北の大地にて


【瀬音】の北海道OLMが7月5日(木)道東の西別川を中心に開催された。



北の大地にて                               


7月5日北海道中標津空港。天候調査のため飛ぶのが危ぶまれた飛行機だったが、
予定通りに着陸した。満席の乗客も安堵の表情を浮かべている。ボーディングブリ
ッジを渡り、空港の建物に入ったとき空気が冷たく感じた。無理もない。先ほどま
で30何度の世界にいたのだから。どうやら小雨が降っているようだ。     

レンタカーの手続きをして車に乗り込む。藪の高橋さんが運転してくれる。私と鵜
住居さんは荷物を積み込んでナビゲーターである。さて、これからどこに行こうか
という相談になり、誰言うと無く「とりあえず西別川だよね・・」という事になっ
た。西春別の「かつら」で昼飯を食べてから考えようという結論だ。      

どこまでも真っ直ぐな道を走りながら                    
「いやあ、北海道だねえ」「毎年この景色を見るたびに思うけど、広いよねえ」 
などとおきまりの会話が続く。今晩からのOLMへの期待がむくむくと湧いてくる。

11時半に「かつら」に着いた。1年ぶりに来たレストランでカキフライを注文す
る。どこに川に入ろうかなどと相談しながら食事する。            
「何だか山男魚さんが来ていて、もう飲んでいるんじゃないかと思ってた。」  
なんて話していたら、駐車場に見たことある車が入ってきた。         
「あれ!・・・西さんが来た!!」                     
なんと、入ってきたのは今回のOLM幹事の西別川さんだった。別に待ち合わせた訳
ではなかったので、これには驚いた。聞くと、これからひろしさんとnaruseさんも
やってくるらしい。図らずもOLM前哨戦の様相になってきた。         

ひろしさんとnaruseさんがやってきた。何だか不思議な気がする。北海道の各地か
ら一斉にここに向かって車を走らせて、こうして一堂に会するなんて。再会の挨拶
も、何だか会うのがごく当然のような感じで懐かしい。会話はすぐに釣りの話にな
る。わざわざ東京から来たからと言って特に気負うこともなく会話に参加する。 

西別川さんが選んだ場所に全員で入り、我々3人が上流へ、西別川さんとひろしさ
んとnaruseさんが下流に入ることになる。着替えて釣り支度をする。1年ぶりの西
別川だ、いささか緊張する。忘れ物がないようにしなくては。         

川に入って第一投が対岸の木にからみつき、ラパラのレッドヘッドをロストすると
いう最悪のスタート。藪さんがすぐ上流で30センチくらいのアメマスを第一投で
掛けたのとは対照的なスタートだった。上流なのでやや浅いとはいえ、流れの強い
西別川で上流に釣り上がるというのは体力を消耗する。重い流れが足をおさえて、
一歩一歩上流に進むのが大変だ。                      

ラパラを使って釣り上がるが、ニジマスとヤマメを釣ったのみ。藪さんも鵜住居さ
んもそれほど釣れない。だいぶ頑張ったのだが、寒さも厳しくなり上がることにな
った。草付きの斜面を登るとそこは牧場で、ミズナラの幼木が植樹してあった。牧
場の端を歩きながら、いよいよ西別川に来たんだという実感が湧いてきた。   

車に戻ったころから雨が降り出して本降りになってきた。着替えてOLM会場の尾岱
沼へと向かった。その後、道路標識を頼りに何とか尾岱沼にたどり着くまで2時間
くらいかかった。真っ直ぐな道ばかりで、どうも方向感覚が分からない。何とかた
どりついたセイコーマートで酒を仕入れ、バーベキュー会場へと向かった。雨がは
げしくなってきた。寒くて、何と車の暖房は全開である。東京では今頃35度を超
えているはずだ。日本はまだまだ広い。                   

尾岱沼のバーベキューハウスでは山男魚さんがすでに来ていた。もう缶ビール片手
に洗い物をしている。西別川さんとひろしさん、naruseさんは炭を熾してバーベキ
ューの準備をしている。我々も防寒着を着込んでお手伝いをする。とにかく寒い。

焼き網の上には生ガキ、鮭のハラミ、ホタテ貝が並んでいる。浜鍋とちゃんちゃん
焼きとジンギスカンがまだ控えている。そうそうイカもある。山男魚さんが釣って
きた生ホッケもある。さあ、準備が出来た。乾杯だ!             
「いやいやいや、久しぶりです」                      
「明日から良い釣りをしましょう、カンパ〜〜イ!」             

バーベキューハウスの外は暴風雨の様相を呈してきたが中は熱気がこもってきた。
缶ビールが空き、タリスカが空けられ、レジェンドが空けられた。熱々の焼き牡蠣
をハフハフ言いながらかぶりつく。パカっと空いたホタテの殻にバターと醤油が入
れられてジュージューと音を立て、香ばしい煙りが立ち上がる。飲み、かつ喰らう
豪華なバーベキューが続いていく。                     

ちゃんちゃん焼きはじつに豪快だ。鮭の半身と野菜を味噌味で炒める。キャベツが
旨い。浜鍋は巨大なアサリと鮭の切り身が入っている。熱々のスープが体を暖めて
くれる。5年前の第一回OLMの大バーベキュー大会を想い出してしまったが、皆そ
の当時よりもずいぶん食べられなくなったような気がする。          

9時にバーベキュー終了。二次会の会場はホテルだ。雨と風の中、後かたづけをし
て車で移動する。ホテルの部屋で着替えてから温泉に入り、温まって生き返ったよ
うな気がした。そして部屋に帰り宴会の続きが始まった。私はすぐに限界になって
しまい布団に倒れ込んでしまった。その後、山男魚さんに何かやられたみたいだが
眠気には勝てなかった。                          


 
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