出雲大社 敗者の記憶を辿る旅



いつかは行ってみたいと思っていた出雲大社にやっと行くことができた。何故
出雲大社に惹かれるのか分からなかったのだが、行ってみて何だか分かったよ
うな気がした。オオクニヌシの尊はなぜこの場所に祀られなければならなかっ
たのか?長年の疑問がその場所に行くことで氷解した。まあ、これはあくまで
個人的な推測の範囲なのだが・・・斐伊川上流の砂鉄と玉鋼、タタラとヤマタ
ノオロチ伝説、スサノオノミコトと草薙の剣。鋼は今の時代で言えば核兵器の
ような最先端で圧倒的な武器の材料だった。それを巡る戦いが渡来神と国つ神
の戦いだった。敗れたオオクニヌシの尊はここに祟り神として葬られ、誰がこ
の国の主であるかを満天下に知らしめる為にここに祀られた。出雲大社の宝物
殿で美智子皇后が詠まれた句に「くにゆずりしおおきみの・・・」とあった。
古代のロマンではなく現実の勝者の歴史に触れたひとときだった。そして、そ
れは敗者の歴史が歴然と存在することも実感させてくれた。        





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