、周辺の地理を解説するkazuyaさん。 入川沿いの登山道を黙々と歩き、柳小屋を目指す。


珍しいきのこ、マゴジャクシ。 コケに覆われた岩石が増えてきた。これが奥秩父の山道。


柳小屋に着いた。 夜の宴会用に薪を調達してきた。


関根さんが釣ってきたイワナを焚き火にかざす。 夕食は吉瀬さんが作ってくれた野菜たっぷりスープとご飯。


夕まずめに5尾のイワナを釣ってご満悦の石川さん。 夕食を食べる大ちゃん、関根さん、安谷さん。


焚き火でイワナを炙る。火の大きさに合わせてこまめに調節する。 大ちゃんが見つけたカモシカ1頭分の骨。背骨はちゃんと繋がっている。


kazuyaさんが小屋の前でイワナを釣った。これはそのままリリース。 焼きがらしのイワナがいい感じになってきた。


カラカラの焼きがらしで作った骨酒。甘くて濃厚な味は何とも言えない。 焚き火とイワナ・・・夜が更けていく。





朝食を作る安谷さんとkazuyaさん。 朝食は野菜たっぷりのみそ汁と、秩父名物ずりあげうどん(納豆入り!)


真の沢林道を登り詰める。ヒメコマツの巨木がお出迎え。 ツガとヒメコマツ、林床にはアズマシャクナゲ、奥秩父の森だ。


珍しいクロベの巨木。こんな大きなクロベは初めて見た。 バラモミの巨木と安谷さん。


バラモミの球果。大きい! バラモミの巨木は真っ直ぐ天を突き刺すように伸びている。


イヌブナ、スズタケ群落。秩父を代表する植物群落の一つ。 ウコギ科の高木、ハリギリの巨木。太くなると幹のとげは無くなる。


茶色い毛が特徴のミヤマクマワラビ。サワグルミ林の林床に生えている。 尾根にはツガの林が出来ている。休憩中の石川さんの足も・・


写真では分かりにくいが、木々の奥の白い線が千丈の滝。 ここまでの道のりが大変だっただけに、この滝を見た瞬間は感動した。


いきなり道が滝上の河原に出た!この景色も印象的だった。 千丈の滝落ち口。とても覗く気になんてならない。


苔むした川でフライロッドを振る石川さん。 いつも全員の動向を確認しているkazuyaさん。


コケに覆われた原生林を流れる無垢の川。水はあくまで透明。 kazuyaさんがイワナを釣った。


私も釣った。 石川さんも釣った。


関根さんはテンカラの竿が折れて、餌釣りに変更。 安谷さんが釣った尺イワナ。


こんな天国のような川にイワナが棲んでいる。 苔むした原生林。リスが上流から下流に向かって一心不乱に走っていた。


サワラの林に天然カラマツも混じる。こんな素晴らしい場所がある。 胸高直径1メートルはあろうかという天然カラマツの巨木。


崖の上には神々しささえ感じさせるヒノキの巨木が立っていた。 なめ滝の悪場をザイルを使って登る。


今日の終点、二段の滝。何とかたどり着きました。 全員で記念写真。第1回源流部会の到達点。


この滝を登って帰路につく。 道探しの間に真の沢の最後の写真を撮る。いつかまた・・


尾根から一瞬の眺め。奥秩父の原生林が連なる雄大な眺め。 尾根のヒメコマツにもたれて記念写真。


樹皮がコルクのようになっているサワラの巨木。 オノオレカンバの巨木。なぜかオノオレカンバは斜めに立つ。


関根さんが釣った29センチのチチブイワナ。 信玄ブナに別れを告げて、源流行が終わった。