その4【知床は渓流天国だ】編

オショロコマの住む渓流へ




3日目の朝は6時起床、知床でオショロコマを釣る日だ。今日も高橋さんが運転を担当し
てくれている。途中ガソリンを入れ、コンビニで食料を調達し、右にオホーツク海を見な
がらひたすら知床を目指して車は走る。追い越し禁止車線などなんのそのブンブン走る。
左「網走」の道を分けたころから霧が出てきた。ひろしさんの話だとここは霧の多い場所
なのだそうだ、昨日は雨が降っていたそうだ。極端に見通しの悪い道を時速80〜100
キロで走る。途中『忠類川』を渡る、川幅の広いゆったりした川だ。ここに全国から鮭を
釣るために釣り人が集まってくるんだ・・釣り雑誌の記事が身近に感じられる。    

やっと見慣れた渓流の景色、これなら釣れそうな気がする。 オショロコマは次々に釣れる、そして逃げない。

最初の川は崎無伊川の中流、ひろしさんいわく「典型的なオショロコマの川」だそうだ。
ここで一時間思い思いの釣りを楽しむことにする。高橋さんがさっそく第一号を釣った。
全員が知床のオショロコマを覗き込む、オショロコマは大きな目をキョロキョロさせてい
た。リリースされたのに逃げようともせず足元で定位している。人間をこわがっていない
のだ。                                     
MICKEYさんとドライフライで釣り下る。5センチくらいのチビヤマメがうるさいほ
どアタックしてくる。オショロコマの反応は大きく、つい早合わせしてしまいなかなかフ
ライに乗らない。それでも2尾のオショロコマが顔を見せてくれた。色が濃くて模様がき
れいな知床ネイティブだ。こうしてあっという間に一時間が過ぎてしまった、楽しい時間
は過ぎるのが早い。                               

いよいよ温泉に向かう。野を越え山を越え谷を越え、車幅ピッタリの林道が延々と続く。
熊笹の繁った原野はどこに熊がいてもおかしくない。林道を走ること20分道端に「ゆ」
と一文字だけ書かれた小さな木の看板が立っていた。分かれ道を川に向かって下りる。 
橋を渡ったところに車を止める、薫別川上流、どうやら先行者はいないようだ。    

写真がブレてしまいましたが、元気なオショロコマです。 薫別川上流、エメラルドの淵にたたずむ山男魚さん。

ロープを張ってあるガケを下りると川に出た。エメラルドブルーの淵が岩盤の底に沈んで
いて、その淵を見下ろす位置に畳一畳分くらいの広さの湯だまりがある。これが目指す温
泉だった。温泉の横にはロープを結んだバケツが置いてあり、これで川の水を汲んで温泉
を入りやすい温度にするのだ。手を入れると熱い!山男魚さんが水温計を入れたら何と4
7度もある。このままでは熱くてとても入れない。                 

とりあえず魚を釣ろうということになり、私は下流へと下る。茶のパラシュートにいきな
りバシャっと出た。20センチオーバーのまあまあの型。橋の下の流れ込みで今度は18
センチのオショロコマ、さかんにアタックしてくるのが健気だ。しばらく楽しんだら釣り
を続ける気持ちも薄くなり温泉のところに戻る。淵の大物を釣るんだと言って高橋さんと
ムラサさんが攻めている。ひろしさん野村さん山男魚さんはそれを見ている。MICKE
Yさんは私と入れ違いに下流へ釣り下っていった。                 

ひろしさんが座っているところが温泉なのです。 温泉前の淵でオショロコマをニンフで狙う高橋さん。

高橋さんが釣った「おりゃあ!やったあ!」叫び声とともに大歓声が上がった。「釣れる
んだねえ!こんなに騒いでいても」続いてムラサさんが釣った。0.1号の糸だそうで慎重
に寄せてくるところ写真をパチリ。ひろしさんが「そろそろいいかな」といってバケツを
淵に放り込み、大きな音をたてながら温泉に水をくみ上げる。そんな中でまたムラサさん
が釣る。「ここの魚は逃げるということを知らんのかね?」皆が首をかしげる。    

ムラサさんが釣った!0.1号の糸で慎重に寄せる。 温泉に浸かって幸せな気分、kurooと高橋さん。

高橋さんがひろしさんに替わって水を汲む。こちらを見ながら叫ぶ「これだけ子分がやっ
てるんだから親分まさか入らないなんて言わないよなあ!」まるでおどしだ・・・   
覚悟を決めて温泉に入る、人の前で服を脱ぐのに抵抗があったが、脱いでしまえばもうこ
っちのもの。高橋さんも入って二人で最高の露天風呂を楽しむことにした。温泉は以外に
熱くなく、ゆったりと入ることができた。                     

何せまる2日間風呂に入ってなかったので気持ちの良いこと「極楽じゃあ〜〜」ほてった
体を川の水に浸ける。滑床の岩盤が天然の水風呂のようにおあつらえ向きになっている。
「気持ちいい〜〜」ザブンと頭から水をかぶる、ゆったりとした淵が目の前に広がってい
る。思わずザブンと飛び込んで上流に泳ぎはじめた。クロールそして平泳ぎ・・透明なプ
ールは青い水をたたえて静かに流れている。ゴーグルがあれば潜るのだが、目が悪くてよ
く見えないのでそのまま元のところまで戻った。「気持ちいい〜〜」         
自然のままの温泉とプール、何とぜいたくなことか!知床の自然に自分が溶け込んでしま
うような気分。こんなゴージャスな気分を味わせてくれたひろしさんに感謝!     

温泉に入ってサッパリして清々しい気分で知床を後にした。車はすごいスピードで林道を
走る。運転はもちろん高橋さん。しかしこの道は一度来たからといってとても覚えられる
ものではない。オショロコマの泳ぐ手付かずの渓流はこの大きな自然があってこそ残され
たものだったのだ。このままずっと今のままの姿で残ってほしいものだ。       

帰り道でMICKEYさんの車が我々の車をすごい勢いで追い越して前方に消えた。時間
がせまっているらしい、事故を起こさなければ良いのだが・・でもMICKEYさんの腕
なら大丈夫だろう。                               

キャンプ場に帰りあとかたずけをする。ムラサさんとはここで別れる。        

3日間滞在したキャンプ場、オホーツク海の風が涼しい。 空港まで送ってくれたKuny'sさん、ひろしさん、西別川さん。

西別川さん、ひろしさん、Kuny'sさんとともに釧路に向かう。この牧場が延々と続く道東
の風景は一生忘れないだろう。仲間と遊んだ道東での時間、今は多少疲れたなんて思って
いても徐々に輝きを増して、一生輝き続ける宝石のような時間になっていくに違いない。

釧路空港のすぐ近く、原野に一頭のエゾシカが立っていた。タイミングよく見送ってくれ
ているようなその姿は旅のエピローグにふさわしい風景だった。空港で3人の見送りを受
け、頭が下がった。このようなすばらしい旅を演出してくれた、ひろしさん、西別川さん
に改めて感謝したい。そして図々しいとは思うのだが来年もまた計画してほしいものだ。




番 外 編

西別川さんからの提供写真です

西別川さんが釣ったレインボウトラウト、きれいな魚です。 昼食の準備をする参加者達。


空港搭乗口で、高橋さん、山男魚さん、kuroo、野村さん。